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銀色の世界  作者: hyo
1/5

01

空はどんよりとした曇り空。

柔らかな風が、左右を固める緑を撫でている。


初めて、空を飛ぶ。

目の前に伸びたひたすら真っ直ぐな滑走路は、その先の海の光を受けて少し滲んで見える。


滑走路に、人影が見える。

バレエのように軽やかに踊る姿は、まるで健太の出発を見送ってくれているかのようだ。


胸の高まりを抑えるため、ゆっくりと深呼吸をする。

ようやくここにたどり着いた。

思い出すのは、やはりあの日だ。


離陸許可の合図を待つ間、健太は目を閉じた。

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