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第131話 勇者と魔王の決着

☆☆☆マズマズドリンクタイム


爆発が終わるとメルの魔導一式は武装解除されていた。これでジエイミはメルに勝利したと思っていいだろう。


「っく……流石に計算外……ベルトを狙うなんて卑怯……っぐはぁ!」


メルはその場で倒れる。まだ息はあるようだが……


「はぁ……はぁ……」


だが、ジエイミも無事ではなかった。至近距離から放った自爆式ライトニング・アブソリューションの影響で鎧も砕け散っている。


「はあ……はあ……殺す気でやったのに生きていたの……でも、これで私の勝ち! ……自分さん。例の道具を」


生きていた? え、あれメルを殺す気だったの? こっわ……


「わ、分かった……って、もうタブレットがない!」


さっきの冒険者達に使い切ってしまった。だが、マジョーナに持たされていたドリンクの方は一本分残っていた。それを取り出し二人の元へ向かう。


その間もジエイミはメルを拘束したままだ。


「マズマズドリンクしかないが……これでいいだろう」


マズマズドリンクのふたを開けメルの口に流し込む。よしこれで……


ごくごく……ん? 飲んで無い。口に含んだままだ。


「っぶーーーー!」


メルはマズマズドリンクを毒霧のように吹き出し、ジエイミ顔が汚れた。


「きゃっ! ぎゃあああああ! まずいですーーー!」


ジエイミは驚き、メルの拘束を外してしまう。


吹き出した。つまり、彼女の洗脳は未だ解除されていないということだ。


「この間にもう一度……へん……し――」


メルはもう一度魔導一式のベルトを装着し、魔石を入れようとするが――


「――さ、させません!」


しかし、ジエイミは毒霧を食らった顔面を恥じらうことなく、必死にまずさを我慢して、メルを拘束した。


「自分さん! もう一度……飲ませてください……! 今度は鼻からでも! 目からでも!」


普通にドリンクを飲ませれば毒霧を使うだろう。鼻から飲ませても鼻水ジェットが待っていることだ。もっと口の中に押しとどめなければまずさは伝わらない。


どうすれば、メルにマズマズドリンクを飲ませられる……?


考えろ。ジエイミも体力が底を尽きている。早くしなければ……


あ……これならば……行ける……正直気が引けるなぁ……でも緊急事態だ。


「こうなれば『口移し』だ! ジエイミそのまま拘束しておいてくれ!」


自分が飲むリスクがあるが、もうこれしかない。口移しだ。


「え? 口移しですか! ……え、それって……」


正直あの味を口に含むのはとても恐ろしいし、絶対に口に残る。


覚悟を決めろ……自分! 


その時一瞬だけ、メルの顔が笑っていたような気がした……


自分はメルに近づく。残ったドリンクを一気に……


「――させません!」


え? ジエイミにマズマズドリンクは奪われる。


「おいジエイミ。何を……」


「危なかった……ようやく分かりました……本当の狙いが……!」


ジエイミはマズマズドリンクを口に含みメルと正面で向かい合った。


「え、嘘ちょっと待って、や、やめて……やめてぇぇぇぇぇ!」


――――そして


chu~~~~


ジエイミとメルはキスをした。


☆☆☆答え合わせ


ジエイミはメルに対し口移しでマズマズドリンクを無理やり飲ませた。


「「んっ…………! ぐえ………うぇ……」」


もちろんジエイミもメルもその不味さにもがき苦しんでいた。


「うぇ~~~」「うぇ~~~」


自分はこれを百合とは呼びたくない。


「まずい~~」「まずい~~」


でも、どうしてわざわざジエイミが口移しをしたんだ……?


だってこいつら仲悪いんじゃ……


「はぁ……はぁ……何よこの不味いドリンク。ほんと考えた奴頭おかしいんじゃないの……うぇ~~~まずい~~~」


メルも正気を取り戻していたようだ。


「と、とりあえずメルは正気に戻ったようでなによりだな」


「あ、うん! 自分君。私が闇落ちしている時に助けてくれてありがとう。やっぱり頼りになるね! すっごくかっこよかったよ! 惚れ直しちゃった!」


「いいえ! 違います自分さん……」


しかし、ジエイミはメルを否定する。というより、メルを見る目が険しかった。


「彼女は《《最初から洗脳なんてされていません》》!」


え?


「っち……バレていたか。気付くなら自分君だと思っていたけど……」


メルは舌打ちをした。え……? 洗脳をされていなかった。じゃあ、さっきまでのメルの行動は……


「全部演技だったというのか……?」


しかし、一体何故? どういうことだ?


「恐らくですが、グリエルモに洗脳されたふりをした方が都合が良かった。その理由は一つです」


洗脳されていたほうが都合のいい事……? スパイ活動か?


「私を殺す口実が欲しかったのです。つまり、洗脳されたふりをしていれば、うっかり私を殺してしまってもその責任は全部グリエルモに行きます」


えぇ……流石にそれは……って


「っち……バレたか」


え、そうなの? 黒幕のグリエルモすら利用していたというのか?


「そして、殺せないと判断した途端。別の計画に切り替えた。それが……」


確かに魔導一式で倒すことは出来なかったな。一体どうしてか。


「自分さんに口移しをしてもらうことです……」



「っち……バレたか」


「ファーストキスを奪おうとしたのですよ! それも私の目の前で! 自分さんに!」


「……はぁ?」


あ……そういうことか。ようやく理解した。メルの狙いが……


二人のバトルは、どちらが自分を落とすかの勝負であることを思い出した。


つまり、殴り合いの戦いは最初から関係なかったのだ。(あわよくば二人ともうっかり殺そうとしていたが)


メルはジエイミに負けたふりをして、自分に口移しをしてもらう。そしてファーストキスを貰おうとしていた。


つまり、恋愛面で勝利を狙おうとしていたと言うのか……?



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