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まだ修行には入りません。早くルーナとソルテが仲良くなって欲しいです…
屋敷に着いたのは夜明け前でまだ辺りは真っ暗だった。屋敷の所々には明かりが着いているので、先ずは依頼品を渡してから、部屋に戻ることにした。
「おかえりなさいませ」
今回はちゃんと玄関から入ることにした。
「ただいま!これ依頼品なんだけど、預かってくれる?」
籠に入っているオベラを渡す。
「かしこまりました。では、こちらはメイローズ様に直接渡しておきます。お疲れ様でした」
「うん!んじゃ、おやすみ~」
「お休みなさいませ」
ソルテの寝床を用意して今日はお昼まで寝ようかなぁ…あ、でも逃げないように部屋に逃がさないための結界を貼ってもらおう!
「シルフ~、部屋にソルテを逃がさないための結界を張ってくれる?」
「…はい…でも…僕よりウンディーネの方が…得意」
「うーん、私の魔力を足しても足りない感じ?」
「…それなら…大丈夫………多分」
「…もしかして苦手だったりするの?」
「……………………ちょっとだけ」
「…ごめん、でもお願い」
「…任せて」
さて寝床だけは拘って作りたいから後で材料調達に行くとして、今日は一緒のベッドで寝ることにしよう!
確かクローゼットの2段目にいい感じの毛布があったはず…あ、あった。片手でそれを広げて自分の枕の隣に置いて、その上にソルテを寝かせる!ふむ、丸くなってスヤスヤ寝ている姿は仔猫そのものでとても癒される!可愛い!
準備が出来たところでシルフがまず実体化して手を繋ぐ必要があると言っていたので、それにしたがった。そこで結界を張るための呪文を始めた…
『我は風を司るものシルフィエールなり…古の術を今放つ…汝が定め者以外はこの地の出入りを禁ず…』
その言葉を言い終わると同時に体から何かが抜けていくのを感じた。なるほど、術は成功のようだ!
「……これで大丈夫…誰も出入り出来ない」
「ありがと!ん?誰も?屋敷の者も?」
「うん」
「……………ま、いっか!そんなことより、シルフってシルフィエールだったの?」
「…うん…シルフは愛称…」
「ふーん…どっちも可愛い名前ね!それならシルフィーもいいね!」
「……女の子みたいで…嫌だ」
「え?女の子じゃないの?」
「違う!ボクは…男だ…」
「えぇええ!!??」
嘘だろ!この3年間ずっと女の子だと思っていたから一緒にお風呂に入ったり、着替えを選んでもらったりしてたよ!…あぁ、でも子供だから許されるか!むしろ今知ってよかった!
「何か…今まで女の子だと思って色々付き合わせちゃってごめんね!今度から気を付ける!」
「…ん?…別に迷惑じゃない…むしろもっと頼ってくれても…いい!」
シルフは頬を紅潮させてキラキラした目で見てくるけど…これ、子供の姿だから許されるよね!?
てか、精霊だから結構年上のはずだけど…うん?まぁ、いいか!
「お、おう…んじゃこれからも程ほどによろしく?」
「うん!…今日はゆっくり休んで…お休みルーナ様…………チュ」
?!?!?!?!?!?!
シルフはそのまま帰ろうとしていたが何を思ったのかくるっと振り返って、私の頬にキスをした……
何か…ドッと疲れてしまった…とりあえず今は頭を冷やして寝よう…考えるのは明日でいいや………………
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ああ…なんかもふもふしていて気持ちいい~
そのもふもふをぎゅっと抱きしめると暖かくてもっと眠たくなる~
「おい…起きろ!起きぬか!?…っく!」
「…う…う~ん…すー」
「…いいかげんに、せんかーーー!!!!」
「っうわぁあ!!!!」
「っぐあ!!!」
びっくりして腕にあるものを更にぎゅっとしたら変な声が聞こえた……ソルテだった…ごめんよ
「………ごめんなさい」
そっとベッドに下ろしたら、ものすっごく恨めしそうに見上げてくる。ソルテはそれでも超絶に可愛いと思ってしまう私は病気かも知れない…
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