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朝早くに目が覚め、仕事を押し付けられる前にさっさと屋敷を出る。もちろん、鏡の道を通ってアジトへ着く。
アジトの自分の部屋に着き、真っ直ぐ台所に向かう。この時間だとそろそろ皆が起き出す頃だからついでに朝食も作ってあげることにした。
今日はシンプルにスクランブルエッグとトーストにベーコンも焼き、キャベツとトマトのサラダを作った。
「よし、こんなものか」
食堂に全てを運び、人数分皿に盛り付ける。
「ふぁ…何だ、アル帰ってきてたのかよ…ふぁああ」
「おはようリック。大きな欠伸だね、昨日遅かったの?」
「ん~、まぁな……ふぁ…美味そうだな」
「みんなが起きたら一緒に食べようと思ってね。時間がギリギリだったからこれしか作れなかったけど…」
本当はパンの生地から作りたかった。時間があまりないから食料倉庫にあったパンをスライスしてトーストにしただけだ。まぁ、食べ物は貴重だからこれだけ用意できるここは異常だけれど……
「いやいや、結構豪華だと思うぞ!……ふあぁ、ねみー」
「そう?」
「てか、お前マジでどうやって金稼いでるのかわかんねーけど…俺らのために無理すんなよ!」
「ボクの心配はしなくていいよ。それに、君達に合った報酬としてこの食事を準備しているんだよ」
子供たちには食事を提供する代わり、私に情報等を回してもらっている。風の精霊達やシルフを使えば情報集めも出来るが、彼らにばかり頼るわけにもいかない。よって、子供たちが集めた情報を元に気になるものだけ彼らに調べるように依頼する。
「ああ!アルにぃが来てる!」
「……アルにぃ、おはよー…」
「わぁあ!美味しそうなご飯だ!」
「ご飯じゃなくて朝食っていうのよ?」
ようやくチビッ子達が起きてきたようだ。みんな元気そうで何よりだ。
「みんな、おはよう!この前出した課題はちゃんと出来た?」
子供たちに依頼をするようになり、私はこの子達にちょっとした修行というか訓練的なことをさせている。因みに屋敷の一角も訓練場になっている。
「っげ」
「できたー!」
「ぼくもできたよー」
「もちろんアタクシもできましたわ!」
「それはよかった!じゃあ、ヴィンス以外は次のステップに進めるね」
「まって、できてないとはいってないぞ!」
ヴィンスが目を吊り上げ顔を真っ赤にして反論してきた……可愛い。
「へ~?じゃあ、ここでも見せてくれるよね?」
今回彼らに出した課題は"物真似で稼ぐ"こと。小さい頃から色んな事が出来るようになれば、将来彼らにもいい仕事とかも見つかるだろう。
「わ、わかった!見てろよ!?一度しかやらないからな!?………み、みにゃぁ……」
「………」
「……………」
「…………………………」
「ではこの猫耳付でもう1回」
「なっ!嫌だよ!てか、なんでみんな黙るんだよ?!」
周りのみんなを見たら何とも生暖かい目でヴィンスを見ている……何か、ドンマイ♪
「黒耳と赤茶とかいろいろ有るけど…どれがいい?」
「「常備してるのかよ!?」」
リックとヴィンスが見事にハモった。
「この前趣味でいくつか作った!」
「何でそんなものを……はぁ…くだらない事なんだろうな」
「何を言ってるの?趣味で作ったって最初から言ってるやん」
「そうだったな……お前はそいうやつだったな」
そいう奴ってなんや…普通なのに…
すぐそのあと他の子達も起きてきてご飯を美味しく食べてくれて、各自の仕事についていった。
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