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騎士団の訓練が終わり、私は普段の生活に戻ることになったんだが…ここで一つ問題が起きた。
「…今何て言いました?冗談にしては面白くないですよ」
「ここに住むなら、私のルールに従ってもらいますよ」
「そこではありません!今ルーナに何てことをさせようとしているのですか!?」
そう、私は今お婆ちゃんから新しい仕事の依頼を受けているところなのだが…それを丁度ローウェルに聞かれてしまい、めんどくさいことになっています…というか、まだ一族の稼業について言っていなかったのか…
「心配せずともルーナはしっかり"お使い"出きるわ」
「させません!」
「ローウェル…ここでは私の命令は絶対よ。いくら孫でも、逆らうのは許さないわ。ルーナは後で報告をしてちょうだい」
「はい」
「ルーナっ!!!こんな酷いことをされているとわかっていたらもっと早くに救いに来ていたよ!そんな命令なんて聞かなくていい!」
「はぁ…ロバート?」
ローウェルはロバートに一瞬で落とされた。今のままだと話も出来なかったのだろうけど、嫌な場面を見られてしまった。
今日は今までと少しだけ違う仕事…というより"観察"を命じられたのだ。
"組織を嗅ぎ回っている官僚の始末を見届けよ"
人の死に慣れるための訓練が始まったらしい……
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初めて人の死に様を見はじめてから早一月、思ったより私は動揺などしなかった。いや、出来なかったというのが正しいだろう…相手が生きようが死のうがどうでもいいというのが一番近い感情だ。
私は仕事と修行もあり同じ屋敷に居ながらローウェルにあまり会えないで数日が過ぎていった。その為ローウェルがどんな状態かはわからない。長の孫だからひどい扱いは受けていないだろうけれど、ここでの生活は自由がある分、その責任もとらなければならない。
明日は久々の休みだから一緒に過ごそうかなと思いながら部屋に戻っていたら、庭の方からローウェルとヒューズの声が聞こえた。聞き耳をたてるのは他所では礼儀知らずだと言われるけど…ここでは美徳だ。聞かれた方が悪い!だから私は悪くない!
「だから、君の勘違いだって言っているだろう!あの子は君が思っている程いい子じゃないんだよ!」
「……黙れ」
…あれ?だいぶ険悪な様子?!そして十中八九私が原因っぽい!
「僕のルーナをもう一度侮辱してみろ…ここのルールに乗っ取ってキサマを殺してやる…」
ぞわっ!!ちょっ!ローウェル?いつの間にそんな怖いことを言う子になったの!?
「っ侮辱じゃない!真実だ!」
「なるほど…余程命を無駄にしたいんですね?」
これはやばい…本気で魔力を練って攻撃しようとしてるよ…止めには入るか
「お兄様?こんなところに居たんですね!」
必殺、"探していたよ攻撃~"
「……ルーナ」
「ッチ……確かに忠告したからな!」
ヒューズは私を見るなり立ち去ってくれた。いつも絡んでくるから今回も面倒なことになるかと思っていたけど、何もなくてよかったよかった!
「ふぅ…ローウェル兄様?ヒューズに何を言われたのかはわからないけど、気にしないでね!あと、何かあったら言ってね!私が守ってあげる!」
ここでの私は何かと融通が聞くからね!
「いや…守るのは僕の役目だよ……」
「ん?お兄様元気ないね…心なしかちょっと痩せた?」
良く見れば目の下に隈があるし、とても疲れた顔をしている。熱があるかを計ろうとして額に触ったら、少し熱っぽくなっている。
「大丈夫です…ルーナが体験したことに比べると…大したことないんだ」
「んー。確かにそうだけど、だからといって兄様がその状態でいていい理由にはならないよ?いいから部屋に戻ろう!病人は大人しく従うのです♪」
「っな!!ま、待って!?僕は!」
「はいはい。とりあえず話は部屋に戻ってからにしよう!ここは冷えるからね」
私は話を終わらせ、多少強引に部屋に戻らせる。治療して、私達は話し合わないといけないみたいだ。
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