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最近キャラ名考えるのが大変になってきた\(゜ロ\)(/ロ゜)/
スラム街にいた1ヶ月は色々と大変だった…
こちらに転生してからは何不自由ない生活をしてきたのに、突然屋敷を放り出されスラム街で生き延びろと言われた。唯一渡されたのは薄い生地のマントだった。
マントを深く被ってスラム街を歩いていたら周りから奇異な目で見られてとても居心地が悪かった。それに最初の日は食事にありつけず東方にくれた…
「君……すごくきれい…何処から来たの?」
そんなとき年上の女の子に話しかけられた。屋敷を出たとき自分の名を出すことも、何処から来たということも話してはいけないと念を押されていたためここでも困ってしまった。
「………………あっち」
適当に方向だけを指したら彼女は納得してくれた。
グゥー
「お腹が空いたの?」
「…うん」
人前でお腹をならすとかすごく恥ずかしい!
「大したものはないけど、よかったら一緒においで」
それがきっかけでスラム街で居場所ができた。ここでは何でもしないと生きられない…子供は子供で協力仕合ながら生きなければならない…ここで奴隷商人に捕まったら逃げられないのだ…
実は屋敷に戻ってからも何度もスラム街に戻って子供たちと会っている。
「シエラや皆に会うのが楽しみだなぁ…よし、お土産でも買っていこう」
マントを深く被って持てるだけパンを買った。うん、きっと喜んでくれるだろう!
ワクワクとした気持ちで隠れ家に着いたらちょうどシエラが出てきたところだった。
「あ、シエラ!」
「っアル!?その血はどうしたの?!いったい何があったの!?」
あ、猪の返り血を浴びていたことをすっかり忘れていた!
「あぁ、大丈夫大丈夫!家畜の処理で汚れただけだから!」
「…本当に?」
「うん、本当に」
嘘はついていない!猪だって食べられるからね!
「そう…しばらく来ないから遂に捕まったかと思ったよ!」
ここでは"アル"という名前で通ってる…ちなみに男の子だと偽っている。
「そんなへまはしないって!…みんなは?実はお土産を持ってきたんだ!」
両手にあるパンが詰まった袋を差し出したらシエラは大事そうに二つとも受け取った。
「すごく助かったよ…実は今困ったことになっていて、食事の調達が中々思うようにできていないの」
「どうして?何があったんだ?」
「…今殆どの子が高熱が出ていて、今のところ問題なく動けるのが私とリックくらい…小さい子はみんな動けないでいるの…サラ達は頑張っているけど彼女たちもそろそろ限界かもしれない…」
「…そうか…高熱の原因はわからない?」
「わからない…」
ふむ…医療関係は全くの専門外だが…確かウンディーネなら何か出来そうだ。ちょっと呼んで診てもらおう…
「うーん…体調が酷いんじゃパンだけじゃ食べずらいかも…スープとか作りたいんだけど材料は何かある?」
「殆どなくなってしまったの。でも、心配しないで!これだけでもとても助かっているから!」
ここまで聞いておいて見捨てることは出来ない。私が困ったときは助けてくれた者達だ。見捨てることは出来ない!
体調が悪いと食事もとれなくなるし、もっと具合が悪くなるだろう。それに…ここは衛生的にも悪い…先ずは動けるもので出来るだけ清潔にして、食事はこちらで何とかしよう。
「ううん!ボクも手伝うよ…遠慮しなくていいって!困ったときはお互い様だろう?」
「…ありがとう」
シエラはこのグループの中ではみんなのお姉さん的存在だ。面倒見もよくこのスラム街では珍しいくらい穏やかな性格をしている。むしろ怒っている所を見たことがないくらいだ。
「とりあえず荷物を置きに行こうか」
「そうだね……アルは…今も……やっぱりいいや」
「うん?ボクが何?」
シエラは何を聞きたいのかは本当は知っている。例えば今まで何処にいたとか、どうやってお金を手に入れているのかとか、何をしているのかも気になっているだろう…
「……聞いても答えてくれないでしょう?」
「まぁね」
「ホント、見た目だけは天使なのに…」
「それはどうもありがとう♪」
「…はぁ」
荷物を厨房に置いて弱っている子達が居る部屋に向かう。
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