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覚醒〜水晶の導き〜1

幕開けを飾るのは、ある少女。

神と人の血が混じり、それから月日が幾重にも過ぎ去っても、世界全体では、たいして変化はない。

ただ、人間よりも力を持った者。神と人の混血児《神人》が、世界を支配したという事以外は…。

神人は、神の力と人よりも長い命を手にした人間達のこと。彼らはその力で、他の多くの人々を支配していった。

神の力は、もはや…神人達の支配の道具と化していたのだった。


                   *


さて、そんな世の中でも、人間は生き続けている。深々とした森の淵、その小さな村の住民達も、生きることに必死だった。

ザッ…ザッ…。

草を掻き分けて、森の中を進む人影。トゲのある草木に気を配り、森の奥へと進んでいるのは、また成人にも満たない少女。

ようやく、十五歳くらい。肩口で切りそろえられた、まるで炎のような赤い髪。スラリとした手足をせわしなく動かして、行く手を阻む草やつるを払いのける。

その可愛らしい顔は、今見るからに不機嫌。それもそのはず…少女は村の為に、森の奥地にあるという洞窟の水晶を取りに、たった一人で、行かなければならないからだ。

しかも、その洞窟は、お決まりの一度入った者は、出ること叶わずと言ういわく付き。少女の身で、森の茨を抜ける度に、肌が痛み、不快感が募る。

「どうして、あたしが…」

少女が愚痴をこぼしたくもなるだろう。森の奥の洞窟へは、まだ遠い。それでも、仕方なさそうに歩き続ける。

「ヤナギ…」

ふと、どこからか声が聞こえる。

「えっ?」

少女は、自分の名を呼ばれ、立ち止まり、辺りを見渡す。

「ヤナギ…」

またしても、彼女を呼ぶ声。男か女すら良く分からない中性的な声だ。

ヤナギは声のする方…前方へゆっくりと歩き出す。

木々の間を抜けたヤナギの前に、現れたのは草むらに立つ不思議な感じのする女性。後ろ姿なので、顔が見えない。

長い黒髪を無造作におろし、純白の服を着た細身の女。

「あなたは誰?どうして、あたしの名前を知っているの?」

問いかけつつ、ヤナギはゆっくり、彼女に歩み寄っていく。

ゆっくりと、書き進めます。先は長いですけど。

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