星降る夜の秘密
人々の人生には、数え切れないほどの偶然が存在しています。それらの偶然が織り成す瞬間の中で、ふとした出会いや会話が心に響き、私たちを新たな道へ導くことがあります。この小説は、そんな偶然と人々の心の交差点で生まれる物語です。
大地と花という二人の人物の物語が始まる夜、世界は静かに変わりつつありました。変貌していく世界で、人々は日常の中に小さな幸せを見つけながら、目的に向かって進んでいきます。彼らの偶然の出会いと短い会話は、変わりゆく時代の中での一瞬の輝きを捉えています。
日常の中で感じる些細な悩みや心の重荷が、ふとしたきっかけで軽くなることもあるでしょう。変貌した世界でもそこは変わらないはずです。彼らの物語を通じて、そんな瞬間が持つ力を感じていただけたら幸いです。
月明かりが薄く差し込む静かな駅のホーム。20代の若い男、大地は一日の疲れせいか乗り換えの電車を逃してしまった。誰もいないホームにしゃがみ込んでいるせいで肩から提げた古びたリュックが、地面ついていた。そのリュックは彼の心の重荷を表しているようだった。彼はスマホに表示された置き配完了の通知をじっと眺めていた。
そのとき、背後からゴトンと音が聞こえた。
「次の電車が来るまで時間あるよ、お兄さんもアイスいる?」
音に驚いて振り向いてしまったが、どうしよう。「アイスいる?」彼女は大地の頭上から顔をのぞかせたため、バニラの香りと汗の臭いがした。部活のジャージを着たショートカットの少女がアイスを持って立っていた。「あ、ええ。クッキー&チップスで。」花はにやりと笑った。
二人はホームのベンチに座り、アイスを食べていた。花はアイスを半分ほど食べて、
「私は疲れて寝ちゃって、電車逃しちゃったけど。お兄さん、何か会社でやらかしたの?」と手持ち無沙汰な右手で汚れたお守りをいじっていた。鞄に着けられたお守りは大きく揺れている。
大地はスマホ画面から目を離して、
「いゃ、まぁちょっとね。家に帰ると大量の入浴剤が待っているんですよ。間違えて注文しちゃって。」と柔和な笑みを浮かべて言った。
花は一瞬きょとんとしたが、アイスを食べきり、ゴミ箱にシュートした。ちょっとした溜息をつきながら、
「そんなことであんなに落ち込んでたの?隣の部屋の人にでも配ればいいじゃない。」
ゴミはきれいな放物線を描きゴミ箱に吸い込まれていった。花は自慢げな顔を向けて、ハイタッチしよとしたが大地は俯いて、
「自分から話しかけるのは気が引けるな」と言った。
花は
「じゃあ、メルカリに出すとか、誰かにあげるってメモを書いておくのは?」など、いろいろなアイデアを出し続けた。
彼女にとっては時間つぶしの会話だったかもしれないが、大地にとっては違った。昔のような何気ない会話が楽しかった。
『まもなく1番線に電車が参ります』 いつの間にかホームから静けさは消えていた。大地は
「ありがとう。とりあえず、中学の知り合いに連絡してみるよ。」と言いながら立ち上がり、先に電車に乗り込んだ。
すると花はいたずらっ子のように笑顔を見せて、
「わたしももらってあげる!」と言いながら乗り込んできた。「なんかテレビで、ゆずの香りが肌にいいていってたな」
大地は一瞬驚いたが、真剣な顔で電車の路線図を見ながら
「ゆずの香りあったかなぁ?」とうんうむ悩んでいる。
花は笑顔のまま、
「金木犀の香りでもいいよ。ねぇ、向こうの席が空いてるから座ろう」
その夜、彼らはホームでの会話と偶然の再会を通じて、新たな友人としての関係を築き始めた。花のいたずらな笑顔が、大地の心に新たな光をもたらしたのだった。花は
「ね、わたし実はお兄さんのこと知ってたんだよ」と言いながら汚れたお守りを見せた。「お兄さんのおかげで高校に受かりました。高校でバスケ部に入ったんだけど、毎日必死でボール拾いばっかやってるの」と花の自分のことを知ってほしいマシンガントークが始まった。目的地に向かうまでの電車で二人の会話は続いた。
隕石到着まであと10分
最後までお読みいただき、ありがとうございます。この短編小説「星降る夜の秘密」では、大地と花という二人の登場人物を通じて、三つの秘密の暴露を描きました。日常の中で感じる些細な悩みや心の重荷が、ふとしたきっかけで軽くなる瞬間の力を感じていただけたら幸いです。
物語の最後に明らかにされた3つの秘密が、皆さんの共感や興味を引き立てられたら幸いです。世界が変貌していく中でも、人々が見つける小さな幸せや希望の光が、私たちの未来を照らしてくれると信じています。
この短編小説は、同じ世界線での出来事を描くシリーズの一部として構想しています。次回作では、新たな登場人物たちが変貌した世界で織り成す物語と共に、再び大地と花を再登場させる予定です。初めての投稿ですが、私の物語を楽しんでいただけると幸いです。
今後の作品もお楽しみにお待ちください。




