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大変お待たせしました。体調が優れず中々続きが書けなくて無念です。仕事の方はもう少ししたら落ち着くそうなので、投稿する頻度も来月辺りからまた早くなりそうです!
『申し遅れました、私は魔王陛下直属の部下のドグラスと言います。お見知りおきを…これからそちらに向かいますが、攻撃しないで下さいね!…お願いしますよ!?』
…魔王の部下なのに随分と下に出るんだ……というか私の部下の方が血の気が多いかもしれない。
「ソルテ、レイン、殺気出すのやめて?」
「……ッチ」
「えぇ~?さっきから聞いてるとストーカーでしょう?殺っちゃおうよ~」
二人は文句を言いつつとりあえずは殺気をしまってくれた。
「ドグラスさん、だっけ?攻撃させないから来ていいよ。というか、場所の特定が出来たからこちらから向かってもいいけど…」
ずっと観られていたのは不覚だから早速魔力を広げて探してみた。今いる隠れ家から3キロも離れたところから念話を飛ばしているなんて、コイツも中々出来ると思う。
念話というのは元々特殊能力のようなものだし、本来ならそんなに遠くまでは飛ばせない。私の場合は契約を交わしていることと、魔道具でそれをかなり強化している。今では距離関係なく話せるけど、普通なら出来ない。
『………左様ですか…いえ、此方から伺います。』
まぁ、流石あの魔王様の部下というところかな?…あの人まだやる気のない王様かな?最近は魔王軍の噂を殆ど聞かないからきっと仕事していないと思うけど…人間側としては大いに結構なんだけどね。
「さてと、準備するか。ソルテとレインは何が食べたい?」
「「肉!」」
見事なシンクロだけど、お客様が来るってときに肉料理を出すってどうなの?…魔族だから大丈夫か。
「わかった。何かお酒に合うもの出してみる」
脱走に伴いアイテムボックスにも沢山の食料を備蓄してある。中には調理前の素材と既に調理していて作りたてを閉まったものもある。因みに中の時間を止めることに成功しているから、取り出すと本当に作りたてなのだ!
今回はサラミと軟骨からあげ、チーズ餃子も出すとしよう。ソルテ達用に自家産で作ったビールを出して、私はまだお酒は飲めないからアジトで採取した果物を使った紅茶とミートパイとアプリコットパイとバタークッキーをテーブルに並べた。うん、実にアンバランスだ。
「おお~ご馳走だね!」
「ふむ、アイテムボックスには猪肉もあったと思うが出さないのか?」
ソルテの希望により猪の丸焼きを出す…まぁ、美味しいのはわかっているんだけどね。
「うむ」
見た目がだいぶアレだけど二人が喜んでいるから問題ないか。
そんなことしていたら窓からノックが聞こえた。
「…何でドアから来ないの…」
「お待たせ致しました。改めて、ドグラスと申しま…っ!」
ーヒュッ!
ーシュパッ!
「あぁ~ごめんねぇ?手が滑っちゃった☆」
「……フン」
「…………いえ、手が滑ったのなら仕方ない、です」
ドグラス…怒りでプルプル震えているけど礼儀正しい奴だな。
「その、ごめんなさい…一応食事を用意したからよかったら一緒に食べて?」
「っん!?ルナ様は全く悪くありません!食事まで用意していただくとは感激です!実はいつも気になっていたんですよ!遠くから見守る事が多かったので実物は見たことなかったのですが、噂だけはいつも聞いていたので!……おお、アンバランスながらとても美味しそうですね!」
アンバランスさは流してくれないんだね…ドグラスは茶色い瞳に黒の短髪で、外見だけは中々キリッとしていて格好いいのに…何となく中身が残念な気がしてきた。あと、今は夜だから大丈夫だけどコウモリの羽はしまった方がいいんじゃないのだろうか?よく、今まで気づけなかったな…
「おい、るーちゃんの料理に文句あるなら食べなくていいよ」
「いえいえいえいえ!食べます食べます!食べさせてくださいっ!」
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先ずはみんなでワイワイ楽しく?食事をしてから本題に入ることになった。
「さてと…話に戻るけど、私は魔族領に行こうと思っている。ドグラスは魔王様が歓迎してくれるって言ったけど本当なの?」
「はひ、本当でしゅ…んぐ、美味しいですね…魔王様は大層ルナ様を気に入っておりますから、むしろ何故また会いに来てくれないのかと最近は機嫌が悪いぐらいです。ルナ様がいるから人間領には暫く誰も手を出さないようにお触れを出しているのですが、あの方飽きっぽいし待つの嫌いだからそろそろ自ら此方に乗り込んでくる頃ですかね」
「…魔王様って暇なの?」
「はい!暇をもて余しております!」
うわぁ、元気よく肯定されちゃったよ。
「っふん…だからといってあんな奴の懐にルーナを置いておけるものか!穢れる!」
「そうだそうだ!…まぁ、僕はるーちゃんが一緒なら何処でもいいけど」
なんか、ソルテがだんだんと親バカになってきているのは気のせいじゃないと思う…
「わかった。ドグラス、魔王様の所に連れていってください」
「っんな!」
「畏まりました。仰せのままに……っふ」
ドグラスは私に丁寧に頭を下げた後、とってもいい笑顔でソルテを見た。
その後ソルテを落ち着かせるのにちょっと苦労したのは言うまでもない……
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