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遅れましたm(_ _)m
結局夜遅くまでギルバート・ソルテ・レインと私でカードゲームをした。結果は私は全勝したが、あれは自分でも驚いた。ギルバートがカードゲームを知らなかったのも大きい。この世界には娯楽が少ないじゃないかと思った瞬間でもあった。今まで訓練やら発明やらであまり遊ぶ時間はなかったし、毎日が充実し過ぎているから特にな気に止めていなかった。
「さてと、とりあえず魔王様は私の質問に答えて欲しい。これくらい安いよね?」
「いいだろう。但し、一つだけだ」
「では単刀直入で聞きます。ブルージア領に出現した遺跡、あれは今まで見えないようになっていたのに何故かここ最近になって見つかった。これは貴方が気まぐれでやったことだと聞いていますが、理由がわからない。しかも、犠牲者が出ているから今度騎士団まで派遣されています。それがわからないなんてあり得ない…何を企んでいるのですか?」
「…本当に6歳の子供とは思えない。それを知ってお前は何の得をするんだ?」
「今は何も。けれど、特殊な環境で育っているので情報は何よりも重宝しています。いつ何が起きるのか分かれば、備えられるでしょう?」
「特殊な環境ねぇ…まぁ、いいだろう。教えてやる…久しぶりに人間共と遊んでやろうかと思っている。どの道滅ぶのなら、盛大に暴れてからがいいしな」
「…滅ぶ?何のこと?」
「質問は一つだけだと言っただろう。後は自分で調べてみるんだな」
まぁ、仕方ないか。しつこく聞いて、この男の機嫌を損ねるのは賢くない。今は友好的に接していても、彼が魔王であることに変わらない。ここ数時間一緒にいて、彼の強さに気付かないほど馬鹿じゃない。私には"まだ"倒せない。
「さてと、聞きたいことはもう聞いたし帰るか!あ、レインはこのまま残る?」
「いーやーだー!僕も帰る!」
「っふん!このまま残っても構わんぞ。寧ろ残れ」
「僕は構うよっ!二人っきりにはさせないから!」
恒例会議とやらは大丈夫なんだろうか…ギルバートが何も言わないところ見ると大丈夫だろう。寧ろ"私側"だから参加自体出来ないかもしれない。あれだけ騒ぎを起こしてしまったのだ。いくらこっちで解決したとはいえ、周りが納得しないだろう。何かしら罰が必要になる…それくらいならバックレる方がいいと賛成だ。
「また来い…今度は負けないから覚悟しろよ?」
いや、魔王城にはそうそう遊びに来られないよ!とにかく今は力を付けることが第一だ。それからこちらの領土で冒険や調査をすることになる。
魔素が強いこの地域では、魔力の量が少ない人間は生きづらい。魔力があっても、ここでは常に魔力が放出される状態になっているようだ。故に力なき者は生きられない。自然を司る精霊の存在をあまり感じられないことから、この魔力の循環は精霊不在のためと観られる。
「帰るときは何処から帰ればいい?」
「また遺跡を通る事になる。ここから少し離れているが、夕方には町に戻ることが出来るだろう。今日は背に乗れ」
「わかった。んじゃ、魔王様お騒がせしました」
「いい退屈しのぎになった」
そこからはソルテの背に乗って遺跡まで全速力で帰ったから、振り落とされないようにいつもよりしっかり捕まっていないといけなかった。何より空気抵抗が凄いからそちらを和らぐよう、ずっと風魔術をを使っていたからちょっとした修行だった。余程彼処が嫌いなのだろう。レインは空から追いかけてきたが、ソルテが速すぎて、少し遅れながら付いてきた。おかげで町の門が閉まる前に入ることが出来た。
夜明かしをした後の運動だったもので、結構疲れが貯まっていた。まっすぐ宿をとってただ眠りたかった。
「いらっしゃいませ!…おや、アル様ご一行ですね。本日もこちらで泊まっていきますか?」
「はい。あの大きいお部屋はまだ空いていますか?」
「はい、空いていますが…前回はお礼を兼ねて空いているお部屋の貸し出しをしたときに、そのお部屋しか空いていなくてお貸ししたのですがこちらも商売でして…」
「ああ、それは構わないよ。いくら?」
「一泊50リラでございます」
「わかった。ここに100リラある、2日分をお願いいたします」
「は、はい。畏まりました!では、こちらが鍵でございます」
受付のおじさんはお金を渡したら、少し驚いたみたいだったが直ぐに通常の営業モードになった。お金があるように見えなかったのだろう。幸い仕事の報酬も闇市で売った品物のおかげで、お金には全く困っていない。
「ありがとうございます…あぁ、誰も近づかないで下さるととても助かります」
「畏まりました」
その日は軽く部屋に結界を張り、身体を洗ってご飯も食べずに直ぐに寝付いた……
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「ドグラス」
「ここにいます、陛下」
「あのルナという娘を調べろ。人間にしてはあり得ない魔力量だった…徹底的に調べて来い」
「仰せのままに」
ルナが返したドレスを元の魔力の塊に戻してその変化を見る。赤黒い結晶の中に金色の欠片が入っている。これは前は無かったもので、ルナの魔力を吸収して出来たものだ。
「面白い…アイツと容姿が似ている上に魔力までもが似ていたとはな!」
目を閉じればあの笑顔が今でもハッキリと思い出して、久しぶりに心に刺すような痛みを覚える。俺にはそんな資格などない…最後に見たアイツの泣き顔が思い出される…俺はおれ自身を許せない。
「…お前がいない世界は、存在する事すらできないな」
アイツを裏切った事を悔やんでも、今更仕方ない。俺に残されたのはこれから来る終わりを受け入れるだけ…
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