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第113話 正体をバラしました!

☆☆☆信頼を勝ち取る


ジエイミに自分の正体を打ち明けた。本当はエクシリオ・マキナでないことを。


「厳密に言うと身体はエクシリオのものだが、魂だけ別人なんだ」


「ど、どういうことですか……た、魂?」


「こことは生活水準が何もかも違う別の世界が存在していると言って信じるか?」


「こことは違う別世界ですか……? 全く想像もつきません……」


メルの理解力が異常だっただけだ。普通は戸惑うだろう。


「自分はこことは違う別の世界で死んで、こちらのエクシリオ・マキナに魂だけが乗り移ったんだ。最初のダンジョンを訪れた時。馬車で性格が変わったことを覚えているか?」


「もちろんです。何か考えあっての行動だと思っていましたが、そうだったのですね」


考えなんてあるわけないだろう……


「そうなると、あなたはエクシリオさんではないということですね……まだ完全には理解していないですけど……」


「あぁ、魂は別の世界の住人だ。今まで黙っていてすまなかった……信じてくれとは言わない。こんな事は常識で考えられないことだって分かる。だが、事実なんだ」


「信じますよ。エク、ではなくあなたの言葉を」


ジエイミは笑顔だった。騙されていたとそういうのではない。信じてくれたのか?


「この事実を知っている相手は他にいるのでしょうか」


知る限り一人しかいない。


「自分の正体を知っているのは他にメルだけだ」


「あなたから打ち明けたのですか?」


「いや、普通に行動でバレてしまった。メルの理解力は常識では考えられないからな」


「あ、なるほど。だからメルはあなたのことを『自分君』と呼んでいたのですね……彼女が自発的に辿り着いたということは、打ち明けてくれたのは私が初めてですか……嬉しいです」


こじつけのような初めてである。


「そ、そうなる……」


「それなら……私を一番信頼してくれているのですね……メルよりも」


そこでメルの名前を出さないでくれ、肯定も否定もしてない顔をするか。


「えっと……『自分さん』でよろしいでしょうか……」


自分さん……?


「普通に今のままエクシリオでも……いいんだけど」


「いいえ『自分さん』にします」


すると、ジエイミは自分に抱き着いてくる。


「自分さん……自分さん……自分さん」


何度も連呼される。


「えへへ…‥自分さん……呼んでいるだけで幸せです」


そんな嬉しそうな顔をされると否定しづらいだろう。


とりあえず頭を撫でる。


「もっと撫でてください。頭……わふ~ん」


「……ジエイミってワンコぽいよな」


犬は飼い主に似ると聞くが、飼い主が犬に似てきたな。言わないけど。


「わんわん! こんな感じですか……」


「いや、別にそこまで真似しなくても……お手」


「はいワン!」


普通にするなよ。


「いや、冗談なのにやるのか……」


とりあえず、再び隣同士に座った。


「つい、楽しくて……これが本当の自分さんなんですね」


「失望したか? 憧れていた勇者が適当な奴だったんだぞ」


するとジエイミは首を振る。


「いいえ、確かに勇者モードの自分さんも素敵でしたけど、今の自分さんは凄く親しみやすいです」


「親しみやすいか……そう言ってもらえるなら嬉しいな」


「はい! 強がっていない自分さんはもっと素敵です!」


「お、おう……」


圧が強い。


「それで自分さん……まだ、その別世界のことが良く理解できていないのですが」


「そこはおいおい説明する。簡単に言うとこの世界と別世界の常識は大きく異なっているんだ。だから理解するには時間が掛かるかもしれない」


「……あ、漫画とアイドルですか? 確かにどちらもこの世界になかったものでした……なるほど!」


パクリとは言わない。


「そういうことだ。さすがはジエイミ理解が早いな!」


するとジエイミは起き上がる。


「少しずつですけど。これで自分さんのことを知っていける気がしました!」


あまり、自分のことや元居た世界のことは知られたくないのだけど……もうこの際仕方ないか。


「あぁ、ということで、改めてよろしくな。ジエイミ」


「はい! 自分さん!」


こうして自分達は握手をして二人に絆が大いに深まった。


そういえば……もう夜だけどどこに泊ればいいんだ……?


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