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瞬きをしたら夢から覚めた…
今回の夢は何だかいつも以上に切なくて心が絞めつけられ、あまりにもリアルだった。
まるで私が彼女で、気持ちが完全に同調していたのだ。自分じゃない誰かになっている気分だった…
「…ぁ…っ…」
まだ完全に目が覚めていないのか気が付けば涙が止まらなくなった…何かとても大切なことを忘れている気がする。けれどそれが何なのかがわからなくてもどかしい!
「…ぐす…っ……ぁ…」
隣ではローウェルが寝ていて起こしてはいけないのに…落ち着かなくちゃ…まだ夜が明けていないのだからうるさくしたら迷惑だろう…
「……っ……」
毛布で涙を拭い落ち着けるように今日の予定を無理やり組み立てる。
しばらくそうしていたら夜明けになったみたいだ。ローウェルもまだ起きそうになく、きっと腫れているこの目を見られたらしつこく聞いてくるだろう…その前に顔を洗い、腫れをとれるように治癒術で治す。
ウンディーネから治癒術を学びはじめて、そこから色んな応用を覚えたのだ。前世では医療科学が発達した世界に居たため、こちらでは魔法と科学を混ぜた新しい魔法科学を作るのが私の夢のひとつだ。主に自分の為だが…
夢はこの際忘れよう。どの道何もできないことをぐだぐだ悩んでも仕方がないのだから……
今を生きないと意味がない。
先程の夢のせいで全く眠れた気がしない…せっかく休みだから寝直すことにした。
ローウェルがいるベッドに戻り、深く毛布を被る。
今度こそ夢も見ずに眠れるように…
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「クス………ルーナ?もうお昼近くだよ~?そろそろ起きよう?」
「……ぅうん…あと5分……」
暖かくて気持ちいいのだ。邪魔しないでくれ…
「まったく……これで次代の死神と呼ばれているとか信じられないよ…」
「……すー……すー………」
「それに…アイツが言っていたことが本当なら僕も頑張らないとね…気付いてあげられなくてごめんよ。僕の可愛いお姫様」
誰かが頭に手を置いてくれて撫でてくれている…うふふ…気持ちいい
「やっぱり可愛いね。これからはお兄様がずっと守っていくからね…だから、今は安心しておやすみ」
微睡みながらローウェルに何か言われたような気がしたが、睡魔には勝てることが難しく私はそのまままた深い眠りについてしまった。
次に目が覚めたら太陽が既に真上近くまで来ていて、既に朝食の時間は終わっていた。
ローウェルは何か書き物をしているらしく、私が起きたことに気がついていないだろう。よし、ビックリさせてやろう!
さっそく無音で背後をとり、手で目隠しをする
「だーれだっ」
「っは!?ルルル、ルーナ?もう起きたのですか?!」
あれ、思った以上にいい反応をしてくれたみたいだ。……ん?なにこれ?
ふとローウェルが書いていたものが目に止まり……見なかったことにしよう。うん、それがお互いのためだよね!
「あぁ…うん、おはよう?」
「おはようルーナ、今日も1日ずっと一緒にいてくれるよね?」
まぁ、一回部屋に戻ってソルテの様子も見なきゃだけど…
「うん、大丈夫だよー…予定もできてるよー」
「え…そうだったのですね!?」
そのあとは1度部屋に帰ると言ったら、またうるうる攻撃されたらたまらん!
さっそく自分の部屋に帰り着替えようと思ってドアを開けたら、ソルテが人型モードでこちらをキッと睨み付けていた。
………見なかったことにして思わずそーっとドアを閉めようとした私は悪くないはず!
「待て、何処にいく?」
「ちょ、ちょっと用事を思い出して~」
「ほう…そうか。だがその前に話し合う必要があるな?」
「……あい」
「とりあえずここに座るがよい」
そういいながら示した先は何故かソルテ膝だった…いや、その状態で抱えられたら怖くて吐きそうなんだが!
だが、私には選択権は無いようで従うしかない。
おかしいなぁ?私が主人の筈なのに何故か逆転している気がする…気のせいかなぁ?
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