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読んでくださっている方有り難う御座います!今日はもう少し頑張って夜にもう1話載せる予定です!
「ご馳走さまでした」
今回も実に美味しかった!魔界の料理は色は不安だけれど、味は素晴らしい…材料が何でもレシピは聞くべきかな…
「ルーナ様は本当に美味しそうに食べて下さるから、料理長も作りがいがあると嬉しそうにしておりましたわ!ご希望が御座いましたら遠慮なさらず仰ってくださいね?」
なんとタイミングのいい!なら…
「…どんなことでも?」
「はい!どんなことでも、ですわ!ふふ…何かお望みですか?」
「厨房で一緒に料理してみたい!」
善は急げと言うし、今日はもう悪戯が過ぎて居たたまれない…食事中ギル様は居ないし、帰ってきた魔族達はずっと遠巻きに見てくるしで居心地が悪い…まぁ、食事中は気にしなかったけど…
「まぁ!畏まりました。少々お待ちくださいませ」
いずれは魔界を冒険するときに役立つだろうから、いい加減食材を知るのが怖いと言っていられない!というか、味は大丈夫だからきっとそこまで酷くはないだろう!うん……そうだといいなぁ…
「…るーちゃん、楽しそうなところ水を指して悪いんだけど…今はちょっと不味いかなー」
「うん?何で?」
「血の臭いがするんだよねぇ♪」
ふむ…いや、さっきまで闘っている者達が居たから当たり前じゃないのか?
「そうだな、城の中から臭う」
ソルテまで言うのなら間違いないけれど、血の臭いがするってことは城が襲われている?それにしては静かだし怪しい気配もしない。
「お待たせ致しました!フェンリルが何時でも歓迎すると仰っていましたわ」
アメリアの様子は普通だし…うーん、ギル様が帰ってきたらちょっと聞いてみよう。
「ありがとう!美味しく出来たらアメリアさんにも渡すね!」
「そ、そそそんな…ルーナ様からの手料理が食べれるなんて!私、感激ですわ!あと、アメリアとだけお呼びください。私はルーナ様の忠実なる僕ですもの!呼び捨てて下さいませ」
「え?ギル様のメイドでは…」
「いえ、私はルーナ様にお会いした瞬間からあなた様に忠誠を誓いましたわ!何なりとお申し付けくださいませ!」
ええっと…どいうこと?私はギル様のお城の居候で、アメリアはギル様の城のメイドで、私の僕って…私はギル様の部下を横取りしたことになるのだろうか…?
「ほう…少し席を離している隙に面白いことになっているな!ルーナ、いつの間に俺の部下を誑かしたんだ?」
「私もわからない…というか、アメリアは私が人間でも仕えたいって思えるの?」
「勿論ですわ!ルーナ様はお強いですし、何よりも…可愛いですもの!可愛いは正義ですの!」
「おまえ…いいこと言うな!よし、許す!裏切ったら殺すけどいいよね?♪」
「はい!誠心誠意仕えますわ!」
え、ええええ?私とギル様の許可もなく話がまとまってしまったんだけど!
「おい、待て!我は認めんぞ!」
よかった…ソルテは味方のようだ…
「ルーナに仕えたいのなら、先ずは我の試練を受けてからだ!弱いやつはいらん!」
ソルテ、お前もか!?
「くっくっく…はっはっははははは!まぁ、いい!そこまで言うなら好きにしろ!俺は面白ければ何でもいい!…よかったなルーナ?新しい部下はこの城の四天王の一人だ。上手く使えよ?」
「え、アメリアはギル様の四天王の一人だったの!?そんなにあっさり辞められるものなの?!」
「過去とは、過ぎ去るものなんですの!問題ありませんわ!」
……もういいや。ギル様も特に困ってないし味方が増えるのは有難いのも事実だ。
「そこまで言うのなら…これから宜しくね?アメリア」
「有り難う御座います!ルーナ様!」
はぁ…先程のソルテ達の言っていた血の臭いがわかったかもしれない…ギル様から微かに血の臭いがする。ドグラスも見当たらないから、きっと何か有ったとしても既に解決したのだろう。ここはもしかしたらそんなに安全じゃないかもしれない。
ここのところ平和過ぎだった事の方がおかしい。ここは魔界…魔物達の巣窟、魔王とその臣下が住まう魔王城なのだ。危険がない筈がないのに、ギル様がやたらと構ってくれるから忘れていた。普通の魔族は人間を歓迎したりしない…
それに、母…ラウラ様の元から避難して1ヶ月間が過ぎた。ソルヴィエール領にあるアジトにもそろそろ顔を出さないと子供達が困る頃だし、休息は充分にとれた。
うん、大丈夫…私はまだやれる。彼女は私が知っている母親とは違うけれど、しょうがないんだ。
だって、私も普通じゃないから……
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