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100

祝100話!ありがとうございます!




「遅い」


「いや、久しぶりに会って開口一番に言う言葉じゃないよ…」


ドグラスに招待され、辿り着いた魔王城には門の所で魔王様直々に出迎えられたが……


「来るのが遅いから迎えに行こうかと思っていたぞ。さぁ、此方に来い」


魔王様は手を差し伸べたと思ったらいつの間にか腕に抱えられていた。


「っうわ!ちょっと!ビックリした…」


咄嗟にしがみついてしまったのは条件反射だ…ソルテとレインの殺気が半端ない…


「ふむ、少しは大きくなったのだな。髪の色も少し変わったんじゃねーか?…まぁ、いい。お前の為に食事を用意した…後ろの二人はいい加減にしろ…鬱陶しい」


「…ギルバート、我が(ルーナ)に気安く触るな!穢れる!返せ!」


「そうですよぉ?うふふふ、るーちゃんを抱っことか羨ましい…いくら魔王様でも痛い目見せますよ?」


……仲、悪いなぁ。魔王様はこれからお世話になるから、失礼なこと出来ないし…


「二人とも、私は大丈夫だから…ここで騒ぎ起こさないで」


「だがっ!」


「でもっ!」


「いいから!…じゃなきゃ暫く口きかないから」


「っぐ…わかった」


「うぅ…わかったよぉ」


…最近の二人は何かにかけては過保護すぎる。まぁ、家族にすら気を許せなかった私だったのがいけなかったかもしれないけど…ただ、心配してくれること事態は嬉しいけどね。


「ほう…二人とも主従契約をしているのか。前回は黒ノだけだったが、レインも契約したのか…半信半疑だったが、お前もよくこの二人を側に置けたな?」


「ん?ソルテもレインも"私"には優しいよ?…それ以外には確かに容赦ないけど」


それに最近はかなり落ち着いているし、人間社会にも慣れたと思う。


魔王様…ギルバートに抱えながら城の中に入ったかと思ったら突然視界がグニャリとなって移転魔法を使って移動した。着いたのは前回来たギルバートの寝室のようで、テーブルには豪華?な食事が用意されていた。


「くっくっく…相変わらずだな!ほら、食べさせてやる。お前は甘いものが好きだったな…これなんかどうだ?…口を開けろ、あーん」


………え、この体制であーんするの?!ビックリしすぎて呆けていたらそのまま口の中に甘い物が入ってきた…む、これは…


「…んっ」


あ、美味しい!真っ赤でちょっとアレな感じだったけど、思っていた以上にまろやかで美味しい!特に口の中で溶けていく感じが癖になりそうだ。


「どうだ?美味いだろう?」


「うん!美味しい!これは何?」


「これは魔界のみに生息している果物を使ったフェシーという菓子だ。お前が甘味が好きだと聞いたからな、わざわざ改良して作らせたんだ。感謝しろよ?」


そこまでバレているのか…というか、結構前から監視していたからどこまで個人情報が漏れているんだろう…


「う、うん。ありがとう?」


その後色々と初めて食べるものばかりだったが、意外と全部食べられる物だった。ただ、原色ばっかりで見た目的には凄かった。形自体は綺麗だけど、食べられる色だとは思わなかった。因みに鶏肉っぽい味だったのが紫色をした"何か"だった。ここにいる間は材料を聞かないことにしよう。とりあえず、今のところはまだ勇気がない…


食事も充分とってお腹一杯になったところで、疲れているからとギルバートと続き部屋になっている部屋で休むよう言われた。何だかんだで物凄く対応がいいから、肩透かしを食らった気分だ。流石にシャワーも浴びないで眠るのは嫌だから、早速部屋にある鏡を亜空間に作った部屋と繋げる。ここなら契約した者か招待でもしないと入れないからゆっくりと湯槽に浸かってこれからどうするのか考えないと…


暫くは人間領で見つかるわけにはいかないから、こちらで生活しつつ様子を見ながらの生活になる。アジトの子供達がいるから、週一では一度寄らせて材料を回収したり子供達に食料を提供しなければいけないから完全には人間領との縁を切ることはできない。ただ、毎回同じルートで行き来するのもしんどいから…移転魔法を習得するか、あ、前みたいに空間をこちらと繋げれば問題ないか!


「あとはぁ、折角だからここでしか採取出来ないアイテムや薬草などを探しにいきたいな…あ、ここで冒険するのも楽しそう!」


こっちの魔物も強そうだし、修行も捗りそうだからね!ソルテとレインも此方の空気の方が生活しやすいだろう。あ、精霊達は大丈夫かな?後で呼んでみて確認しないと…


精霊と言えばマクスウェルとクロノスの夢は暫く観ていない。ただ、あれからずっと心に小さな刺が引っ掛かっているようで、妙に落ち着かない。何か、良くないことが起きそうで心配。アレはただの夢とは思えないから……


「はぁ…そろそろ戻らないとソルテ達も心配している頃だよね」


いつもなら私が居なくなればすっ飛んでくるのに来ないってことは、結界が張られていたのだろう。早く呼んであげないと後々面倒なことになりそうだ。


何時ものように寝巻きに着替えて、ギルバートに与えられた部屋に二人を強制的に呼び出す。


『我が名により盟約によって馳せ参じろ…ソルテ、レイン』


魔方陣が現れてその中から二人が''落ちて''来た…あ、場所間違えちゃった。


「っな!」


「がっ!」


ソルテはさすが無事に着地出来たけれど、レインは見事に頭から床に着地した。


「なんか、ごめん。大丈夫?」


「ルーナ!無事なんだな!?何もされていないか?!どこにも怪我はないな?!」


ソルテは私が視界に入った途端、凄い速さですっ飛んできた。


「るーちゃんっ!変態に何もされていない!?」


「…お前ら、俺を何だと思っているんだ…これでも魔界の王なんだが?」


いつの間にかドアのところにギルバートが寄りかかっていて、呆れた顔で私達を見ていた。


「…いつからそこに居たんですか?」


「お前が鏡から出てきた辺りからだな」


「…左様ですか」


気付かないとは不覚だ…ここではみんな気配消すの上手すぎだろう!絶対に私も習得して今度は私も驚かせてやるんだから!


「…うわぁ、女の子を覗き見とかマジで変態じゃん!るーちゃん、絶対に僕達から離れちゃ駄目だからね!」


「…おい」


「ルーナ、もっと危機感を持て…やはりここに留まるべきではないのだ」


「くっくっく…貴様ら好き勝手言いやがって…お前らだけこの城から追い出すことも出来るのを肝に命じておけ!…ルーナ、お前はさっさと休め。暖かいものを持ってきたから冷めない内に飲むんだ…明日は勝負をするから万全の状態にしろよ!」


「あ、はい。ありがとう、ございます…」


ギルバートはそれだけ言って出ていった。


魔王様は意外と優しいかもしれないと思った。けれど、ソルテ達は相変わらず敵対心剥き出しで、これからちょっとだけ大変そうだなとも思った……






最後まで読んでいただきありがとうございます!ブックマークや評価をしてくれるととても嬉しいです!これからもよろしくお願いします!

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