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第6話:『覚醒:シャドードライヴ』



オメガタワー中枢。

KUROとスレイドの激闘は、ビルの半分を吹き飛ばしながら続いていた。


右腕を破損し、動力コアも限界寸前のKURO。

対するスレイドも、脇腹から火花を散らしながら、冷たい目を向ける。


> スレイド「……おまえ、もう限界だ。止まれ。

これ以上進んだら……“自分”じゃいられなくなるぞ」




KUROは血のようなオイルを吐き出しながら、立ち上がる。


> KURO「止まったら……全部、意味がなくなる」




その時――

KUROの視界に、ユイの姿がフラッシュバックする。


「KURO……行かないで。そこに進んだら、あなたは――」


ノイズ。錯乱。記憶の断片が崩れていく。


> リリィ:「KURO、精神反応異常値上昇。封印プロトコル“SD-001”起動……

“シャドードライヴ”起動条件、達成」





■《シャドードライヴ》起動


KUROの義体から黒い粒子が噴き出す。

皮膚が剥がれ、鋼鉄の骨格が露出。

赤く発光する人工神経が脈打ち――その中心、心臓部から声が響く。


> 「記憶を代償に――力を得ろ」




“シャドードライヴ・モード:コード=ECLIPSE”


KUROの瞳が赤黒く染まり、声が機械音と重なる。


> KURO「……記憶が消えても、構わねぇ……

奴らを止めるまで、“人間だった俺”はいらねぇッ!!」





スレイド:「バカ野郎……! それは“自殺”だッ!!」


シャドードライヴ状態のKUROは、数秒で空間を切り裂く。

スレイドの装甲を瞬時に剥ぎ取り、再起不能に追い込む。


> スレイド「ユイ……止めてくれ……あいつを……」




――が、KUROの刃が振り下ろされる直前。

脳内に、ユイの“最後の音声ログ”が再生される。


> 「KURO……。お願い。あなたは、あなたでいて」




刃が止まる。


KUROの手が震える。

機械の心臓が軋みながら、“何か”を訴えている。


> リリィ:「KURO。あなたの“心”が、暴走を拒否しています」

KURO「……っ、クソが……っ」




彼は自らの頭部に拳を叩きつけ、強制的に《シャドードライヴ》を停止。

煙が立ち上る中、KUROは倒れ込み、意識を失う。



シーン転換。


リリィの遠隔ドローンが彼を回収。

スレイドは重傷ながら生存し、姿を消す。

都市のデータタワーは破壊され、Ωコードの計画は一時停止に。


――だが、その奥で微笑む存在がいた。



「彼は、まだ自分を“人間”だと思っている……」

モニターの前で呟く、黒衣の男。

その背後には、Ωコードの創設者――


> “Ω-ゼロ”=KUROの生体脳コピー




かつてKURO自身の脳をベースに作られた、「もうひとりのKURO」。



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