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王子様ご一行の出発までの間には特に襲ってくる輩もおらず、私はとても平和な毎日を送った。唯一の変化と言えば王子様の奇跡の回復のみで、お付きの者達は大変喜んでいた。私の事を秘密にしろと言ったのに、天使様が夢の中に現れて治してくれたと言ったらしい。変装していて良かったと思った。だが、これで本当に姿を見られたら厄介な事になるのは間違いない。自分で自分の首を占めた気分だ…
「はぁ~…」
「そんなに気になるなら変装変えればいいじゃん?」
「ん~…いや、これで行く!何かいい緊張感を持って取り組めそう!」
「まぁ、るーちゃんがそれでいいならいいけどね」
「…もう夜も遅い…明日早いだろう…」
「ごめん…もう寝ようかレイン」
「はーい…ふぁあ…もうこんな時間だね。今回の勝負は引き分けにしてあげるよー」
「っぐ…次は勝つから!」
「はいはぁい。おやすみ~♪」
「おやすみなさい!」
翌日
日の出と共に起きて、王子様ご一行の視界に入らない位置で見張っている輩がいないかを確認する。
「よし、怪しい人影はいないっと!」
「…たぶん僕達が一番怪しいんじゃない?っイテ!何するんだよ!?」
「ふん…静かにしろ。獲物に気付かれたらどうする」
「「いや、狩らないから!」」
確かにここから見るとえ…こほん、護衛対象がよく見える。何処から攻めたらいいかとか考えてしまうのは仕方ないのです。だって暗殺者だもの!というか、ここがベストポジションだから、敵が現れそうな位置にいられると思えば逆に得している!
何事もなく街から出ることができ、最初の二日間は平和すぎてソルテとレインが居なければ退屈過ぎてしんどかったに違いない。
三日目のお昼頃になって、前方の方に怪しい気配を感じとり様子を見に行ったらビンゴ!同業者らしき影が五つ隠れていた。
この場合雇い主を聞き出すなら、せめて一人は生け捕りにしないと行けないけれど、時間の猶予も無さそうだし依頼にも含まれていなかったからできる範囲で殺ろう。
彼らはバラバラに位置についているから、目立たないで一気に倒すにはかなり難しい。やはり古い方法だけど、気配を消して後ろから忍び寄り声もあげさせないで一撃で始末するしかないな。
ソルテにみっちり気配消しを学んだため、相手方には全く気づかれずに近づくことができた。
ーザッ
「っ!……」
まず一人目…風邪をおこし木葉の音に紛れて最初の死体を静かに床に下ろす。二人目、三人目、四人目と確実に始末していったが、五人目に行こうとしたら偶然ターゲット横を見たときに仲間の死体を見られてしまった!
「っクソ!どこにいる!?」
今後ろにいるよっと!
ーザクッ
「ふぅ…やっと仕事って感じになったね!死体はどうしよっか…このままにしたら不味いかな?」
「いいんじゃない?というか、そろそろこの近くに馬車が通るし他に何もできないよー」
「今回の任務では護衛だろう?捨て置けば良い」
事実時間もないし、このままにしておくか!
その後三度程盗賊の待ち伏せを倒し、予定より四日も早く首都シェーンヴェルクに辿り着くことが出来た。
「ん~…対した相手がいなくて拍子抜けしちゃった。護衛ってもっと大変かと思っていたのに、わりと楽チンだったなぁ」
「………いや、まぁ人間だったしなぁ」
「普段は我と修行しているから、その他が弱く思えるのだろう」
「…ちょっとソルテ~?るーちゃんを脳筋に育てないでよね?!」
「失礼な!私は脳筋じゃないよ~!」
王子様ご一行が城の中に入ったところで今回は任務終了。折角だから、王都を見学してから帰るとしようかねぇ…
一日では回りきれないから…よし、予定よりも早く着いたし三日は遊べるな!私はウキウキとした気分で宿屋を探し、中々いいところを見つけることが出来た。ソルテとレインも初めてのところで皆でまとまって移動していたのに、商店街に入って夢中に色んな商品を見ていたら…案の定みんなはぐれました♪
読んでくださり有り難うございました!ブックマークや評価をして頂けると作者のモチベーションが上がります!(笑)どうぞ今後もよろしくお願いいたします!
次回の前書きに色付のイラストを載せます。




