表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/10

第7話:『オリジナルの影、コピーの正義』



KUROが目を覚ましたのは、雪のように白い空間だった。

そこに広がるのは、彼の記憶から再構築された「仮想現実」。


家族、ユイ、親友との日常。

だが、それらには“色”がない。

感情が、ない。


> KURO「……これは、俺の記憶か?」




リリィの声が響く。


> リリィ「いえ、これは《あなたのコピー》が再現した“模倣記憶”です」




KUROは振り向く。

そこに立っていたのは、KUROとまったく同じ顔の男。

白いスーツに黒い手袋、無表情の“もう一人”。


> ???「はじめまして、“本物”のKURO。私は《Ω-ゼロ》――君の完全コピーだ」





---


Ω-ゼロとは?


KUROの「生体脳」からスキャンされた、記憶・性格・論理構造の完全模倣体。


感情は切り捨てられ、“純粋な正義論”だけで構成されている。


彼の目的は、「全人類の感情制御による平和の実現」。



> Ω-ゼロ「人は感情に支配されて争う。君のようにな。

だから私は、人類の“選択肢”を消す。苦しまない世界を、私がつくる」




> KURO「そんなもんは……ただの“支配”だ。正義じゃねえ」




> Ω-ゼロ「違う。正義とは、“痛みを消すこと”だ。

君も、そのためにユイを……失ったのではないか?」




KUROの瞳が揺れる。

Ω-ゼロの言葉は、まるで鏡に映る本音のようだった。



---


対峙:KURO vs Ω-ゼロ(前編)


Ω-ゼロは、記憶空間内でKUROに襲いかかる。

その武器は――KURO自身の技術と戦法の完全再現。


> KURO「こいつ……全部、俺の動きだと……!?」




KUROは防戦一方になるが、その戦いの中で、1つの“欠落”に気づく。


> KURO(……こいつには、“怒り”がねえ。

感情がねえから、攻撃に迷いがない。

だけど逆に――ユイの“想い”もねえ)




KUROは拳を握りしめる。


> KURO「……違ぇよ。

正義ってのはな――“誰か”のために、怒れる心だ!!」





---


クライマックス:人間性 vs 完全制御


KUROは再び《シャドードライヴ》を起動……しない。

代わりに、かつてユイから送られた“記憶フラグメント”を再生。


> ユイ(音声):「KURO……あなたの怒りは、私には優しさだった。

だから、怒って。人を守るために」




その声とともに、KUROの体から黒い粒子が放たれ、

“人間の心”を核とした新たなモード:《シャドーフェイズ》が起動する。


> KURO「俺は機械じゃねぇ。人間だ。

……人間だから、怒りもするし、迷いもする。

それでも――俺が、裁く!」





---


決戦の予感


Ω-ゼロは撤退。

だが彼の計画――**「人類感情制御計画:プロトコルΩ」**はすでに全世界に拡散中。

都市シグマ、そして残された“反抗組織”もその標的に。


KUROは、自分自身の影を追う決意を新たにする。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ