表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

64/160

第64話 追放の勇者

☆☆☆本当の能力


――自分は魔王を追放する。その決定に変わりはない。


「……妾が魔王に相応しくない? 何を抜かしておる!」


「――別にいいんだよそういうのは、ただ俺が認めた事実だけあればいい……《《エルは無能な烙印を押され魔王軍から追放される》》」


その瞬間。自分の身体に力が走る……そして……


「何を……! 急に体が……お主いったい何を……した!」


彼女の身体が苦しみだす。どうやら成功のようだ……


自分が持つ本当の能力に気付き始めていた。確証はないが条件は揃っている。


『光の魔法を操る』これはあくまで《《エクシリオ・マキナ》》が持つ能力だ。


これを自分が持つ能力と勘違いしていた。だが、神様は力を与えて転生させたはずだ。


神様との会話を思い出せ……自分が求めたのは『勇者らしい能力』のはずだ。


果たしてこの世界での勇者とは何を指す? エクシリオ・マキナは無能で雑魚な偽物の勇者だ。ステータスだってゴミだし、彼の過去を知ればただのチャラい奴だ。


明らかに序盤で死ぬかませ犬だ。そして、無能な勇者パーティーであった仲間のジエイミ・メダデスを追放する役割を持っていた。


『ざまぁ展開』でよくある自分は追放する側の勇者。


そう『《《追放》》』だ。


自分の能力は恐らく《《追放》》である。


勇者パーティーから追放されジエイミは、歴代勇者の中でも最強と言われるほど実力をつけた。


いくら彼女に才能が有ってもここまで短時間で強くなることはあり得ないだろう。


おそらく自分のパーティーから追放されたことが、ジエイミの力に大きく働いたのだ。


そして自分が直接追放したマジョーナとドビーは見た目すら変わっていた。イメチェンどころのレベルではない。マジョーナは若返り美人になったし、ドビーは髪が生えイケメンになっていたのだ。


明らかに何かしらの力が働いている。あの時は衝撃の真実を突きつけられて忘れていたけど……普通にあり得ないよな、容姿が変わるなんて。


この二人でまだ確証はなかったが、かつて自分が拾った愛犬の『フェルフェル』を見て確信に変わる。


明らかに巨大化する犬種ではなかっただろうに成長速度が異常すぎる。


飼えないと判断して逃した途端なぜか巨大化した。つまり、追放されたのだ。


要するに自分が追放した相手は何かしらの恩恵が得られるわけである。要するにバフ能力だ。


『激辛ゴブリン』も自分のせいで群れを追放された。だからあれほどの炎魔法を身に着けた。


『メイドさん』も自分の言葉で勇者機関をやめる決断をした。だから、魔王軍で恐れられる相手になっていた。笑いのツボに関しては元からだが……


他の奴らも何かしらの変化があったはずだ……


追放した相手に影響を与える力……だからこそ!


「――追放勇者の成り上がれバニシメント・オーダーとでも名付けておこう」


「どうなっておる……こんなことがあってたまるか……妾が……追放?」


エルの存在が薄れていっているのが分かる。つまりもうじきメルが現れる……


正直にこの能力ハズレの部類だ。自分には何の影響もないし無双だってできない。


ただ仲間を追放するだけの能力だ。だけど……その力でメルを救うことが出来るなら全力で利用させてもらう。


それに自分はざまぁ展開にならない。なにせもう彼女が有能であることを知っているのだ。


自分は有能な仲間を追放した無能だ。そんなことは分かっている……


「――残念だが、俺の勝利だ。魔王エボルーテ・ドロプス。追放は良いぞ? 辺境でスローライフを送れるかも知れないんだ。だからまた頑張らなくていい。強がらなくてもいいんだ」


「っぐおおおおお!」


叫びとともに魔王は消えていく。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ