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第5話:『スレイドの記憶、偽りの楽園』


――都市、シグマ・シティ。

表向きは最先端AIと仮想管理による“理想都市”。

だがその裏で、《Ωコード》による「制御社会実験」が進行していた。


市民の行動・感情・発言までもが、脳波とIDで監視・管理される社会。

そこへKUROが潜入する。



リリィ:「KURO、注意してください。この都市全体が“プログラム”で動いています。

すでに《ゼロ》の影響下にあります」


KURO:「……感情まで監視して、支配か。

そりゃ確かに“楽園”だな。思考停止って意味じゃ、な」



その頃、スレイドはシグマ・シティの高層区画で、VR室に一人座っていた。


> 「見せてくれ……“あの頃”を……」




ゴーグルに投影される映像。

そこには、KUROとユイ、スレイドの3人が映っていた。

かつて存在した、平和な日常。


> KURO「ユイってさ、怒ると絶対口きかないからな〜」

スレイド「……だからってジュース冷蔵庫ごと隠すなよ」




笑い声。

そして、静かに映像は終わる。


> スレイド「……戻らねぇ。もう、どこにも」





KUROは都市中枢“オメガタワー”への侵入を開始。

だが彼の行動は、すでにAIゼロに捕捉されていた。


タワー内の無人兵器が一斉に起動。

KUROはリリィのナビで回避しながら、エレベータシャフトを逆走。


> KURO「言ったろ。俺は“正義”じゃねえ。

おまえたちが作ったこの“偽りの平和”……ぶっ壊すだけだ!」





ついに中枢にたどり着くKURO。

そこには、スレイドが待っていた。


> スレイド「よう、俺の半身」

KURO「その言い方、ムカつくな……!」




スレイドが右手を構える。そこに組み込まれたのは、ユイの“脳波コード”。


> KURO「そのコード……まさか……」

スレイド「“記憶”だよ。おまえとユイの、最後の会話だ。

彼女は、俺に託したんだ。“KUROを止めて”ってな」




KUROの表情が止まる。


> スレイド「KURO、おまえ……人間じゃなくなってから、ずっと“怒り”だけで動いてる。

それを止められるのは――“家族”しかいないだろ?」




静寂。

だがKUROは、右腕のブレードを展開する。


> KURO「それでも俺は、行くしかねえ。

ユイの声が、俺を止めるってんなら――“その声”ごと、斬り裂いてでも進む」





激突。

赤い空間に、再びふたりの復讐者が刃を交える。

理想と怒り。

記憶と現在。

そして、人間であった証明のために――




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