表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

62/160

第62話 四天王を倒して魔王の元へ向かいます!

☆☆☆かっこつけること


走り去った彼女を追いかけなければいけない。分かっている。


恐らく彼女は苦しんでいる。耐えきれない真実を突きつけられたのだ。


なんて言葉を掛けたらいいのかわからない。そもそも、双子の人格が宿っている状況をどう対応すればいいのか、マニュアルでもあるのか? あぁないな。


認めるにしても否定するにしても彼女を理解する必要がある。


何も知らないまま雑な言葉をかけなら逆上して刺されそうだし怖い。


妄想癖か……今考えるとあの黒歴史本も笑えないな。


現実世界でいたら絶対地雷女だ。正直関わりたくもないが……


だけど関わってしまった。彼女を知ってしまったんだ。


このまま自分がいなくなれば魔王軍は滅茶苦茶になり内部崩壊して終わる。


人間サイドとして考えれば魔王と戦わずに済むのだ。魔王はいなくなり世界に平和が訪れる。何てお手頃なハッピーエンドなのだろう。


だけど、自分はもう魔族サイドの事を知ってしまっている。


本当にこのままでいいのか、正直に言えば、彼女を説得するのは怖い。魔王の人格が出てきてぶん殴られるかもしれない。


いくら彼女が魔族で最弱だからって、自分より強いのだ。普通に力負けする。


……だけど、やるしかない。そうだ。同じなんだよ自分と、


彼女も弱い自分を隠して、最強の存在を演じていた。それも二人分だ。


虚勢を張ること……つまり《《かっこつけて》》いた。


虚勢で今の魔王軍は成り立っていた。彼女はその嘘を貫くために必死に努力していた。並大抵の覚悟じゃ魔王と四天王を演じられるわけがない。


その結果が歪な嘘で凝り固まった魔王軍である。


それに漫画を描いている彼女は本当に楽しそうだった。恐らくあの瞬間だけは嘘じゃなかったと信じてみたい。


だから……自分も《《かっこつける》》!


☆☆☆走れ! 脅せ!


覚悟を決めた。後は走るだけだ!


あぁ、このマスク邪魔だ! 息切れするし!


マスクを外す。蒸れなくて涼しい! 


「エシリク……魔王様に呼び出されたと聞いたけど大丈夫か……それに今さっき魔王様が叫びながら走っていたが……まさか! それになんで素顔だし」


オトザの話を聞く限り噂が広まっている……それに彼女のことは『魔王』として認識されているみたいだ。


「後で全てを説明する! 魔王がどこに走り去ったか分かるか! 時間がないんだ! もう一度彼女と話さなければいけない!」


「おい、どうなってるんだ……」


「今、魔王軍は変わろうとしている。お迷うとこの荒波に飲まれるぞ!」


「……魔王様は恐らく上へだと思う。行先は塔の頂上だ……かなり魔王様は取り乱していた……あんな彼女は見たことがなかったぞ」


オトザも不安なのだろう。


「ありがとな、安心しろ。全てを解決してくる!」


塔へ向かい走っていくとある男に止められる。恐らくは魔王の刺客だろう。


「お前……あの孤児院の時のペルペッコ・モンタージュか!」


不沈のジャークゲドウだ。ここで再び会うのか……


もしかして、この先に他の四天王が待ち構えているのではないだろうか!


「ここを一歩も通すなと魔王様のご命令だ!」


自分に近づいてくる……今はこいつの相手をしている場合は!


だから……!


「『巨人よ進め!』は自分が描いた! 機嫌損ねると続きが読めないぞ!」


彼は確か他人の不幸を糧にしているドSだ。だからこそ、壮大な世界観を持ち、登場人物がほとんど不幸になるあの漫画は、ジャークゲドウにとって大好物だ。


恐らく読んでるはずと見た!


「なっ! まさかお前が! あの血も涙もない神だったとは? よくもあんな残酷な内容が描けるな!」


やはり手が止まる。確かにあの描写は普通にえぐい。パクっといてよかった。


「自分は魔王に用事がある。ここを通せ……」


「だがこれは! 魔王様の命令が!」


「続 き が 読 め な い ぞ ?」


威圧感を出す。


「……だ、だ、だ、だが! 魔王様の命令が!」


思ったより忠実だなこいつ、行けると思ったんだけどな……ならば!


「ネ タ バ レ す る ぞ ?」


「それだけはやめてくれ、よし行け!」


行けたぁ! 


ジャークゲドウを倒し自分は先へ進む。このままいけば彼女に追いつく!


「ここは通さん! お前の時間を奪わせてもらう!」


いつぞやの時滅のラースムドウ! 確かこいつはループモノが好きだったはずだ!


「『スタイン・ゲート』のネタバレするぞオラァ!」


「それだけはまじでやめてくれぇ! 通れぇ!」


耳を塞いで通してくれた。『ネタバレ』強いな……最強かもしれない。


階段を駆け上がっていく。もうそろそろだ……彼女に辿り着く!


「久しぶりですね……エクシリオ・マキナ! まさかあの二人を倒してここまで来るとは……だが私は騙されませんよ! あの時のような虚勢は通じない!」


影縫いのアークジャドウ! 旅館の時は犯人にしてすまなかった! だが謝るのも後だ。今は一刻も早く彼女の元へ向かわねばならない!


既に攻撃の動作に入っている……間に合わない!


「今回の犯人は! 旅館の女将だ! 浮気の復讐で主人を殺したのだ!」


「っぐあぁぁぁああ! まさか彼女だとは! 確かに動機はあったが……」


推理ものが好きだったと聞いていてよかった……


アークジャドウはショックで倒れこむ。


よし……これで四天王を倒した! 三人だけなんて言うなよ? トークビドウは実質魔王なのでノーカンだ。


このまま足を止めずに階段を上り続けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ