飛行島のガラクタ
遥か昔より空を漂う巨大な島、飛行島
それは現在も変わらず空を流れる。
大きな山々に大森林、山からの水は澄み、木々たちは青々と茂る。
澄んだ空気に辺りに響く小川のせせらぎや、鳥の囀り。
動物やトカゲ、魚や昆虫、山の頂上付近には古代の時代から生きる龍、森には狩をする小さな影。
そんな山々や大森林とは離れた建造物跡地、神殿と思われし建物や、そのらに転がる歪な人の形をした人工物のガラクタ、僅かに見せる幾人もの者が生活していたであろう形跡。
それらを飲み込んだ自然……。
そんな古代の時代の面影残る飛行島に、自然に飲み込まれず、健在する1軒の屋敷があった。
——ピピピピピピ。
小さな機械音と共に、歪な人の形をした人工物の目に光が灯り動き出す。
「ジ、ジ、ジ、カン、ジカンデス、デス、マ、マスター」
風が通る、豪華な装飾がされている部屋、そんな部屋のベットには高貴な服に身を包む骸が横たわっている。
人工物はその骸の口元に輝く水の様な物を垂らし、骸を見つめる。
そして……。
人工物の目は次第にその光を失っていく……。
静寂な時の流れ……、部屋には優しい風が走り遊ぶ……、この日、人工物の機能は、完全に停止した。
……。
……。
……。
ゴーレム全テノ停止ヲ確認……。覚醒フェイズニ以降シマス……。