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第72話 再会したら魔王でした!

〇〇〇エクシリオとの再会


やはりマジョーナさんの言ったことは本当だったのでしょうか……


エクシリオさんが人間サイドを裏切り魔王軍へ入ったのは事実です。それどころか魔王になっていました。


確かにエクシリオさんの実力であれば魔王の座に就くなんて簡単でしょう。


「エクシリオさん……どうして魔王に……なんで私達を裏切ったのですか!」


「――ジエイミ――」


「――エクシリオさん! 答えてくださいよ!」


感情が収まりません。エクシリオさんに怒りをぶつけてしまいます。


「――あ、だから今説明を――」


「――それとも、エクシリオさんは見限ったのですか……確かに私達は愚かです……エクシリオさんの考えなど理解できない無能ですよ!」


「――いや、今話すから――」


「――どうして魔王軍側に寝返って人類を倒そうとするのですか――」


「――頼 む か ら 話 を 聞 い て く れ !」


怒られました……気が動転していました。


「ごめんなさい」


「――いいかジエイミ今からとても大事なことを話す。心して聞くがよい」


そうして、エクシリオさんは自分が魔王になった経緯を話してくれました。


ある目的のため、魔王軍に潜入し内側から魔王軍を変えていったとのこと。


思い返してみればエクシリオさんが人間領を離れてから数日後に、死者が出なくなりました。それは魔王軍も同じだったようです。


なるほど……流石はエクシリオさん……


「――そこで我は先代魔王と対面し、真実を見抜いた」


「真実……ですか?」


「――あぁ、そして数多の戦いを経て我は先代魔王のエボルーテ・ドロプスを説得した」


流石はエクシリオさん……凄すぎます……


「――その結果今の我は魔王軍を支配する立場にある。先代から譲りを受けたのでな」


よく見ると、横にエボルーテ・ドロプスがいます。表情を見るにエクシリオさんが魔王と認めているようでした。


「でも……どうして、エクシリオさんは魔王の命を奪わなかったのですか? こんな回りくどいやり方をしなくても、エクシリオさんの実力であれば……戦いが終わるのに」


「――確かに、魔王軍を力で制圧することなど我にとって容易いものだ。その気になれば一晩で終わらせることだって可能だ」


やはりエクシリオさんの考えていることは私の理解の外にあります。


恐らくそれ以上に深い考えがあるのでしょう。


「ならばどうして……成さなかったのですか……」


「――ジエイミ。今から残酷なことを言うかもしれないが、最後まで聞いてほしい」


「『勇者』は必要ないのだ」


「……え?」


勇者が必要ない? それは、私が必要ないということでしょうか……


嘘だ……そんなことは……


「――それは『魔王』も同じことだ。なぜ、勇者が必要なのかジエイミは考えたことがあるか?」


「いいえ……」


だめだ思考がまとまりません……


「――それは相対する敵を滅ぼすためだ。勇者と魔王は互いに憎しみ合い、争い続ける運命が存在している。それは古から伝説になるほどに、幾重にも渡り受け継がれてきた」


「――例え、今我が魔王を滅ぼしたとしても。また次の魔王が生まれてくる。そして次の勇者が現れ、人間と魔族の争いは終わることがない。沢山の命が失われていく……」


……なるほど。勇者が必要ない。意味がようやく分かりました。


私と勇者の存在を否定したわけではない。ただ。エクシリオさんは恒久的な世界平和のための一時的な解決法ではなく。より困難の道を歩もうとしている。


勇者が必要ない世界。魔王が必要ない世界。


それは誰よりも平和な世界であるのだと。


「つまり、エクシリオさんは……人間と魔族の争いを終わらせようとしているのですね」


「――そうだ。だからこそ、今我が魔王になっている」


それだけ言うとエクシリオさんは玉座から立ち上がり、私の元に近づいてきました。


「――ジエイミ。平和な世界のため我に協力してくれないだろうか……」


だけど……私の両親は魔族によって命を奪われ故郷も滅ぼされました。


その憎しみが消えたわけではないです。


「それは……」


もちろん。と頷きたかった。だけど、エクシリオさん近くにいる元魔王エボルーテ・ドロプス。


私は彼女を倒すために……ここまで来て……だからその覚悟が鈍れば……


「――《《黒幕》》がいる」


「え」



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