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やっと念願の魔王様を書くことが出来て嬉しい!
流れというのは怖いものである。
「まぁ、何ですの?」
「小人族かのぉ」
「相変わらず陛下も物好きだ」
「キーッ!許せないわ!」
私は今何をしているのだろうか?
先程から色んな視線が突き刺さって居心地悪い…物凄く帰りたい……
「くっくっく…人気者だな?」
「嬉しくない…帰りたい…ロリコン」
「はっはは!俺から離れるなよ?人間だとバレたら大変なのはお前だからな?」
今の私は魔王様の膝に座らせられている状態だ。陛下は私がこの城に来てからずっと側を離れてくれない。おかげで逃げ出すこともできず、彼はちょっかいも忘れないから解決策も中々決められない。
~数時間前~
魔王様の寝室に繋がっている浴場に連れていかれ、思いっきり水の中に入れられた。
「っぷは!何するの!?」
「匂うから洗ってやろうかと思ってな。感謝しろよ?この俺が暇潰しに直々に洗ってやろう」
「い、いらない!自分で洗えます!」
「お前の意見は聞いていない」
その後はあまり話したくない……
とにかくお風呂に入れられ、何故か私にぴったりの服を渡された。紅い生地に黒いレースのワンピース。子供には些か大人っぽすぎるデザインだが、いい趣味している。背中が大きく出ていてスカートには小さな黒い薔薇が散りばめられていた。まぁ、衣装には罪はないし、来てきた服を取り上げられたから今あるものを着るしかない。
「ああ、中々似合っているな」
「…どうも」
「もっと笑え。無表情だと只の喋る人形になってしまうぞ?」
「…陛下はデリカシーというものを学ぶべきかと思います」
「くっくっく…心配するな、ガキに興奮するほど餓えていない」
「っな!?」
陛下も着替えてそのまま宴に向かった。ちなみに、お揃いのコーデだ…
魔族の領土に入っただけあって、目の前の光景には驚いた。誰もが基本的に人型だが、尻尾が付いていたり、ひとつ目だったり、顔が獣だったりと実にファンタジー要素が集まっていた。何より、獣耳には萌えた!
「陛下ご機嫌麗しゅう。本日珍しいお客人がいらっしゃると伺ったのですが…腕に抱えてらっしゃる方がそうなのですかね?」
「そうだ…が、客人はまだいる。遅れてくる予定だがな」
まぁ、一番驚いているのは間違いなく私だろうからね!何となくだけど、来るのはソルテ達だと思う。2人はこの魔王様は気まぐれをよく起こすとの、あの術式に細工をして私だけ引っ張ったのではないかと思っている。
「まぁ!陛下を待たせているなんて、恥知らずな方ね!」
「くっくっく…アイツを見て同じことが言えないだろうな」
陛下は大変楽しそうで、私は相変わらず女性陣からの嫉妬の視線で殺されそうだ。幸いソルテの気配がかなりの早さで近づいてきているのを感じ取れる!
「陛下、どうやら到着したようです」
「では盛大に迎えてやれ。我が古い友人を」
「はっ!」
それと同時に会場の扉が物凄い勢いで吹っ飛んだ!おかげで場は一瞬にして凍りつき、警戒体制に入った。流石、ここに居るのは強いものばかりだろう。誰も騒がないが、いつでも戦闘体勢に入れるようになった。
「ルーナ!」
「ソルテ?っぐぇ?!」
ソルテが入ってきたと同時に魔王様に腰をグッとつかまれ、思わず可笑しな声をあげてしまった…




