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第106話 VSマジョーナ

☆☆☆まずいドリンク


「マジョーナさん! エクシリオさんに何をしたんですか! 答えてください!」


「これは調理場にある飲み物を沢山混ぜて作った。私のオリジナル作品です。名を『マズマズドリンク』味見はしていませんがな!」


ドヤ顔で得体もしれないドリンクを見せつける。かなり色が濁っている。自分こんなもの飲んでたのか……


要するに先ほどの感じたのはファミレスのドリンクバーを混ぜまくった味だ。


友人に『ドリンクバー持ってくる?』と聞かれて。


『おまかせで』と返すと大体、混ぜた奴が出てくるものだ。甘いもの同士なら基本美味しいが……


時に悪質だとアイスコーヒーを混ぜてくる奴もいる。最悪なのは更にタバスコと粉チーズとレモン汁を入れてくる奴だ。本格的に不味い。冗談抜きで!


(※お店でやる場合は絶対に残さないようにしよう!)


「どんな味なのでしょうか、マジョーナシェフ失礼……おえぇぇぇ~~不味い~~」


店長が興味本位でマズマズドリンクを飲み干し倒れた。なんで飲むんだよ。


「店長さん! 大丈夫ですか! ……気になるので私も……」


そういい、自分が机に置いたコップを口にする。


「まずい! ……あ、今エクシリオさんと間接的なキスをしてしまいました! どうしましょう! あわわわわわ!」


小学生かよ! 味に対してなんか言え!


「……っち、やられたな」


何とか意識が戻ってきた。クソ嵌められた!


「大丈夫ですかエクシリオさん。このドリンク貰っていいですか?」


自分が口づけたから欲しいだけでしょ……


「流石にあなたもこの事態を想定していなかった! はっはっは! 私の勝ちですね。悔しいですか? 悔しいでしょうねぇ?」


なんとか、立ち上がる。


「何?」


ジエイミが持っていたマズマズドリンクを奪った。


「あ、エクシリオさんの間接的キスが……」


お気に入りのおもちゃ取り上げられたみたいな顔をするのやめてください。


「私に飲ませて復讐するつもりですか? 無駄ですよ。私に味覚はありません」


味覚がない事なんてとうに知っている。


「――っふ」


どや顔をする。


「何を考えている……」


そして――


「うおおおおおおおおおお!」


勢いよくマズマズドリンクを一気飲みした。


「ええぇぇ! な、何をしているのですかエクシリオ・マキナ!」


不味い不味い不味い不味い……!


クソ不味いが……バラエティー番組の罰ゲームみたいなもんだ。


別に死にはしない。クソ不味いと心得たのなら一気飲みしても平気だ。


いや、ほんとにマジで不味い。なんだこれ……


「エクシリオさんも私と間接的キス……嬉しいです」


だからこそじゃないだろジエイミ……


クソみたいな後味が残った。地獄の味覚コース三番目と言ったところだ。


「――その程度か。お前の得意なエクステンドバスコも入っていないじゃないか?」


「あとシャケの皮も入っていなかったですね!」


それはほんとに気持ち悪くなるからやめろ。冗談じゃ済まされない。


「まさか、私のマズマズドリンクを飲み干すとは!」


「――こんなの全然嫌がらせでもない。むしろ心地が良いくらいだな。クズバトルがしたいのなら、自分はお前の一歩も二歩も先を行っている。自分の勝ちだな?」


マジョーナは完全に自分の裏をかいたつもりだが、そこまで自分にダメージがないことにいら立ちを覚えていた。


こういうのは負けたと思うから負けなんだよ。嫌がらせを嫌がらせじゃなかったと相手に自覚させることで勝利となる。


完全勢いだけど。


「くそぉぉぉぉ! 覚えて居ろエクシリオ・マキナ! 絶対にあなたが悶絶するまずいドリンクを作って見せる! くそおおおお!」


悔しがりマジョーナは店を出ていった。


普通に毒入れれば自分倒せてたのではないだろうか……?


「……っふ、大したことなかったな……あ!」


あ、やばい……胃の中が!


「どうかしましたか、エクシリオさん? シャケの皮食べたくなりましたか?」


……めっちゃゲップ出そう……このゲップしたら絶対に自分死ぬ。


クソ不味い味が……味が……! 我慢できない!


「ぐえぇぇ~~~」


ゲップをすると物凄い後味と後悔が押し寄せてきた。


「え、エクシリオさ~ん!」


その後死ぬほどもがき苦しんだ。戻しはしなかったが、デート中にゲップする男ってどうなんだ?


この事実を場にいないマジョーナが知ることはなかった。つまり自分の勝ちは揺らいでいない。

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