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第111話 帰宅しました!

☆☆☆村長宅


二人で村を歩いていると不審な目で見られていた。やはり歓迎はされていないな。


気持ちは分かる。こんなウェイウェイ言っている奴どう見たって不審者だ。


ミルコに言われたので村長の家まで向かった。


「うぇーい! 村長おひさ~!」


「……」


「うぇーい!」


「……」


反応はない。だが、訪れた時に生活感のある物音がしていた。


それに自分が帰ってきたということは、もうこの村の情報網で知れ渡っているはずだ。田舎の早さ舐めてはいけない。


つまり、村長は自分とあまり関わりたくない。明らかに居留守をしている。そういうことだ。


「うぇいうぇいうぇいうぇいうぇいうぇいうぇーい!」


大声で叫ぶ。


「あぁぁもううるさい! いったいなんだというんだ! エクシリオ!」


すると我慢を切らして、老人のハゲた村長が出てくる。


「帰ってきたぜ! うぇーい!」


ハイタッチする。


「はぁ……お前は村を飛び出したのではないだろうか。なぜ今更……」


「なんかノリで? 行くって決めたらもう行っている~」


ハイテンションに引き気味の村長。


「そ、そうか……ところでそちらの女性は」


「あーこれだよこれ。うぇーい」


小指を立てる。


「なんだそれは? 虫でも止める気か?」


あ、やっぱ通じないか。俺の女~という意味だ。


「とりあえずあいさつしといたから~またな~村長~」


「もう、好きにしてくれ。問題だけは起こすんじゃないぞ」


許可は貰った。とりあえず離れよう。


「それじゃあ。ジエイミ。自宅へ行こうか……」


「エクシリオさんの自宅……楽しみ楽しみ……」


ま、自分の家じゃないんですけどね~


☆☆☆母との再会


「ここがエクシリオさんのおうちですか、随分と……」


この家だけは何故かリホームしたような跡があり、裕福であることが見受けられる。つまりこの家に住むエクシリオの家族はお金持ちであるということだ。


あまりそんな豪勢な生活はしていなかったと思うが……


ドアを開けると、エクシリオの母が出てきた。


「……え、エクシリオ……あなた。生きていたの……?」


まるで、自分が死んでいることが前提ような驚かれ方だ。幽霊を見ているような顔をしている。


……少し嫌な予感がした。


「ジエイミ。少し親子水入らずで話したい。できれば会話が聞こえないところに行ってくれないだろうか」


「……分かりました」


とりあえずジエイミに席を外してもらった。あまり聞かれていい話ではない気がした。


「生きていたって、それが実の息子の発する言葉? おかしいっしょ。まるで死ぬことを知っていたような言い方じゃん~」


「……」


母親は目を反らす。つまり、息子の帰省を良くないものだと感じていることだ。そして死んでいるという言葉に反応している。


なるほど、大体分かってきた。母親もマジョーナとグルだったんだな。


エクシリオは強いだけで、働かず力を見せびらかすだけの無職。いつまでも子供みたいな夢を掲げ、女一人もつれてこない、穀潰しの邪魔な存在だ。


恐らく育てた母親は大いに失望していたのだろう。


そんな時にマジョーナの誘いで恐らく買収された。


まあ、エクシリオも可哀想な奴だな。さすがに母親に売られたのは同情するよ。


「まあ……残念だったね、こうして元気に生きているよ」


「……何よ……その目は……」


「まぁまぁ、別にそんな顔すんなって~どうしてそんなに焦っているのさ~親子の感動の再会じゃないか~」


「うるさい! あなたは出来損ないの息子だった! ただ強さをひけらかすだけで、何一つ中身がない空っぽな存在なのよ!」


少し煽ったらこれだ。ダメだなこの母親は……


でも、エクシリオならダメージがあったが、これは自分だ。


「あなたが死んでくれたおかげで私は良い生活が出来たというのに……なのに……どうして生きているのよ!」


まぁ、そういうことだよな。なかなかの屑だな。


「俺の不幸で食った飯は美味いか? 眠る布団は温かいか?」


「……ひぃ!」


罪悪感もあるか。だが、結局欲望に負けたのだ。


残念だが、自分にはこの関係の修復は無理かもしれないな。別に恨みはないけど、血の繋がった家族である分マジョーナより悪質だ。


「育ててやった恩を忘れやがって! クソが!」


言われたので手元にあった金貨を三割ほどその場にばらまいた。恐らくこの村ならば相当な額になるだろう。


「お金! お金!」


そして母親は自分に目もくれずに拾い集める。恐らくこの家に金を使い切って食事は節操なものであったのだろう。


なんとなく寂しいやつだと思った。


「……俺はかーさんが一生で稼ぐ以上の金を一日で稼ぐことが出来る。だからこれは恩だ。少なくとも育ててもらった時間だけは本当だったと信じているよ」


金に集めるのに必死で聞いていない。もう行こう。ここは自分の家じゃない。


「さようなら」


それだけ言うと、自分はこの場を離れていく。


「ぎゃああああああああああああ! 痛い痛い!」


すると家から大きな悲鳴が聞こえた


金貨にエクステンドバスコを予め塗っておいたのだ。


恐らく目をこすったのだ。まあ、このくらいのイタズラならしても許してくれるだろう。


よし、ジエイミの元に戻るか……




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