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第81話 仲間との再会

☆☆☆作戦


「……!」


街を走っているとある男に出会った。そいつは自分を見つけるとすぐに剣を抜き胸ぐらをつかまれる。


そのまま路地裏へと連れていかれた。


「エクシリオ……どのツラ下げて戻ってきた! お前は魔王軍に寝返っただろうに!」


ドビーは相当気が立っていた。確かに彼から見れば自分は裏切り者だろう。


攻撃を喰らえば一撃で殺される。相当殺気立っているのも事実だ。


「待て、今争っている場合でないのは分かっているはずだ。お前の短絡的な行動がジエイミの命運を握っていることを理解しろ。迂闊な暴力はよせ」


「何を言う! そうやってジエイミを騙したのだろう? インチキ野郎が! 俺はな! 明日ジエイミを連れ去ってこの国を逃亡する! だからお前は何もす――」


「――無理だろ、それは」


「何?」


ドビーの意見を否定すると、間ができた。


「まだ気付いていないようだなドビー。ジエイミは自ら処刑されることを選んだのだろう。彼女の実力で衛兵や冒険者を振り払って逃亡することなんて造作もないはずだ」


「それは……だが!」


「だから、それが出来ない状況になっているということだ。お前が何の考えもなしに突入したことで彼女の処刑を回避できるとは到底思えない。むしろ状況を悪くする可能性だってある。恐らく説得だってできないだろう」


何一つ確証はないが彼を丸め込めた。


「……ならば! どうすればいいというのだ! 彼女は明日にも処刑されるのだぞ!」


「三つほど考えがある。協力してくれるか? ジエイミを助けられる可能性は高い」


「信用できねえんだよ! お前のことはもう!」


「いつでも殺すことだってできるだろう自分はこんなにも弱いんだぞ? 最初から可能性のない行動をするより、一筋の成功を求めるのが賢い選択だと思うが」


「だが!」


「心に従ってからでも遅くはない。まずは話を聞いて判断してくれ」


どうやら、納得してくれたようだ。


「……分かった。話してみろ」


ドビーは手を放し、壁にもたれかかる。


「まず情報を整理しておきたい、ドビーの周りで不審な行動をした相手はいるか?」


「……いや、少なくともお前だけだな」


まぁ、そうか……


話を聞くと、ジエイミはドビーたちに相談せず真っ直ぐ書状を王に届けた。つまり、そこで何かがあったということだ。


ドビーは自分が魔王であることを認知していなかった。つまり、人間領では魔王という情報は広まっていないようだ。


この情報は処刑回避のために使える。


とりあえず思いついた作戦をドビーに伝える。だけど……これで上手くいくという確証は未だ持てない。


「……大体分かった。とりあえず。さっき言った通りにしてくれ」


「本当にこれでジエイミが助かるのだな?」


「不穏分子はまだ存在している……臨機応変に判断するしかない。なにせ状況は常にどう転ぶか判断できれば、未来なんて不確かな物は必要ないだろう」


よし、これでドビーはどうにかなった。


☆☆☆移動手段を探せ


さて、ユーシャイン宅に向かわねばならない。


メルの装置は二度と乗りたくない。あれはマジで死ぬ。F1カーに素人が乗るようなものだ。それに彼女も情報を集めている最中だ。


ユーシャイン宅まで徒歩で移動すれば確実に日が昇る。馬車もそんな都合よく乗ることだってできないだろう。どうするか……


「ワン!」


そこに可愛い犬の鳴き声が……


「フェルフェル!」


ジエイミの仲間であるフェルフェルだ。魔族領の時に一緒に乗った! フェルフェルならばユーシャイン宅まですぐに着く!


「……」


あれ?


「フェルフェル!」


「……プイッ」


そっぽを向かれる。え……その名前気に入ってないのか?


「わんわんモフルン丸!」


「ワン!」


笑顔になる。すると、乗りやすいように体をしゃがめてくれる。


こいつほんと頭いいな。ドビーより賢いだろう。


何も言わずに自分の考えを理解してくれている。飼い主のピンチに颯爽と駆け付ける忠犬。何て頼もしい仲間なのだろう。


「行くぞ! わんわんモフルン丸!」


わんわんモフルン丸にまたがり、ユーシャイン宅へ向かった。






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