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さて、作業中は人に見られると色々とまずいから皆が街に出た頃に始めるということにした。まぁ、本当は皆が寝た頃に始めるんだけど…
「はぁ……」
その前にシエラの話を聞かないとね。先程からため息ばかりで心ここにあらずだ。
「シエラ、ここいいかな?」
「………はぁ……」
シエラは私の言葉が聞こえていないのか、相変わらずため息つきながら皆が散らかしたゴミを集めている。
「おーい、シエラー?」
「えっ?…ああ、アルね。どうしたの?」
耳元で大声出したらやっと気づいてくれた。
「ボクの声も聞こえないくらい何考えていたのさ?というか、何があったの?あ、大丈夫って言葉は受け付けないから!さぁ、話してもらうよ!」
「……アルはずるいよね」
はて、何故そうなる?まさか…原因は私なのか!?まだなにもしていないぞっ!?
「ええっと?なんかごめん?」
「ふふ、鋭いんだか鈍感なんだか、わからないね…本当は皆にも話したいんだけど、どうしても勇気がわかなくて…」
「なんか褒められている気がしないんだけど…それで、何があったの?」
シエラの悩みは確かに迷うものだった。彼女はウィルソン商会の御曹司に危ないところを助けられて、それから何度も"偶然"彼と会っているらしい…そして先日その商会のメイドとして働かないかの話があったのだが、住み込みでの仕事になる。お給料も10歳の子には充分すぎるらしく、そのお金があれば小さい子達にもっといいものを食べさせる事が出きるのだ。
問題は中々会えなくなってしまうことと、リックに話したら絶対反対されることだ。まぁ、そうなるだろうね…何だかんだでリックはシエラの事が好きだからね!本人は隠しているみたいだけど…シエラはいい子だし頑張り屋で、ついでに可愛い!なんていうか一緒にいると癒される系?そんな感じの少女なのだ。
「ウィルソン商会か…返事をする期限はあるの?」
「ううん。気が向いたらおいでって…いつでも来ていいって言われたの」
こう聞くと中々大人な考え方でとてもいい子に聞こえるな御曹司……ちょっと待て
「その御曹司っておじさんだったりしないよね?」
「へ?…いや、私より6つだけ上だったよ」
よかった…今ちょっと嫌な想像してしまったよ。でも、そうか、6歳上だと15歳か……お年頃だよなぁ。シエラに惚れたのか、本当に彼女の事をかっているのかわからない。
よし、それもついでに調べるとしよう!
「ふむ…まぁ、これに関してはもう少し待ってもらって!ボクの方でも色々と調べるから」
「わかった…でも、あんまり無理しないでね?」
「クス…ボクは無茶なんてしないよ?だから、シエラも心配しないでボクを信じて欲しい。ここをもっと住みやすいところにするし、ウィルソン商会の事も調べる」
「…うん。ふふふ、アルが言うと本当に何でも出来そうだね!こんなに小さくて可愛いのに、時々大人と話している気分になるよ」
ギクッ…ま、まぁ間違ってはいないけどね!こいうときは下手に隠さず、ノリでいうのがいいとどこかで聞いた!
「ふふふふ♪実は大人なのです!」
「はいはい…でも不思議ね?アルに話したらスッキリした!」
「ならよかった!今日はもう遅いし、久しぶりに一緒に寝よう?」
ふぅ、これで今日は大丈夫だな!シエラと皆が寝泊まりしている部屋にいった。彼らが使っているのは2回の2部屋で、女子部屋と男子部屋で別れている。男子は小さい子達もいれて一部屋に6人で寝ていて、女子は8人だ。
「こら待てアル…何普通に女子と一緒に寝ようしてんだよ」
「え?」
「え?じゃねーよ!お前はこっちだ!」
……そう言えば男の子って設定だった。
「わかったから引っ張るなって!」
結局男子部屋までリックに引きずられた…こっちの部屋に居る事こそがおかしいのに!でも、今はカミングアウト出きる状態じゃないし…ま、いっか!どうせ全員に睡眠の魔法をかけるから、どっちもどっちだしね~
ここでは早寝早起きが基本で、子供たちに睡眠の魔法をかけて完全に効果が出た頃にそっと部屋を抜け出す。
「遅かったじゃないか」
「ごめんごめん!それで?頼んだものは見つかった?」
「勿論だ」
ソルテには前日注文をしに行った鍛冶屋で"鏡の縁"を取りに行ってもらった為、途中抜けてもらっていた。ちなみに今は猫くらいに大きさになっている……
「ありがとう!助かったよ」
この廃墟はかなりボロボロになっているところと、壊滅的にボロボロになっているところがある。みんな使っているのは辛うじていい方な部屋だった。
隠れ家を作るには出来るだけ目立たないところがいい。よって、私が選んだのは下の階にある壁もボロボロで窓は跡形もなく、色々と散らかっていてとても汚い部屋だった。
「その"縁"を適当に床においていいよ」
「…こうか?」
「そうそう、そんな感じで!」
縁に手を伸ばし術をかける。今回使う魔法は勿論、空間魔法!この縁は入り口の役目を果たしてもらう予定だ。
ーこの中は出来るだけ大きくしたい…この屋敷と同じくらいにしよう…足りなくなったらまた増やせばいいし…天井はとても高くして人工的な太陽も作って植物も育てられる環境に……
「ふぅ…思った以上に集中しないといけないね…」
「…その空間魔法というのには人が入っても大丈夫なのか?」
ごもっともな質問!
「大丈夫だよ!そこらの魔術師と一緒にしないでよね♪」
次は鏡の縁を通って空間の中にはいる。うむ、中々広いみたいだ!これは作りがいがあるぞー
先ずは高いところから始めるとして、最初に作ったのは青空と太陽や雲などだ。次は床などを草にしたら何となく草原のような場所になった。
「後は風などがあれば…いいな」
「確かに!さすがー♪」
やるからには壮大にするぞ!となれば、気持ちいい風も来るように四方に風の魔法をかけた!
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