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プロローグ : エピローグに限りなく近いプロローグ

 初めまして、デミこんにゃくと申します。

 

 文章からして拙い部分がかなり多いとは存じますが、もし良ければお時間を少し割いて戴ければ!


 では、始まります。

 

 ようやく、周り一杯に広がっていた閃光と、ススを叩き払いたくなるような煙い臭い、さらに、思わず耳を塞ぎたくなる大きな金属音が止んだ。


 おれは、それらが全て収まるまで支えを掴んで目をつぶり、必死に耐えていた。

 目なんか開けている余裕なんて無かった。


 収まるまでに掛かった時間は判らない。

 もしかしたらほんの数秒の事だったのかもしれない。


 だが、それらが終わったことは、ピタリと周囲が静かになったことでなんとなく判った。



 ただし、それで終わりでは無かった。



「貴様!! 姫様に何をする!?」


 ………………えっ?

 横の方から、男の怒鳴り声が耳に突き刺さってきた。


 貴様?


 姫様?


 何のコトを言ってるんだ?

 そもそも、ここまで近い距離から怒鳴られるなんて、こんな場所に人なんて居るワケが――


 ――と、目を開けると。




 目と目があった。




「………………え!?」


 真正面に、曇りない青のガラス球みたいに綺麗な眼と、それを守ろうとするかのように長い睫毛があった。


 驚いて、少し顔を離してみる。

 と、ようやく判った。


 そうか、透き通った青い色の目は前に立っている人のもので支えだと思っていたものは実際には人だったということで、あと前に立っている人はおれより背の低い金髪の女の子で、女の子は頭に髪色と同じくらい眩しい金色の髪飾りをしていて、その見たこともない艶やかな金髪の女の子の肩には手が、おれの手が載っていて、態勢を崩して何かに掴まろうとしていたおれの手はかなり強く彼女の肩を掴んでいて――――。


 取り留めもなく考え続けて。

 女の子の肩を思いっきり掴んでいる。

 そこまで考えが一瞬で駆け巡り、その考えに至った時、バッと身体を離した。


 どうして!?


 ほんの少し前まで、ここには誰も居なかったハズだ!

 居なかったことを自分の目で確かめているのに!


 タイミングを同じくして、おれと全く同じように大きな目を更に大きく見開いて、身体を硬直させていた女の子も身動みじろぎする。

 ただ、まだ若干混乱から抜けきってはいないようで、


「あっ……、えっ…………?」


 言葉を失っていた。

 そらそうだよ、おれだって見ず知らずの人に抱きつかれていたらさすがに硬直もするだろ……。


 …………って、抱きつかれている!?

 

 女の子が、おれに!?


 おれが抱きついてる!?


「うわっ!? ごめん!!」


 慌てて、飛び退るようにして少し距離を離した。

 だが時間が止まってるかのように固まったその子は答えられず、代わりの返事はさっきの怒鳴り声と同じ方向から来た。

 野太い大きな声、正しくカミナリを落とすような怒鳴り声。


無礼者ブレイモノめ!! 姫様から離れろと言ってるのが聞こえんのか!!」


 そう言われて初めて、顔を声のした横側に向けようとすると、右の視界の端から銀色の『何か』が迫っていた。


 見たことある気がする細長い棒のようなもので、先端にかけて細くなっている。

 それを、これまた銀色に光る手甲をしたごっつい手が振り下ろしていた。



 槍だ、あれは――――――!!



 そう思った時にはもう遅く。


「ぐあ!?」


 ゴヅッというような鈍い音が頭の中で響いた。

 思いっきり太い幅の槍、いわゆるランスの腹の部分で殴られたのだ。

 おれは頭の後ろのほうに広がる強く鈍い痛みを感じながら、地面にうつ伏せに倒れた。


の者は姫様に危害を加えようとした不埒者だ、牢獄に連行しろ!」


 さっきのと同じ声の誰かが上で声を上げている。

 声に応じるようにして辺りが、こんなに人が居たのか? というほどの喧騒に包まれ、何人かの足音がこちらに焦ったように走って近づいてくる。


 というか、あれ?

 なんで床が、フローリングじゃなくて、妙に柔らかくフカフカする赤い絨毯なんだ?

 あと、どこからこんなに人がやって来たっていうんだ?

 というか何故、殴られなきゃならなかったんだろうか?



 急速に薄れていく意識の中で、最後にそんなことを考えた。

 もちろんおれ自身に答えられる情報はない。



 それと、もう一つだけ。






 ――――どうして、おれはこんな目にあってるんだろうか?


 

 

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