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少し短めですm(_ _)m
部屋についたら状況は思った以上に深刻だった。子供達はベッドもないから床に敷いた薄い布の上で寝ていた。毛布もなく水も足りていない…特に小さい子がひどい状況だ!
「シエラ!ご飯は後だ!ここにある毛布で全てなのか?」
「う、うん!ここにあるのが全部!」
「なら布なら何でもいい!余っている服などをみんなに被せて!」
「わかった!」
とにかく先ずは暖をとらせなくては死んでしまう。ここはやはりウンディーネに任せよう…
ー"母なる水の精霊よ…その姿をここに表せ…ウンディーネ"
他の子に聞かれない程度に彼女に教えられた通りに呼んだら、目の前に大きな水の球体が出来てそれが彼女になった。
「ルーナ♪呼んでくれて嬉しいわぁ…あら?お困りのようねぇ…」
「友達が病気なの、貴女なら治せるでしょう?もしくは症状を軽くするとか!お願い、力を貸して!」
「んふふ♪頼ってくれて嬉しいわぁ!…そうねぇ、助けてあげてもいいけれど、ただではやらないわ」
「…どうすればいい?」
「シルフから聞いたのだけれど…どこの馬の骨とも知らない男に修行をさせてもらっているそうねぇ?」
ん?ソルテの事か…いやでもソルテは猫だけど…
「ソルテの事?」
「そうよ!あの泥棒猫…私のルーナ様と勝手に繋がりやがって…!!」
「いやいや、むしろ私が」
「それはもういいのよ…」
いいのかよ!何なんだ…
「私もルーナ様と一緒に居たいわ!戦うことも大事だけれど、こんな事があった時の為に治癒術も必要になってくるわ」
「それは…確かに」
「だから…週に3回、私の所で治癒術を学ぶことが条件よ」
それは私にとってメリットしかないんだが…相変わらず彼女も私に甘いな…本当に恵まれている。治癒術に関してはいずれは頼もうと思っていたことだった。それが少し早まっただけだと思えば問題ないだろう!少しハードな毎日になるが充実していると思えばやっていける!……はず!
「わかった。それでお願い!」
「んふふ♪じゃあ治療を始めましょうか♪」
ウンディーネは子供の額と胸に手を当ててそこに水の塊ができた!水は徐々に茶色になってきて最後には小石くらいな大きさになって固まった。それをそこに居た全員にして、小石となった"病原菌"なるものを袋にいれた。子供たちの様子も先程と全く違う。まだ汗はかいているが、寝息も穏やかになっているようだ。
「これで大丈夫よ。後は栄養のある食事を取ればすっかり元気になるわよ♪」
「ありがとう!」
「約束は忘れないでね♪また何かあったら呼んでちょうだい」
ふぅ…これで一件落着だ。ご飯の前にみんなの身体を拭くことから始めたほうが良さそう…このままでは気持ち悪いだろうからね。
「アル!持ってきたよ!これしかないん…だけど…?」
「ああ、それでいいよ。まずはみんなの身体を拭こう!ご飯はそれから作ろう」
「え?…あれ?なんかさっきより良くなってる!」
「うん!だから、また悪くなる前にやれることをやってしまおうか」
シエラは不思議にしていたけれど、今は仲間の命の方が大切だ。すばらくは二人で寝込んでいた全員の身体を拭き、別の服に着替えさせた。今度から服の仕入れもした方がよさそうだ…
それに、この廃墟も隠れ家にはいいけれどボロボロのままでは使いづらい。外側はボロのままで残して、中だけ改築しよう…
今後の目標を決めたところでもう一度買い出しに行くことにした。
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