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第46話 四天王最強は最弱でした。

☆☆☆最弱の四天王


さて、彼女は自分と同じ最弱キャラである。


「どうせあなたもアイドルとかきもい趣味してるとか思ってるんでしょ? あの本の中身を見てドンびいてたんでしょ? きもいもんね!」


自虐に走り出しているし……


「それよりあなたなんか喋りなさいよさっきからなんなのよ! ずっと私が喋ってばっかでしょ!」


めちゃ早口だし……


「い、いや、誰かの趣味を笑ったりしないよ。好きなことに夢中になれるのは素晴らしいことだと自分は思う」


そこで一番使える手札はやはりユーシャインである。


「え……ほんとにほんと?」


急に素直になった。可愛いなこいつ。


「だって君はユーシャインのファンなのだろ? それにこのアルシュルのサインは『第二回ユーシャインみんなで愛ライブスペシャル』の時のものだ。彼女達が大舞台に立つ前からのファンであるのが分かってた」


「そーなのよ! 絶対彼女達は大きい存在になるって前から目をつけて……え、ということは、あなたユーシャイン知っているの? え、一番好きな曲は? 誰のファンなの? 嘘嘘! だってこのサイン分かるってことは……うぉぉぉ! 魔王軍にもファンいたんだ!」


すると自分の手を掴んできてめっちゃ振り回す。同族だと認めると一気に距離詰めてくるタイプだな。誰のファンって、自分が誰かに肩入れすると運営できないからな……はぐらかそう。


「い、いや、誰のファンってのはないけど……『私のクッキーラブ』が好きだな『ほんとの気持ちはミステリアス』も」


全部自分がパクった曲である。


「うぉぉぉ! わたらぶ。それにキモミス……通だねぇ、ってことはあなたも結構な古株なわけだが……あ、それよりあなたの名前は?」


完全にオタクですね、なんでこの人が魔王軍四天王やっているんだ?


「自分はストローク・エシリク」


「私はトークビドウ! こんなところでユーシャインの話できるなんて思わなかった……というかエシリクってあの独創的な作戦の人じゃん……お前、有名人かよ!」


四天王にも自分のうわさが広まっていたのか!


恐らく、トークビドウは自分に対し好意的な印象を持っている。言わばファン同士だ。


☆☆☆ブラック・ヒストリー・パニック!


その後もオタクトークが続いた。ユーシャインメンバーそれぞれの魅力だとか、歌の良さだとかダンスとか……正直、ここまで熱心なファンの話を聞いたことがないので結構嬉しかった。


「さてと、そろそろトークビドウとして伺いたいことがあるのだけど」


そろそろ本題に切り出そう。娯楽計画についてだ。


「え、何? 何でも聞いてよ? エシリク! 四天王のこと?」


かなり馴れ馴れしくなっていた。こいつ……ちょろそうで心配になる。変な男に引っかかりそうだな……


「君は魔族領の文化部門の担当と聞いたいたけど、それは本当か?」


「うん。ここの文化については詳しいつもりだよ。まぁ実際魔王軍の事務作業は私がやってるし。戦闘では全く役に立たない雑魚だからね……あはは……雑魚だもん」


確かに自分も同じ立場なら事務作業に回る。あまり戦闘に立ちたくない。しかしなぜそこまで弱いと自負しながらあのような強キャラ感を出せたのかは聞いておこう。エクシリオとして振舞う時の参考になる。


「でも、自分は君と対面した時にものすごい強者のオーラを感じていた。それは一体何故なのだ?」


「それはね、これだよこれ」


トークビドウは大きなマントを持ってくる。


「じゃじゃん! 『威圧感倍増装置!』これを被っていれば私が雑魚でもめっちゃ強そうに見えるんだよ……そうだよね、どうせ私はクソ雑魚ですよ……ほんとに弱いんだよ……っと、試しにね」


そのままマントを被る。


「……ゴゴゴゴゴゴゴ……クォォオア……!」


SE口で言っているんだけどこの人……あ、でも


確かに物凄いプレッシャーを放っている。どう見ても物語の終盤に出てくるラスボスクラスの威圧感だ。


怖気づいてしまい足を一歩下がる。本能的に死の危険を感じてしまった。


「うわぁ!」


尻もちをついて腰を打つ普通に痛い……


「は~い! ビビった~エシリクの負け」


すぐにマントから彼女の顔が出てきてどや顔をする。得意げになりやがって……


「……あれ……ごめん。ほんとに怖がらせちゃったの。え……ごめん……別に痛い思いとかさせる気なかったんだけど」


急にしょんぼりする。素直かよ!


「別にそこまで驚いてはいない。しかし凄いなこの装置。君が作ったのか?」


「うん。私雑魚だけど、物を作ったりするのは好きで得意なんだ」


すると発明品が出てくる。威圧感倍増装置βとか威圧感倍増装置Σ、彼女はものすごいどや顔で語っている。


「どうどう? 凄いでしょ! 褒めて褒めて。私天才!」


確かに発明品の数々は凄い。その発明品の中に気になる本が落ちていたので拾う。


「……これは?」


気になって本を開いてみると、トークビドウによく似た少女が敵を悉く倒している絵だった。以前のものと比べると、絵柄が古くかなり昔に描かれた物であると推察する。


「あ……」


そして、最後には皆が彼女にひれ伏している。そんでもってなんか知らない男とキスして終わった。


「それだめ。だめなやつだから。ちょっと待って!」


見ているこっちが恥ずかしくなってきた。なんとなくだけどトークビドウがこれを描いていた理由が分かる気がしたのだ。


「いや、ほんとに違うのこれは……」


見ているこっちが恥ずかしくなってくる。恐らくこれはあれだろう。トークビドウは本来は最弱であり、魔族でも疎まれる存在。つまりいじめの対象であったに違いない。だからこそ、この漫画の中では私最強って感じで妄想をしていた。


黒歴史でしかない。


「……」


「え、ほんとに待って、エシリク。いやこれは違うの。私が小さい頃に雑魚って馬鹿にされててね? いや、違わないんだけど……でもねほんとに!」


すぐに本を取り上げるがもう遅い。顔が真っ赤になって涙が溢れて来ていた。


「……その、死にます……殺してください。エシリクも一緒に死の……?」


自害を選ぼうとしないでもらいたい。それと自分を巻き込まないでくれ。


「あぁぁぁぁあぁぁぁ!」


すると高角度のブリッジをして悶えだす。めっちゃ綺麗なブリッジしてんな。つま先も立ててるし、顔面が床に練りこんでいる。痛いだろこれ……


「べ、別に気にする必要はない、誰だって考えるさ。そういう道は皆が通るものだから」


フォローをする。正直恥ずかしい気持ちは分かるのだ。


「え? じゃあエシリクも自分の村に勇者パーティーが攻めてきて、それを私一人で撃退するみたいなこと考えてたの?」


学 校 に テ ロ リ ス ト の 魔 族 版 だ !


自分だって考えたさ学校にテロリストは……それは中学生が通る道だ。


突然授業中にテロリストが入ってきて、全員が驚いている中で自分だけがテロリストと戦い倒していくやつだ。


異世界でも共通なんだな。なんか安心した。なんかワクワクしてきたなこういうの。


「非武装の自分に油断した相手から武器を奪うんだ『やれやれ、しょうがねえからお前らも救ってやるよ』みたいな感じで次々に倒していくよな」


「あ~~非武装めちゃ分かる! 私も武器奪ってた! あは! マジか~エシリク理解深いなぁ~それでそれで、私を下に見ていたやつも、これで見返すんだよ!」


思春期男子誰もがする妄想をまさか異世界で話すとは思わなかった。


こっちって、元々魔法が存在する世界だからあまり妄想が盛んではないイメージであったが、する人はする。


なんかトークビドウがこちら側だと知って安心する。親近感が湧いた。


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