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全部書き終わった後によし、載せようってコピーしようとして全てを削除したときの絶望感は酷い……
仕事が終わると報告をしないといけないのが私の役目だ。今回は休暇だったけれどお土産を渡さないといけないから、このまま長の執務室に向かった…が、丁度タイミングよく?ローウェル兄様が出てくるところでデジャブを感じる。あ、これやばい…
咄嗟に逃げようとしたらローウェル兄様の方が反応が早くてガシッと捕まってしまった。
「ルーナ…やっと帰ってきたんだね?会いたかったよ」
あぁ、黒笑顔になってるよぉ!ここのところ充実し過ぎていてローウェル兄様の様子が怖いことを忘れていたよ!
「ローウェル兄様…た、ただいま」
あ、ちょっと噛んでしまった。
「おかえり。あぁ、そうそう!僕が話があるって言ったのにさっさと出発した事に関して、全然怒ってないからね?だから、これからじっくり話そうね?」
これ、絶対怒っているじゃないか!どうすればいいんだ!?
「そ、その前にお婆ちゃんに帰ったことを伝えなくちゃいけないんだけど、それから」
「それは大丈夫だよ。どうせ影から報告されるだろうし、別にルーナが直接言わなくてもいいよ。さぁ、行こうか」
む、無念…言い終わることすらできずにそのままローウェル兄様の部屋に連れていかれた。久しぶりに部屋に入ったが思った以上に片付いていて、少しだけ感慨深くなった。兄様も成長しているんだなぁ…と、現実逃避もしたくなるさ!魔王より怖いって我ながらおかしいと思うんだけど、どうしてだかさっぱりわからない。
「ルーナ、どうして僕の話も聞かないで行ってしまったの?…しかもレインを連れて…もしかして僕の事嫌いになっちゃったの?ねぇ、どうしてかなぁ?」
「え、えっと…ローウェル兄様の事が嫌いって訳じゃないよ?兄様の事は勿論大好きだもん!ただ、えっと、あの時はレインと行きたいなぁって!それでその、えっと…」
もう嫌だぁ。なんか浮気を追い詰められた人の気分ってこんなかな?浮気してないのに何だろうこの仕打ち…
「…そう。嫌われていないならいいんだ…でもね、僕だってルーナの部屋に入れないのにどうしてアイツは入れるの?」
それもあったかー!お婆ちゃん何でばらしちゃうんだよぉ!それ、レインのことどう説明すれりゃいいんじゃい!?魔族で私の使い魔候補とか言えないし!ええい!
「レインとは立場を弁えているお付き合いをしているの!」
ピシリ…あれ?兄様が固まっちゃった。
「…………………………………………サン」
「…兄様?」
「…あんの野郎…許さん!…僕の天使を 誑かすとはいい度胸だ、ロリコンめ…地獄に落としてやる…」
えっ?えっ?何で更に怒っているの?!レインとはいずれソルテと同じように契約をするつもりなのに、地獄に落ちてもらっちゃ困るよ!というか、冷静に考えてもローウェル兄様の方が圧倒的に不利だし!レインあれでもかなり強いし!
「あ、あの、兄様?落ち着いて……」
「ルーナ、僕は認めないぞ!大体君はまだそんな年じゃない!あの糞野郎に何もされていないよね!?」
「へ?いや、レインはいつも良くしてくれるよ?」
何を言っているんだお兄様は……レインはいつもよく働いてくれているし、何だかんだで優秀だから多少難ありでもいい奴だ。第一レインは私と契約したいんだから、私を害することなんてないのに……
「いつも、良く?…ふふふふふ……ふふふふ…ふふ…コロス」
えええええ?!何でそいうことになるの?!
「兄様!?何で、そいうことになるの?!」
先程の恐怖も忘れ思わず突っ込んでしまったよ!ちょっとローウェル兄様の頭の中覗いてその思考回路をちょっと見てみたいよ!
「…ルーナ、君はまだ子供なのに大人の仕事をやっているんだけど…そこまで大人にならなくてもいいんだよ?安心して、あのゴミは僕が始末するからね」
「いやいや、レインを始末しちゃダメだよ!てか、何でそんなことになるの?レインはいつも仕事とか手伝ってくれるし、多少難ありだけどいい子だよ!?第一私の友達でもあるんだ。冗談でも、そいうことは言わないで」
「…トモダチ…友達?…恋人じゃない?」
はぁああ?!何でそうなる?!私は貴方が先程言ったように子供だぞ!?
「違うよっ!何でそんな事になるの…?」
「…だって部屋に出入りしている上に、"立場を弁えているお付き合い"をしているって言うから…」
…………私が悪いな。ちょっとテンパっていたとはいえ子供の言うことじゃないかもしれない…仕方ない、ちょっとだけ事情を説明しないと後で面倒なことになるな…
「あぁ、うん。ソルテとは仕事の関係で良くお世話になっているの。私の部屋に入れるのは、部屋の結界に受けいられるからだよ」
実際はもう少しややこしいけど、全部話すこともないか…
「そう、なんだ。よかった…じゃあ、どうすれば結界に受けいられるの?」
術式に血を垂らせばいいんだけ…あの部屋は改造しているし、ローウェル兄様に見せられない。何だかんだで魔術が大好きな兄様があれを見たら、入り浸るの間違いない。困る!こうなったら…誤魔化すかしかないね。ごめん!
「そうだね…扉が選別しているから…ごめんなさい。あれ作ったの私じゃなくて…」
作ったのはシルフだけど、今では改造もお手のものだけどね!
「そう……」
兄様はとても残念な顔をしているが、正直とても疲れた。そろそろ部屋に帰って自分のベッドで寝たいものだ。
「ごめんなさい…えっと、もう疲れたので部屋に帰っていいかな?」
「仕方ないね。ゆっくりお休み、僕の天使…明日は一緒に朝食を食べようね?」
「うん!おやすみなさい、兄様」
平和的に解決できてよかったぁ!
「るーちゃん遅ーい!これ、一緒に食べようと思って持ってきたのに~」
そう思って自分の部屋に帰ったらレインが私より部屋で寛いでいて、ちょっとイラッとしたのは仕方ないと思う。
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