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銀色の世界  作者: hyo
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05

重々しい音を轟かせながら、機体が大きく傾いた。

グングン近付く銀色の世界に、健太は思わず笑みを零した。


この日を、どれだけ心待ちにしたか。

あの日もらった写真。

自分の人生を決めた写真。

そこに広がる世界を、ようやく見ることができる。


目的地に進路を合わせ、グングン高度を上げていく。

滑走路で飛行機を見送る影は振っていた両手を下げるが、まだその場に佇んで機体を眺めている。


雲の中に消えて、遂に見えなくなる。

途端に大きな風が滑走路を走り、影を飲み込んだ。

風の行く先、次の目的地は、まだ決まっていなかった。

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