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第32話 悪役令嬢はドルオタでした。

☆☆☆ユーシャインとの再会。


そうして自分はユーシャイン始まりの一軒家へ訪れる。


相変わらず花子さんが住み着いているので曰く付きのままだ。


それどころか、花子さんが連れてきた仲間まで増えており、更に家賃は下がっている。


それにユーシャインの追っかけのファンもまさかここに住んでいるとは思わないだろう。


自分が一軒家の扉を開くと、皆が一斉にいう。


「「「おかえり」なさい!!」」


「スシデウスさん。無事だったのですね……よかった。このままどこかへ行ってしまうのではないかと不安になっていました」


「まぁ、いろいろあるんだよ自分には」


彼女達は自分が元勇者の替え玉であったことを既に知っている。


だから詳しい説明をする必要はないのだろう。


「にしてもよ、あの伝説の先代勇者がスシデウスだったって、今でも信じられねえよ」


「お姉さんもびっくり仰天だよ! エクシリオ君って呼んだ方がいいのかしら? それとも今のまま? スシデウス君?」


そこ気にするのかアルシュルは……


「ここでの自分はエグゼクティブアイドルプロデューサー。だからスシデウスでいいさ、まぁ、今回も面倒ごとを抱えてしまっている。君達は現勇者を知っているか?」


「ジエイミさんですよね! 少しだけ会話をしたことがあります」


「そうか、なら話が早い。いま彼女は一人で魔王軍とずっと戦い続けて根を詰めている。そんな彼女に応援ライブをしたいと考えているのだが……可能か?」


恐らく断ることはないだろうけど、少し下手に出たほうが彼女達も乗りやすい。


「ったりめーだろ、だってあたしらはアイドルだ。それも今や王国内で大人気の」


「だから君達の歌声を彼女に届かせてほしい。それも最も人が集まる場所……王都で」


「「「王都!?」」」


☆☆☆王都にて


自分はスシデウス・ヤスモアキとして、王都へ向かう。やはり王都と言われるだけあって人が多い。


貴族の屋敷にライブを行うべく取り繕うのだが……


「どうぞ、こちらです……」


屋敷を訪れ、執事に案内される。


「失礼します……私はユーシャインのエグゼクティブアイドルプロデューサー。スシデウス・ヤスモアキです」


一礼し入室する。


そこには……


「おーっほっほっほ、お前があのユーシャインを作ったスシデウス卿ですこと、私はこの王都の伯爵家の令嬢、パンダコッタ・ポルペですことよ!」


……なんか悪役令嬢みたいなやつ出たわ。金髪クルクルパーだし


「パンダコッタ嬢。お初にお目にかかります……それで本件なのですが――」


「お前、ユーシャインを私に寄こしなさい」


……は?


「私はユーシャインを高く買っているのですわ、美しい衣装を纏い、華麗なダンスを踊り、その奇怪な音楽も素晴らしいものです……そこで思ったのです」


勝手に喋り出したよこいつ……


「コルルナは特に素晴らしいですわ! 彼女の歌声とアイドルとしての天性は感動の域を超えています! あの優しい笑顔も特に素晴らしい」


推しについて語り始めたよ……コルルナ推しなのか?


「だから私考え付きましたの! ユーシャインが手に入れてしまえば、もう一生私はアイドルを見ていられるのだと!」


しかも、めんどくさいタイプだし……


「さて、いくらで彼女達を譲っていただけるのですか? 一つの領地? あなたの貴族入り? なんでも結構ですわ!」


結構いい提案だな……でも今はそういうのを話しに来ているわけではない。


それにこいつ金を積まれればなんでも手に入ると思っている女だ。そういうのは何か気に食わない。


「さぁ! さぁ!」


どう見てもこいつは悪役令嬢だし変に断ると絶対に不利益になる。


どうすればいい? 自分とユーシャインの価値を落とさずに、この状況を潜り抜けるには……


「お待ちくださいパンダコッタ嬢。あなたはアイドルというものをまるで理解していない!」


「はぁ……?」


強く睨まれる……やばい。


「パンダコッタ嬢。一つ申し上げるとすれば、ユーシャインは金では買えません」


「なんですと?」


更に不機嫌な顔を浮かべる。


「アイドルというものは現在進行形の物語です。彼女達の努力、友情、成功を皆が見たがっている……例えばパンダコッタ嬢が推したい(お慕い)しているコルルナは誰よりもアイドル活動に熱心です」


「そ、そうですの?」


「誰よりも早く起きて、誰よりも練習しています。振付だって彼女の指導の下にイルミルとアルシュルは学んでいます」


「流石はコルルナ! 完璧なアイドルですこと!」


コルルナのプライベート聞いたらこいつ絶対喜ぶよな。


「アイドルには人生がある。その生き様を見届けることがファンにとっての幸せです」


「どういうことですの?」


自分の人差し指を口に当てる。


「これは内緒の話なのですが……」


コルルナとトルティのことを話す。病弱な少女に夢を与えたこと。とても感動的な話風にまとめた。


「そ、そんなことが! 流石はコルルナ! まさかそのようなことがあったとは!」


「確かにお金を積めば欲しいものは手に入ることでしょう。しかし、ユーシャインとファンがもたらす感動は、お金では買えない!」


「アイドルはお金で買えない夢や感動をみんなに与えるのです!」


金が目当てで始めたなんて口が裂けても言えません。


「な、なんてこと!」


納得してくれたか? それなら、


「素晴らしい! 見直しましたことよ! スシデウス卿! そこまでユーシャインのことを考えていただなんて!」


「貴方がもしくだらない誘惑に乗ってユーシャインを私に献上していたら、社会的に殺していたところです。ただ金のために彼女達を利用しているとの噂が流れていたものでして」


全くその通りなんだな、危なかった。悪魔の誘いを断っておいて……


「あなたになら安心して、王都広場のライブ開催を許可できます!」


こうして、王都広場でのライブの開催が決まったのであった。





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