一話
「目標、消失」
と、オペレーターの冷ややかな声が部屋に響き渡る。
部屋は入った正面に壁一面のモニターが1枚あり手前から奥にかけて段々と低くなっている。
「えぇ、見渡さんほんとぉ?」
と神谷蒼次は指令室の一番高い所から嫌な顔をしながら先程報告をしたオペレーターに聞き返す。
「前に報告は1度きりと言いましたよね?神谷さん」
と眼鏡の真面目そうな先刻の女性オペレーター見渡涼風はキレ気味に返す。
「樹瀬、、見渡さん俺にだけ怖い、、」
と神谷は隣にいる長身でひょろっとした男に声をかける。
「んなこた何時もでしょ、第一自分の能力で結果が判ってるのに聞くお前が悪い。」
「美人なのにねぇ、、怖い女は声かかんないよ?」
「神谷覚悟しろよ?」
「あ、ちょ」殴る音が指令室に響き渡る。
「まったく懲りないねぇ、、」とため息をつきつつ樹瀬直人は呟く。
「御沢、、お前はどうするつもりだ?」
見渡に殴られてふらふらしてる神谷が「ったく、、」と言い、ため息をつきそして命令を発する。
「今から間桐の回収にいくぞ。樹瀬来い。」
「へいへい」
と樹瀬は嫌がらずについていく
神谷と樹瀬が出てしまったドアに見渡は声をかける
「ちゃんと連れてこいよ。」
そして見渡が声をはる
「あいつらがいない間もしっかりやれよ!」
「はいっ」
と職員の声が続く
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ーー
「ふぅ、、」
と銃撃をうけ血だらけになった間桐は、御沢が離れていったことを把握しつつ一息つく。
「それにしても何故おれの盾が貫ける?」
空の目には自分の盾が意味をなさずに、銃撃が到達しているように感じでいた。
「とりあえず、、彼らがくるまで待つか。」
ー10分後ー
「よっ生きてる?」
と軽い調子の神谷の声が聞こえる。
「生きてますよ、、とりあえず起こしてくれませんか?」
空はやや嫌そうに答える。
「うむ、よかろう。」
それを気にすることなく応じる神谷。
「、、、」
それを脇目に何か考えている樹瀬。
「どうしました?隊長?」
「いや、、御沢がなぜ反組織側に回ったのかと思ってな、、」
「なんだ、樹瀬お前部下の前だと真面目なんか?」
「うっせ」
「ほーらそうだ、、、、、」
と、空は横で子供のように言い争っている上官達をみつつ、何故副隊長が反組織に回ったのかを考えようと試みた。
(御沢さんは俺が組織に入り遊撃隊に配属された時からいた古参の幹部のはず、、古参だからこそ組織の闇をみてきた、という可能性もあるが、、)
「おし、いくぞ」
とここで空の考えは打ち切られる。
ふと神谷の顔をみると、、
「ぼっこぼこじゃないですか、司令」
だが当の神谷は
「え?だってこっちくる前に見渡にタコ殴りにされて、こっちきてから樹瀬にもタコ殴りにされたからなぁ、、」
とあまり気にしてない様子だった。
(なんでこの人はこんなにお気楽なんだろう)
と考えつつ帰還する道をたどっていった。
一方その頃、、
人気のないビルの三階、乱雑な倉庫のような部屋には能力を解いた御沢と空を襲った銃撃の能力者がいた。
「おい、御沢結局相棒は殺れてたのか?」
と先程銃撃を放っていた異能力者が御沢に問う。
「すまない、死体は確認できなかった。多分空間に干渉して見えなくしたんだろう。だがあの盾を貫通できる能力なんて羨ましいかぎりだ。なんの能力なんだ?天野」
天野と呼ばれた銃撃の男はニヤニヤしつつ答える。
「まだ秘密だ。次に間桐とかいうやつにあったら教えてやろう。」
御沢は、その言葉を聞いて顔をしかめながら部屋を後にすることにする。
「どうしたんだ?」
と天野が相変わらずにやけ顔をしつつ聞いてくる。
「こっちは疲れてんだ、寝てくる。」
と言いつつ隣の部屋のドアを開ける。
「なるほど、よく寝ろよ。」
と天野の声を背中で聞きつつ、隣の部屋の豪華さに驚いた。まず、見るからにふかふかそうなベッド、そしてベッドに寝転んだ位置からよく見えるところに、大型テレビが置いてある。もちろん床はカーペットが敷いてあり、風呂はユニットバスではなく別々、そして部屋の端には小型冷蔵庫までついていた。
「どうした?お気に召さなかったか?」
と天野がふざけた口調で聞いてくる。
「いや、これはもうホテルだろ、、」
と呟きながら部屋の奥へと入っていく。
その姿を見届けつつ、盛大にノビをしてから天野は自室の方へと足を向ける。
「さて、寝るかぁ」
と言いながらドアを一旦開け離れてからいきなり走りだし、そしてベッドに飛びこみ、、寝た。
一方ようやく基地にたどりついた司令一行は、とりあえず「痛いのやだ、疲れた寝たい」と騒ぐ神谷とその駄々をこねる姿を見てやや引いている間桐を引き連れ、頭を押さえながら樹瀬は誰も居ない医療室を開ける。
「間桐、その体ですまんがそのバカを拘束しといてくれ」
と言ってから部屋をでる。
「だそうです、司令すいませんね。」
といいつつ空は神谷を壁にはりつけにする。
「ひでぇ、俺これでも司令なのに、、」
と神谷はぼやく。
間桐はそれを見て苦笑しつつ備えつけのベッドに横になる。神谷から「おつかれ~」との声に「ありがとうございます」と返し自分の意識が薄れていくのを感じた。
そして間桐は、ベッドに横になってから約五秒で寝たという。(神谷情報)




