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お出かけの物語 六角 愛編

 5月4日(日) みどりの日


 俺は今朝、8時に起きた。いくら次の日が休みだからって帰ってきた後もアニメを見ていたのが原因だ。


「うわっ!もう8時だ」


 今日は特に予定はない。しかしせっかくの休みなので、早起きしてどこかに遊びに行こうと考えていたのだが、初っ端から8時という早いのか遅いのか判断が難しい時間に起きてしまった。


「あ~まずったな。今日は近場にするか」


 俺は朝食を食べる。俺の朝食は食パンだ。

 だが日によってバリエーションが違う。


 普通に焼いてバターを塗る時もあれば、ジャムを塗るときだってある。最近のお気に入りとしては食パンにマヨネーズを塗りその上に丸いスライスハムをのせるのだ。


 俺はハム食パンと呼んでいる。もともとこの食べ方は俺が現実で子供の時に、母親がよくやっていた。当時は好き嫌いが多く俺は食べなかったが、先日食パンのバリエーションを増やそうとした時に思い出したのでやってみた。


 食べてみるとかなり美味しくてそれ以来すっかりはまってしまった。


 俺は朝食を食べ終え、どこに行こうかとスマホでいろいろと検索してみる。

 すると1通のメールが届く。俺は恵からのメールだと思い開く。


 しかしそのメールは恵ではなく愛さんから送られてきたメールだった。


 『今日昼の1時に学校の最寄り駅に来て』とだけ書かれていた。

 なにかゲームの設定でも変えるのかな?

 でも少し前に時間割りを変えるときに設定も変えたハズなんだけどな。


 考えても仕方が無い。とりあえず今は9時なので1時まで暇になったということだ。


 俺はテレビを見る。このゲームではネットにアップされた動画を、全てゲーム機に登録しておりその登録された物の中からランダムで選ばれる。

 なので基本、アニメかドラマが流れることが多い。

 ただ現実のニュースが全く見れないのは問題なので、小型アンテナをゲーム機に取り付けておりリアルタイムのニュースを受信している。

 そのおかげか、バラエティー番組なども少しだけではあるが見ることが出来る。


 ただアニメかドラマはパソコンでも見ることが出来るので、基本的にテレビを見るということは少ない。


 それでもテレビは人気である。やはりゲームの中のテレビを薄型テレビにしてあるので、パソコンで見るより迫力がある。


 ということもあり俺達プレイヤーの中では、テレビ派とパソコン派で見事に分かれた。


 俺はパソコン派である。なぜならパソコンで見るアニメは基本最新のアニメは入れておらず半年(2クール)ごとに更新されるため全話一気に見ることが出来るのである。

 さらに全てのアニメでCMカット編集が行われているのである。

 テレビでは普通にCMがある。


 この2つの理由から俺はパソコン派である。本当に俺がテレビを見るのはニュースくらいである。

 最近、現実では飛行機事故があったらしい。ゲーム内では設定を危険度0に設定しておけば事故も事件も起きないので安心だ。


 俺はボーッとテレビを見て時間を潰す。


 そして午後12時50分に待ち合わせの駅につく。十分前行動って大事だよな。


 ちょうど1時になった時に愛さんはやって来た。


「逢坂君。呼び出してごめんね」


「いえ。そういえば今日はどんな用事なんですか?」


「何?用事がなかったら誘っちゃ駄目なの?」


「そ、そんなことはないです」


「なら良し。まあ用事はちゃんとあるんだけどね」


 結局あるんかい。


「その用事とは?」


「画材の買い出しなんだ。部活で使う奴」


「そういえば愛さんはアニメーション部でしたね」


「あれやばいね。もうブラック企業も真っ青な仕事量だよ」


「そんなに多いんですか?」


「アニメーション部の人数が少なくて当然1人あたりの仕事量は増えるよね」


 ただでさえ、高校でアニメーション制作やったときに仕事が多くてしんどかったのに人数少ないとかどんだけハードなんだよ。


「ちなみに何人くらいで創ってるんですか?」


「8人」


「えっ?10人いないんですか?」


「そうなのよ。だから誰かアニメーション部に入ってくれないかなって」


 愛さんは何かを期待するような眼差しで見てくる。


「俺は野球部あるんで入部は無理ですからね」


 あからさまに落ち込む愛さん。なんか俺が悪いことやった気分だ。


「ただ…たまになら手伝っても良いですよ」


 愛さんの顔が喜色にそまる。


「ありがとう逢坂君。さすがだよ~」


「それはどうも。で今日はどこの店に行くとか決めてるんですか?」


「うん。天王寺で買おうかなって」


 また天王寺か……


「分かりました。さっそく行きましょう」


 俺達は電車に乗り天王寺まで行く。そしてアニメ専門店で画材を買い揃える。


「この後どうしましょうか?」


「う~ん。そうだね……このあたり適当にぶらつこうか」


「分かりました」


 俺達は適当にぶらつく。するととある店でこんな看板を見つける。

 『カップルと手に入れろ。カップル対抗クイズ対決』


「愛さん、これって賞金とか出るんですかね?」


「面白そうなもの見つけたね」


 愛さんの目が輝いてる。

 これ話聞いてねー。もういいや。自分で探そう。


 『優勝賞金はなんと10万円!!』


 何?10万だと!?これはもう出るしかないんじゃね。


「愛さん」


「逢坂君」


「「これに出ませんか?(出ないか?)」」


 俺と愛さんは同時に提案する。


 こうして俺と愛さんという非常に珍しいコンビが誕生した。


『さあ始まりました。カップル対抗クイズ大会!優勝賞金はなんと10万円!!』


 司会の人が高らかに宣言する。


『参加人数582名。実に291組のカップルが参加してくれました』


 582人て…多!?まあ賞金10万だもんな。しかもテレビまで来てるし……


『さあここで見事に予選を勝ち残った32組を紹介したいと思います。ちなみに予選は事前に5教科テストを行い彼氏と彼女の合計点数が多い順に選ばせていただきました』


 なるほどあのペーパーテストは予選だったのか。簡単すぎて分からなかったぜ。


『まずは1組目。なんと合計点1000点!!満点で予選を突破しました。逢坂零君と六角愛さんペアでーす』


 まあ当然だな。だってあの問題簡単すぎるんだもん。たぶん偏差値50くらいの高校の入試レベルだと思う。

 だいたい俺がゲーム会社に入るのに有利な大学に合格するためにどんだけ勉強したと思ってんだ!?

 あまり俺をなめるんじゃねえ。


『2組目は惜しくも満点まで一歩及ばず合計993点!!異世界いせかい旅人たびと君と大神おおがみ天照あまてらすさんでーす』


 いやいや異世界旅人って本名なのか?でもどこかで見た名前なんだよな。それに彼女も天照ってとんでもない名前付けられてんじゃねーか。なんかメッチャキラキラネームでかわいそうだな。天照様がお怒りになったぞとか言われていじめられてるイメージしか湧いてこねえ。


『3組目は―――』


 これはあれだな。俺の予想でしかねえけど決勝は異世界君と大神さんとあたりそうだな。


 ◇


『以上で32組の紹介を終わります。それでは1回戦は漢字書き取りです。10秒間の間に彼氏と彼女がお題の読み方の漢字を書いてください。かぶったらカウントしません。彼女と力を合わせて頑張って下さい』


 なるほどただ漢字を書くだけではダメということか。おもしろい。


『それではお題の発表です。お題は〈かい〉と一文字で読める漢字です』


 〈かい〉か……かなりあるが愛さんがどれくらい書くかだな。


『それではスタート!!』


 俺は片っ端から書いていく。かぶっても知るか。ようは数が多ければいいんだろ。なら俺一人で勝つつもりでやれば良い!


『それまでー!!それでは回答見ていきましょう。まずは予選1位突破の逢坂君六角さんペアです』


『会』『界』『回』『怪』『解』『快』『階』『快』『海』『開』『改』『介』『斐』


『おおーとかぶりが多かったにもかかわらず13個だ!』


13個か……1位を狙うには足りないだろうがこれは上位16位まで2回戦にいけるらしいからな。たぶん大丈夫だろ。


『続いて予選2位異世界君大神さんペアです』


『斐』『界』『海』『快』『回』『会』『解』『階』『介』『改』『貝』『怪』『隗』『戒』『懐』『櫂』『廻』『壊』『楷』『潰』


『これはすごいー!!なんとかぶりが1つもなく20個。暫定1位!!』


 20とかえぐい。なんでかぶりがねえんだよ。


 その後の人達はほとんどが1桁で3、4人しか2桁書けた奴がいなかった。

 俺達は2位で2回戦進出を決めた。


『さあ2回戦では数学です。30問の計算問題を彼氏と彼女が交互に解きいち早く全て解けた人から抜けていき上位8人が3回戦進出という形にさせていただきます』


 これなら大丈夫だな。


『それではスタート!!』


 俺達はものすごいスピードで解答欄を埋めていく。やっぱり愛さんはさすがだ。


「逢坂君、次ラスト!」


「はい!まかせてください」


 4×9=36


「「できました」」


 俺と異世界君が同時に宣言する。


『おおっと!!同時!!逢坂君六角さんペアと異世界君大神さんペアが同時に終了!!この2組が圧倒的に強い!!』


 俺達は上位8組がでるまでしばし待つ。


「愛さんたしか上位4人に入れば賞金確定なんでしたっけ?」


「ええ。優勝10万2位5万3・4位が2万よ」


「とりあえず最低限賞金はもって帰りましょう」


「当然よ」


『終了ー!ここで8組が出そろいました。さあ賞金までついに王手をかけた!あと1勝で最低でも2万だ!!』


 俺達はついに賞金に王手をかけた。


『さあ3回戦は歴史の年表当てだ。彼氏さんが千と十の位を、彼女さんが百と一の位を答えてください。正解したカップルから抜けていただきます』


 なるほど彼氏と彼女、両方が知ってないと解けないようになっているのか。あと答えるのは1問だけで良いのか。


『みなさん!準備はいいですか?それでは第1問!源頼朝が鎌倉幕府を開いたのは何年ですか?』


 これは1192いいくに作ろう鎌倉幕府だから俺は1と9だな。


『さあ答えを見てみましょう。逢坂チームと異世界チームは1192と答えがかぶりましたが他はバラバラですね』


 おい!司会!ここにきて略すな。


『正解は1192年!!逢坂チームと異世界チームが抜けました。残りは2枠です』


 さっきから思ってたんだけど異世界君のペアが略されて異世界から来たみたいになってんだけど。

 そして他のチームは何がしたいんだ。簡単だろ?こんな問題。


 そして5問目でようやく賞金が確定した4組が出揃った。時間がかかりすぎだろ。


『準決勝は理科です。この地球にある大規模プレート名全て答えて下さい。早かった2組が決勝進出です』


 なんかマニアックな問題出てきたな。


 え~と、ユーラシアプレート、北アメリカプレート、南アメリカプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレート、オーストラリアプレート、アフリカプレート……


 駄目だ。残りが出てこない。


「ココスプレート、ナスカプレート、カリブプレート、南極プレート、アラビアプレート、スコシアプレート、ファンデフカプレートです」


「愛さん。ありがとうございます」


 俺は急いで答えを書き上げていく。


「解けました」


 異世界君のぺアが抜けたようだ。残り1枠。


「解けました」


 俺が終了宣言をする。


『両者正解。決勝進出は逢坂チームと異世界チームに決定しました!』


 よおし!5万円ゲットだぜ。つーか予想通りになったな。


『それでは決勝戦!!最後は雑学早押しクイズです。正解するたびに抜け先にペアが抜けたほうの勝ちです』


 要するに俺が抜けても愛さんが抜けない限り優勝は出来ないってことか。


『第1問目東京消防庁の通話コード252は何を意味する?』


「要救助者」


 異世界君が答える。速い!


『正解!!まずは異世界チームが一歩リード。続いて第2問目円周率3、14159265。次の数字は?』


「3」


『正解!!追いついた!逢坂チーム!さあ次がラスト問題!』


 さすが愛さんだ。後は俺が大神さんより先に抜ければ10万円はいただきだ。


『それでは最終問題です。西暦から平成への楽な計算方法を答えろ』


「西暦の下2桁に12を足す」


 瞬時に俺は答えた。これは以前にネットで見たことのある問題だ。


『正解ー!!優勝は逢坂チームに決まりました!!』


「よっしゃー!」


零君・・やりましたね!」


「はい!愛さん俺やりました!」


 俺達は10万円を受け取り喜びを噛みしめ帰路に着く。


「今日はありがとう。逢坂君」


「いえいえこちらこそありがとうございます」


 俺達は駅で別れ俺は寮に帰ってきた。


 財力が50000上がった。学力が10上がった。大儲けだぜ。

次回予告

 一色 恵編を投稿します。以上。


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