イービルサーカス(下)
前回のあらすじ
クローバーによく似たクイーンと、彼女の操るレッドドラゴンをモチーフにした魔法人形と戦うリチュ。リチュの軟体と身体の変化、それに運によって、ドラゴンを壊すのであった。
※この話はガキン視点で描かれます。
キズ―とデブピエロ、リチュ姉とチビピエロが、戦っている。
俺の前にいるのは、上半身だけになった、ジョーカーという名前のピエロだ。
「HAHAHA!さぁ、さぁ、3対3のタイマンのショーをお楽しみください!」
あいつは、両手に3本ずつのナイフを持つ。
『私は道を間違えた!!』
ジョーカーは俺に向かって、突撃してくる。
「ちっ!」
俺は、あいつの攻撃を避ける。
しかし、あいつは何度も軌道を変え、俺を狙ってくる。
「ちっ!面倒な奴。避けるのも体力がいるってのに。」
俺が何度も攻撃を避けていると、あいつは突然動きを止め、左側を見て、ナイフを落とした。
「なんだ?」
俺が、あいつの見ていた方を見ると、そこにはチビピエロと、リチュ姉がいた。
「来い!スカーレット・タイフーン・エクセレントアルファ!!」
チビピエロのその声に、ジョーカーが手を上げる。
しばらくすると、バカでかいドラゴンが姿を現す。
バカでかいドラゴンには驚いたが、どうやら、リチュ姉の方に向かっていくらしい。
クローバーとかいうチビの真似を、魔法にさせているのか?
まぁいい。どうやら今は隙だらけだ!
俺は、ジョーカーに向かって、走り出す。
「くらえぇぇぇぇぇ!!」
俺が飛び上がり、あいつに向かって剣を振り下ろす瞬間。あいつはこちらを見て、右手を上げる。
「『誰か私を───」
そして、一気にその手を下ろす。
「───裁いてくれ』!!」
直後、彼の前に、赤黒い水の壁が噴き出す。
「ぐあぁぁ!」
その水に当たった瞬間、当たった場所に、刃物で削られるような痛みが走る。
俺は、吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。
「ぐは!」
俺は、口から血を吐き出す。自分の体を見ると、あの水に触れたところに切傷が付いていた。
「HAHAHA!よく私を見ている。しかし、油断していては、物事うまくいかないものさ。」
そう言って、笑うジョーカー。水飛沫が当たったのか、あいつの体にも傷が増えている。
俺は、痛む体に鞭打って、無理矢理立ち上がる。
眩暈がする。足がふらつく。息が苦しい。
けれど、俺があいつをやらねぇと。キズ―もリチュ姉も守れねぇ。
「HAHA。その見た目じゃ、私に一撃与えるどころか、いつ死んでもおかしくないね。潔く諦めたほうがいい。
諦めれば、苦しむことはもうない…。」
ジョーカーが俺を笑っている。
腹立たしい。
声がいつもより低いがその顔は完全に、俺を笑っている。
「笑ってんじゃねぇよ。俺は諦めねぇ。お前の思い通りになると思うなよ!!」
俺は剣をあいつに向けた。
次回予告
キズ―とキング、リチュとクイーン、ガキンとジョーカーそれぞれの戦いに終止符が打たれる!?
次回 孤独の悪魔




