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第129話 最強美少女魔王がウジウジ悪役勇者を圧倒する! このあとすぐ!

☆☆☆魔王城陥落


オトザから魔王城がグリエルモに支配されたことを聞かされた。


グリエルモは魔王城に単独で乗り込み魔族を次々に倒していったらしい。そのままメルも簡単に倒しジエイミと同じように洗脳されたと。


この現状を見ていたオトザは何とか自分達の元へ逃げてきたらしい。


「……ようやく魔族領が変わろうとしていたというのに……こうも簡単に壊されるなんて……くそ!」


「良く情報を届けてくれた。オトザ」


「頼む……エクシリオ……魔王を救ってくれ! もう希望はお前たちにしか残されていないんだ……」


やってやると言ってやりたい……だが『メルが洗脳されている』というのは最悪の事態だ。


頼む……理性を失う系の洗脳であってくれ!


彼女の知能がもしグリエルモに渡れば終わりだ。


ありとあらゆる方法で自分達を潰しに来るはずだ。だとしたらメルの裏をかくことは不可能に近い。


「とにかく魔王城に行きましょ――」


――ブゥゥゥゥゥン!


空気を切るような音と共にそれはやってくる。


これは『重力制御式移動装置』の音だ。あの地獄を忘れるわけがない。ということはまさか……?


「「メル……」」


自分とジエイミはつぶやいた。


☆☆☆勇者VS魔王


「……なぜここに……魔王様が……っぐ!」


「落ちたゴミを排除しようと思ったら。もっと大きなゴミが一匹……都合が良い……あははは!」


メルの口調が変わっている。恐らく洗脳されているのだろう……


するとジエイミが前に出た。


「ジエイミ?」


「例え彼女が洗脳されていたとしても、彼女自身の戦力は皆無に等しいです……この状況で私の前にのうのうと出てきたということは恐らく理性を失っているとみていいです」


あ、それもそうか。メルは陰でこそこそやって、自分達を追い詰めていくことだ。


「なら、出向く暇がなくなっただけでとても好都合です。一瞬で戦闘不能にして、先ほどの粉末を飲ませることが出来れば。問題解決です」


……戦闘不能にする必要はなくないか?


「……あっはっはっは! おかしいなぁ! あはははは! お前の自信が……何よりも腹立たしい! あっはっはっは!」


怒っているのか笑っているのかどっちだよ。にしても会話になっている。彼女には知性が残っているのか? それと何かジエイミに勝つ秘策があるというのか?


そもそも、洗脳されている市民達は意味のある言葉を発していなかった。


『殺す!』『うおおお!』など何の知性のかけらもない獣のような言葉だ。


ジエイミも例外ではない。ならば、会話が通じるこの事態は珍しい状況なのではないだろうか?


「私はまた面白いギャグを言いましたか? あの方が笑っているようでしたので? やはり私のギャグは面白いのですよ!」


メイドさんことは無視しよう。


「そうなれば、こちらも都合が良い。最終目標。ジエイミ・メダデスの死……人間族滅亡を決行する……」


すると、メルは長いマントの中から何かを取り出す。それを腰に当てるとベルトの様に巻き付いた……


え? ベルト? ベルトのバックルの真ん中には何かを装填できそうな穴が存在している。

 

「なんですか……それは……」


メルはマントから魔法石を取り出した。え?


メルは魔石を振り回すと、その一言を言い放ち、ベルトのバックルに装填した。


「変……真」

『デモニックチェンジ・トークビドウ』


すると、メルの姿は闇魔法のエフェクト共に変わっていく……。なんかベルトが喋っているし……声当ててるのメル本人だろ、え、これ作ったのか?


そして、闇魔法が解除されると、それは現れた……


「姿が……変わった……? その鎧は……」


ジエイミも声を漏らしていた。姿は黒とピンクの装甲に覆われており、異質な空気を放っている。恐らく悪魔とバッタがモチーフになっているデザインだ。


「……ジエイミ・メダデス。お前を抹殺する……」


どう見ても日曜の朝にやっているヒーロー番組のアレだろ! しかも、デザイン普通にかっこいいし! 


やばい……少年の心が蘇る! かつてヒーロー応援していた頃の記憶が……! 


☆☆☆魔導の王


「やってみればいいでしょうに……装甲なんて破ってしまえばないのも等しい! はあああああ!」


すると、ジエイミはメルに殴りかかる……っが……


「あれ? 今何が……私……メルに……殴られた?」


ジエイミは地面に倒れていることを確認してようやく気付いたようだ。


今の動きは、メルの強化されたジャンプ力によって、一瞬でジエイミより早く接近し顔面にパンチした。


「……あ、あれは、ま、まさか!」


傷だらけのオトザがメイドさん達に支えられながら口を開く。


魔導型強化外骨格一式まどうがたきょうかがいこっかくいちしき!」


「なんだよそれ魔導型強化外骨格一式まどうがたきょうかがいこっかくいちしきって?」


「まさか、完成していたとは……魔王様の弱点である戦闘面の弱さを克服するために開発された瞬間装着鎧の一種だ。身体能力を限界以上に引き出すことが可能である。通称魔導一式(まどういちしき)と呼ぶ」


説明ありがとう。オトザ……


なるほど、つまりはメルが開発してきた『装置』の発展型だ。いつこのシステムを開発していたのかさっぱりであるが……明らかに自分が教えた漫画の影響を受けていることは間違いないだろう。


でもメルに教えたのは昭和の初代漫画だ。改造人間でバイクに乗るやつ……あれ?


このデザインはどう見ても昭和のやつじゃなく日曜の朝にやっている新しいものだ。それに初代は魔石使って変身とかしないだろうし。元は確か風の力だっけか?


メルの知識を侮っていたのかもしれない。原作を教えただけで、ヒーローの歴史を独自の解釈で創造するとは……


「まさか……独学で昭和から平成に辿り着いたというのか!?」


そして、恐らくこの姿は本来の姿ではない。グリエルモに洗脳されていることが起因しているため、黒と悪をモチーフにしている……そうだ。


『暴走形態』である。初登場が暴走形態ってのもなかなか粋だな。


魔導型強化外骨格一式まどうがたきょうかがいこっかくいちしきはめっちゃかっこいい。


驚いた。メルが自分の元居た世界にいれば撮り鉄にハマって電車を止めるタイプだと思っていた。


だけど、まさか特撮路線にいくとは想定外だった。


恐らく売れた特撮俳優の名前を一生役名で呼んでいるに違いない。メルはそういうタイプの女だ。


ジエイミは起き上がり殴られた顔を抑えていた。


「もう、私に弱点はない。ジエイミ。お前を殺すことで私は完成するのだ。もう以前のように弱い私は消えた……あっはっは!」


やはり、メルは弱点を克服した。つまり、今の彼女は無敵と言っても良いだろう。


「っく……これでようやく……どちらが上かはっきりする。メル! あなたを潰す……潰して! 私が上だと証明する!」


あれ? ……ジエイミもおかしくなっていないか?


二人は拳を掲げ殴り合った。


「「はあぁああああああああ!」」



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