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強行軍

 背中でぐっすりと眠っている少女を連れて何日目かもう分からなくなってきている。というかそろそろ眠いので寝たい。


 因みにあの水は睡眠欲とかぶっ飛ぶ麻薬っぽいのだった。まぁ栄養は取れるし。味がないのが難点だが。


「今日はそこの木陰でいいか」


 いつも木陰で寝るのが基本となっている。最初はなれなかったが、何度か寝ているうちに慣れた。どうやら人気が少なすぎて強盗も何も居ないようなので以外と安心して寝れる。というか人里に近づいているのかすら分からない。


 ーーーー次の日


 朝である。希望もなにも見えないが、朝は朝である。今日も今日とて強行軍。飯は水だけ固形っはない。


(全く、異世界は地獄だぜ!)


 太陽が地平線のから顔を出すと共に目覚め寝るまで歩く。とんでもないブラックである。少女を背負いながら。


 いくら少女とはいえど、人間一人背負っているのだからそれなりに重い。かと言って歩かせてもペースが乱れるだけである。


「水くれ」

「はーい」


 なんで水だけで命をつなげているのかは未だに分からん。人間水だけで一週間は生きられるとは言うが、栄養失調だとかそんな様子が一切見られないというのはあるのだろうか。


 で、この世界を歩いていて分かったことなのだが、モンスターなどは見かけられない。ということが第一だろう。命の危険は多少なりとも減ったのはいいことだ。


「ねー、あそこになにか飛んでるー」


 少女が指差す先には、飛行物体──まぁ未確認だからUFOだな──が浮かんでいた。というか、飛んでいた。羽らしきものをばたつかせて。


 幸い、こっちには向かってきてはいないようだが、もしもあれが敵対していたら、と考えると震えが止まらない。ここからでも視認できる大きさということはかなりでかいはずだ。ジャンボジェットくらいあるかもしれない。


「おーそうだなー」


 そんな心情を少女に悟られては恥ずかしいため、呑気な対応をしておく。


「ちょっと質問いい?」

「いいよー」


 それにしても、俺はコイツのことを知らなすぎる。なんかいつの間にか寝てたりとかで質問できなかった時が多かったし。


「名前は?」

「無い!」


 元気な返事ではあるが、それで困るのは俺である。コイツが何処から来たか、名前があれば多少の目星はつくものの、名前自体がないのではお手上げである。


「水を出す以外に何かできる?」

「んー、わかんない!」


 分からない。一番面倒くさい答えである。出来る可能性もあれば、出来ない可能性もある。


「それじゃあ、──は?何が好き?」

「えーとねー」


 そんなやり取りを繰り返していると、丘の上にたどり着く。


 丘の上からは、煉瓦造りの家がまず最初に目に入り、次に石造りの道、それを辿ると円形の噴水が水を噴き上げ、そこを中心として十字に道が伸びている。十字路を辿ると、その一つに気になる入り口を見つける。


 ここからではよく見えないが、あまり良い予感のするものではなかった。

やっと街。字下げはあったほうがいいですかね?

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