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近代国家と犯罪という名目の歴史
第3章 狂気の歴史
近代心理学は、人間を道具(謂わば1つの反射物)と捉えることで、人間を比べ合うことに行き着く
それは、適応と学習する人間の行為の適性検査へも繋がっていく
14〜16世紀、狂気を有するものは、絵画『愚か者の船』に代表されるように、15世紀にヨーロッパを襲ったペストや宗教戦争による大量死によってもたらされた社会不安に起因するものであった
17世紀において、狂気とは、受刑者や私財を荒らす不良子弟、放浪者、狂人などが、広大に作られた監禁施設に入れられ、そこを狂気と定義付けた
18世紀以降は、労働力にならない、働けない人間までも、監禁施設と同等に狂気、と定義付けた
このように、近代は理性を重んじ、狂気となるものを追放した
しかし、ニーチェは、生命の歴史の中で科学史の枠組みで捉えると、真理は人為的に作られた普遍性のないものだ、と説明し、狂気という真理は存在しない、とした