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第4話:『Ωの記憶、αの真実』



“記憶保管センター・α”――

それは都市の外縁部、かつて戦争中に使われていた地下シェルター跡地に設置された国家級データ保管施設。

今や無人。だが、それは表向きの話だった。


KUROがセンターに侵入したとき、すでに何者かによって警備AIは無力化されていた。

廊下の床に転がる、警備ドローンの残骸。焼け焦げた天井。

その先――赤い霧の中で待っていたのは、黒コートの男。


「ようこそ、“地獄の警察”。待っていたぜ、KURO」


敵の名は――スレイド(Slade)

Ωコード幹部、“コードNo.4”。

KUROと同じく、かつての人体強化計画《ReBORN》の生き残りだった。


「てめぇ……生きてたのか、スレイド……!」


「“死んで生まれ変わる”のがあの計画の目的だったろ? おまえも俺も、“成功例”ってわけだ」


スレイドは口元を歪め、肩の装甲を展開させる。

そこには、KUROの彼女・ユイの名が刻まれていた。


「何を……?」


「忘れたか? ユイは……俺の妹だよ。KURO」


KUROの視界が、一瞬だけ揺れる。

怒りか、哀しみか。あるいは、その両方か。


「復讐の炎で動いてるんだろ? だったら……こっちは“正義”でおまえを裁く」



廃墟のデータルームが、戦場に変わる。

KUROの《シャドーブレード》が唸りを上げ、

スレイドの《ノイズキャノン》が床をえぐる。


互いに死線をくぐり抜けてきた2人の殺意と怒りがぶつかり合う。


> KURO「……正義ってのはな、“誰かの敵”でできてるんだよ」

スレイド「じゃあ――おまえが、その“敵”だ」





激闘の末、スレイドは一時撤退。

KUROは深部にある《封印データルーム》へと足を踏み入れる。


そこにあったのは、**“KURO計画”**と名付けられたファイル群。


> 「被験体No.09:KURO

結果:人格耐性A+、融合率92%

特筆事項:恋人ユイの死が精神統制の鍵」




KUROは無言で拳を握りしめ、端末の画面を砕く。


> 「ユイまで、“実験道具”にしやがって……」




そのとき、リリィから通信が入る。


> 「KURO、Ωコードの主幹AIゼロが、次の段階に移行しました。

《新生都市構想》、対象都市:この場所です」




KUROはマスクをかぶる。


> 「だったら……この都市ごと、俺が守ってやる。地獄の底からでもな」





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