〜全ての始まり〜
プロローグ
今もあるのか。それとも、遠い昔に滅びてしまったのか。定かではない世界。
その世界は、初め…二つであったと言う。
一つは、定着した大地の元に、様々な種の生き物達と、植物達が、住み着いている世界。
空があり、海があり、大地があり、鳥が飛び、魚が泳ぎ、獣が野山を奔りまわる。
そして、その世界の住人の中で、最も力を持っていたのは、“人間”だった。
人は…獣のように、走り続ける事もできず、鳥のように、大空を舞うこともできず、魚のように、水中を自由に泳ぎ進む事もできない。
けれど、人はその二本の腕から、文明を築き上げ、その小さな頭で、様々なモノを造り続けた。
こうして、一つの世界は、完成したと言う。
*
残された…もう一つの世界は、まったく別の変化を遂げた。
その世界は、空間をただよう不安定な地の元に、人間のような…獣のような生き物が、生まれた。
彼らは、時に不思議な獣の姿をし、時に人間の姿をしていたと言う。
彼らには、人にも、獣にも、鳥や魚達にもない力が、あった。其の力で、彼らは世界を自分達の望む姿に変え、永遠に近い命を手にした。
後世に生まれた者達は、彼らのことを“神”と呼んだ。こうして、神々の治めるもう一つの世界が、完成した。
《静寂の予言書》二章「完成」
*
二つの世界は、ゆっくりと変化していった。様々なモノが造られ、そして…壊されていったと言う。
それから、長い長い時間が経った頃。
ふと、独りの神が、人間の住まう世界へ、降り立った。
それに続いて、多くの神々が、人間の世界へと、降りて行った。
一つの世界を支配したはずの神々が何故…、その世界に飽きたのか。それとも、ただ興味を持っただけだったのかは、定かではない。
突然現れた神々に、初めは戸惑っていた人間達も、すぐに理解し合う。神々は、自らの力
を封じ、人と共に歩む事になったと言う。
二つの世界の者達…其の血が混じり合い、新たなる者達が生まれた。彼らは、神と人の混血児。
こうして、世界は新たなる変化を遂げようとしている。
《静寂の預言書》十章「変革」
一応、プロローグ完。さて、どうなりますやら。




