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第79話 移動手段は大変です!

☆☆☆エクシリオの焦り


自室に戻り精神を統一する。


ほんとに何なんだあいつは、ジエイミの件と言いメルの件と言い。いったい今自分の身に何が起きているのか分からない。


いや、分からないふりをするな、恐らくジエイミは最強の勇者エクシリオ・マキナに好意がある。


気付いている。臆病だから最弱だと知られぬように逃げているのだ。


しかし、メルは分からない。あれを好意と呼んでいいのだろうか。


彼女は非常に頭が良い。思考回路も突飛しているし割と自分の考えを読まれる。


だから彼女の好意にはどうしても裏があるのだと思ってしまう。それこそが自分の持つ現代知識だ。


正直に全てを見透かされている感じがして怖いし、このままでは自分という存在を完璧に理解されるのも時間の問題ではないのだろうか……


そして彼女に自分が持つ現代知識を全て理解されれば、もう用済みになってしまうだろう。


……怖いのだ。その先へ踏み出すことが。


☆☆☆突然の事件


それから数日が経ち、いつも通りに魔王らしく振舞っていた


そこに部下が大慌てで走ってくる。


「大変です! ジエイミ・メダデスが国家転覆を謀ったとのことです!」


……え。ジエイミが国家転覆? そんなわけないだろう。何かの間違えのはずだ。


「――どういうことだ。まさかあの書状が原因とでもいうのか?」


冷静を保ちながら、部下に問いただす。落ち着け……


「聞くところによりますと、明日にも国家反逆罪により処刑されるとのことです」


「――今すぐ人間領に赴く。彼女がそのようなことをするとは到底思えない。そこには何かしらの陰謀が存在しているはずだ」


一刻も早く事情を突き止める必要がある。しかしなぜ……彼女がこんなことになっているか……


「ですが……この後の予定があります!」


「――彼女の生死は今後魔族領の命運が関わってくる。挨拶などそんなものはいくらでも後回しが出来る。間に合わなくなっても知らないぞ」


「ですが……」


「――我に同じことを二度言わせるな……」


光魔法で威圧感を増すと黙る。今すぐにでも人間領へ向かわねば。


「っは! それではすぐ馬車の準備に取り掛かります」


「――そちらは我がする……メル」


メルの方を向くと、何も知らない素振りを見せている。メルがこの事態を招いた可能性だって否定できない。


確かにジエイミとメルは仲が悪い。つまり、この状況で彼女がいなくなれば都合がいいはずだ……


「言っておくけど今回の件は本当に何も知らない。私ならもっとうまくやる。それにわざわざあなたに伝えることなんてしないでしょ。死んだあとには言うけど」


疑われて不機嫌になっている。


ごもっともである。確かにメルならばジエイミを秘密裏に消す方法なんていくらでも考え付くだろう。


それも気付かれずに実行できる。だが……この事態を自分に気付かせて止めようとするところを目の前で処刑させるということも、彼女ならば考え付くはずだ。


「――無関係だというのなら、協力してくれるのだろう? できないと言うのならまだ疑うぞ?」


「……はぁ、でも私頼るって……」


やはり乗り気ではないか……


「――以前使ったあの装置があるはずだ」


ジエイミと会話をしていた時に急に現れた移動手段の装置。あれは明らかにスピードが出ていた。


「あれは一人用だし、今から操作法教えても君じゃ能力的に無理だよ」


「――大丈夫だ。考えはある」


車とかバイクと似たようなものだろう。それならマ○カで経験済みだ。自分一人でも……やっぱ怖いなやめておこう。


「――メルに運転を任せる。二人乗りだ」


「え、でも一人乗りだって……二人で乗る設計なんてしてないし、その分移動速度だって遅くなる。魔力の消費だって……でも人間領までなら最短距離でも……」


具体的な計算を始める。さすがは天才だ。


「――我が、後ろに乗ればいい。振り落とされなければいいってわけだろ?」


そう……異世界に道交法は存在しない! 二人乗りの自転車で坂道を降りるみたいなもんだろう。つまり……


二人乗りを異世界でやっても怒られないのだ!


「はぁ……分かったよ。やる……」


嫌々だがメルは納得してくれた。これなら最短距離で迎える!


「――それでは! 我は人間領に向かうぞ!」


「「「「うおおおおおお!!」」」」


そうして、自分はこの時の選択をひどく後悔することとなる。


あぁ…‥こんな提案をするのではなかった。


「いくぜ! ひゃっほぅーーーー!」


――ブゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!


彼女はバイクに乗ると性格が変わるタイプの女だった。


完全に前いた世界の法定速度を超えている。時速200kmは軽く出てるだろこれ。


それを原付のように狭い装置によって移動している。


車体から振り落とされると絶対死ぬので必死に抱きついていた。


「ぎょえええええええ!」


ジェットコースターに安全バーなしで乗っている気分だろうか……とにかく死ぬ。


一方メルはノリノリで運転をしてる。


「見たか! これが『重力制御式移動装置』の力だああああ!」


「ぐええええええ!」


さらに速度を増していく……増していく……


ああ、光が見える……ジエイミ……メル……さようなら……


――――



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