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銀色の世界  作者: hyo
3/5

03

この学校は帰宅部が少ない。

そんな帰宅部な健太は、誰とも話さずただ黙々と帰るこの道が好きだった。


ただ今日は、そんな好きな帰り道で、周りを気にせず大きなため息をついた。

頭に、あの紙がはっきりと浮かんでくる。


夢なんてない。

考えなかったわけではない。

日本という国は、物心ついた時から何回も何回も、夢に付いて考える時間を与えられる。

それを全てサボるなんて、できっこない。


ただし健太は、何度も繰り返すこの時間の中で、いまだにその目的物を見つけられないでいた。

ないものはない。

健太の生きる人生に、そんな宝物は埋まっていないのだ。


住宅街を抜け、大通りに出る。

ここから駅まではひたすら一本道。

それなりに名のある商店街となっていて、歩いているだけで楽しいとテレビで特集を組まれることもある。

そんな商店街ですら、こんな日の健太には少し色あせて見えた。


ブーーーーという大きな音。

車のクラクションだ。

行方不明だった健太の意識が、グイと現実に引き戻される。


すると前から、思わず仰け反るような強い風が襲いかかってきた。

春一番。

健太はとっさにそう思った。


周りは皆足を止め、少し屈んで風をやり過ごそうとしている。


健太は目を前に向けると、視界の隅に不思議な動きを見つけた。

自由に身動きも取れないこの風の中、驚くほど軽やかな足取りで動き回る人影がある。

影の動きは、まるでバレエのように軽やかな踊りのようだ。


ほんの数秒優雅に舞った後、影はそのまま近くの建物に吸い込まれるように姿を消した。

風が止む。

健太は影を追って、その建物へ向かった。

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