縮まる|死の時間《カウントダウン》
前回のあらすじ
ジョーカーが放つ攻撃の数々。それは、対象を狙わず、仕掛けにナイフを投げ、その仕掛けで相手を攻撃するという、回りくどい方法だった。
どこから来るか分からない、攻撃に、苦戦するガキンを見て、リチュは対策を考えた。
とある魔法を使う準備をした私は、ガキンさんに向かって、叫んだ。
「ガキンさん!今から、少しの間だけ!暗闇に隠れた仕掛けを見えるようにします!仕掛けに当たりそうなときは、私も警告しますが!念のため、貴方も警戒していてください!!」
それを聞いた、ガキンさんは、こちらを見て、軽く笑った。
「おう!何する気か分からねぇが、リチュ姉が魔法を準備する時は、目と髪の色変わるもんな!ドカンと、やっちまえ!」
ガキンさんがそんなことを言っていた。え?私魔法使う時、目と髪の色変わるの?青い部分じゃん。そんなん見られたら、人って誤魔化せないじゃん。あ!リズさんが、私を魔物って疑った理由って…。
って、そんなこと考えている場合じゃない。
私は、走って勢いを付けつつ、ジャンプする。なるべく、『あの魔法』の飛距離を伸ばすために。
「『囮花火』!!」
私は、天井の暗闇に向かって、小さな火の玉を出した。
それは、少し進んでいき、天井の暗闇を照らすかのように大きく光る。
そして、天井に吊るされた、様々な刃物や、鉄球が映し出される。
「すげぇ!まだ、一部だが、それでも警戒すべき場所が大体分かる!!」
ガキンさんが、そう言って、にやりと笑った。
しかし、それは、種を明かされて、不利になったはずのジョーカーさんも同じだった。
「HAHAHAHAHA!炎の光で、種と仕掛けを明かすとは。素晴らしい。素晴らしいですが。
君、そんな光を当ててしまっては、お仲間が危険に晒されるのでは?」
ジョーカーさんのその言葉を聞き、何のことかと、疑問に思うが、ポタポタといった擬音を聞いて、その意味を知る。
音の正体、それは、急速に溶けた、キズ―さんの下にある氷が溶けて、その水が地面に落ちる音だった。
「なんか、やけに溶けるのが早くなっていません⁉」
驚く私に、ジョーカーさんは相変わらず笑う。
「当然。ここのライトの熱ですら、溶けているのだから、火の玉なんて出してしまったら、溶ける速度は上がるに決まっているでしょう。HAHAHA!つまり、君は、良いと思ったその行動で、あの子の死に近付けてしまった。HAHAHA!まるでどこかの男のよう!!」
私はその言葉に驚いた。私のよく考えない行動のせいで、キズ―さんの死が近づいてしまった。
「あ。ああ。どうしましょう。私のせいで…。」
私が、ショックを受けていると、ガキンさんが叫んだ。
「でも、リチュ姉のおかげで、相手の攻撃は、分かったんだ!大丈夫!縮まった時間は俺が取り戻す!リチュ姉も、キズ―も誰も悲しませる結果になんかしない!!」
次回予告
炎の熱で、縮まってしまった時間。それでも、キズ―を失わないように、戦うガキン。ガキンの作戦により、キズ―を助けることは出来るのだろうか。
次回 直接的な殺意




