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5滴目 服と武器

「対悪血(バッドブラッド)の戦闘服を作ろうぜ」



この氷野 南斗という人は一体突然何を言い出すのだ。思わず修炎はそう思ってしまう。


BKOに加入した二人はその次の日、やはり暇なので南斗の家で(くつろ)ぐことになった。実際やることがないといってもゲームくらいはある。

ゲームもやりすぎると飽きる、そんなことを経験したことあるのではないか?今の南斗と修炎はそんな状況、暇潰しのゲームすら飽きているのだ。


いや暇だ暇だといってなんでそんなことを思いつくかがわからない。頭の良さとか関係なくてそこまで至るのは結構難しいことではないのか?


「普段着とかスポーツ用のやつはポッケ少ないから血剤(エリス)をどうするか」ジャラジャラ



南斗は血剤エリスがたくさん入った瓶を振り回す。血剤エリスはBKOの人にとっては大事なもの、いつ何時なんどきだって手放すわけにはいかないのだ。



「僕らサッカー人間だったもんな。ポケット多い服全然ない」

「……やっぱ作るしかないやん。でも色とか寸法とか素材とかめんどいな。ちょっと学年1位さん、なんか思いついて~」

「氷野くん……人任せが多いってさすがに。学校のときもそうだっ…た……」ハッ




「学校の制服かーいいね!さすが天才秀才、神の頭をもつ者!」

「う、うるせぇ///」←褒められてまんざらでもない



素晴私高(すばらしこう)の制服は紺色のブレザー、ネクタイ、灰色のスラックス。ブレザーとスラックスには合計で9個ポケットがある。制服のアイデアを思いついたのはさっきの会話の流れで"学校"という単語が出てきたプラス、琴葉と真理が制服姿だったからだ。



「じゃあ戦闘服が決まったから……」



嫌な予感しかない。氷野くんだったら必ずこう言う。「対悪血の戦闘武器を作ろう!」と。



「対悪血の戦闘武器を作ろう!!!!」



やっぱな。服と武器は切っても切れないもんな、氷野くんの脳内は。


ピロリン♪



南斗のスマホが鳴った。誰だろうと思い確認する。



「有毒 真理

ねぇねぇこーりの、これからさ少し話したいことがあるんだけどいいかな?武器とかそういうのに関してなんだけど。時間あったらこーりのの住所送って~☆

………………だってさ」

「武器のはなしはちょっとちょうど良すぎるな」



二人は迷わず承諾した。




10分後。



「お、お邪魔します…」

「おっ邪魔しま~す☆」



琴葉は礼儀正しく脱いだ靴もきれいに揃えるが、真理は雑に脱ぎ捨て、部屋のソファに寝っ転がった。



「それで真面目に話しよう。何か情報があるのか?」

「頼めば本部で作れるのですよ?」



話を聞くと、琴葉も真理も護身用のナイフくらいは作ってもらっているらしい。南斗と修炎は武器を作ってないし、その情報は二人にとって結構ありがたいことだった。



「…でも基本血で戦うのに武器なんて作るのか?」

「BKOは血は能力(サブウェポン)として扱ってるからね~」



BKOの方針ではあくまで血術は能力サブウェポン



「なるほどそうと分かれば俺は早速…………ぉぉぉ…」



南斗は何かを察した。感じた。外に"ナニか"がいることを。

人間であり、人間でない何かが家前にいるのが



「……修炎、俺のブレザーを取ってくれ」

「お、氷野くんの勘は久しぶりだ」



南斗の直感はよく当たる。それを元々キーパーのときだけに使ってた南斗は少しもったいない気もするが、嫌な予感を悪血に感じたのは初めてだ。まあまだ入ってから一週間ちょっとだからというのもあるけど。

南斗は銃を構える。事前に作戦を考えて、玄関のドアを開ける。



ガチャ

「おらぁぁぁ!!いきなりだがぶっ殺す!!氷のガキ…あれ?」



家に突如来た悪血バッドブラッドは手に小刀を持ちながら言ったが、視界には南斗はいない。



「どこに隠れたクソガキがぁぁ!」



一生懸命に悪血バッドブラッドは南斗のことを探す。だが、どこを見ても見えない。

でも、何故か見られている感じがして気味が悪い。



 バンッ グサッ



玄関を開けた瞬間、南斗は素早くスライディングをし、悪血バッドブラッドの股を潜り抜け後ろに立った。日本の玄関は家内からみて押戸だからそのままスライディングができることを利用した。南斗は悪血バッドブラッドの心臓を目掛けてに1発撃った。



バンッ



うめき声をあげさせる前にヘッドショット。



悪血は葉っぱになり、風に乗ってどこかに飛んでった。



「水矢さんの言う通り、才能を感じますねぇ」

「やるじゃん!頭の回転、反射神経が速いね」



南斗は平然を装っている、頑張って。

心の中ではビクビク震えていた。さっき殺した悪血バッドブラッドに関してだ。あいつは玄関を開けたあと、「氷のガキ」と言っていた。

なぜ血液型を知ってるのか。それは誰も知らなかった。南斗だってわざわざ敵に教えるほど馬鹿ではない。

南斗は恐怖のあまり考えるのをやめた。

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