『シャドーポリス、覚醒』
> 俺の名はKURO。
元はただの学生だった。笑って、怒って、恋して、未来を信じていた。
――それが、あの日、全て焼き尽くされた。
目を覚ました時、俺はもう“人間”じゃなかった。
四肢を失い、喉を潰され、右目は空っぽ。
だが、胸の奥にだけは、まだ“何か”が燃えていた。
「復讐など、無意味だ」
白衣の男が、どこか冷たく言った。
俺は笑った。
「――なら、その意味すら焼き払ってやる」
これは、機械仕掛けの怪物が、“人間の怒り”で動く物語。
地獄より這い上がった正義なき正義。
俺はシャドーポリス。
闇を斬るのは、光じゃない。もっと深い、絶望だ。
> 「おまえ達に法は必要ねぇ――そのかわり、俺が裁く!」
機械の眼が赤く閃き、KUROの体内で駆動音が唸りを上げる。
黒いコートが風を裂き、背中に刻まれた“地獄の警章”が月光に浮かぶ。
「――地獄の番犬、シャドーポリス、出動だ」
> 建設途中の廃ビル。闇の取引、そして悲鳴。
KUROのブーツが、乾いた床を踏み鳴らす。
男たちが振り返る――だが、彼の正体を知る者はいない。
「誰だ、てめぇ……!」
KUROは静かに顔を上げる。
赤い機械の右眼が、冷酷に輝く。
「“誰か”はもう死んだ。俺の名は――KURO」
風が吹き荒れるなか、KUROがコートを翻し、銃のような右腕を向ける。
「おまえ達に法は必要ねぇ!――かわりに、俺が裁く!」
次の瞬間、フロアに閃光が走り、爆音が夜の静寂を裂いた。