迷い無き悪意
前回のあらすじ
ハートとの戦いに苦戦する、3人。彼らを助けるべく、ナイトバード達は『母』を呼んでいた。
「『ナイトバード共が騒いでおるから、何事かと思って来てみたが。お主ら、喧嘩でもしとるのか?』」
私は声のする後ろを見る。そこには、腰まで伸びた金色の髪、来ているサラシと見分けがつかない程真っ白な肌。そして、とても印象的な大きな蛇の尻尾。
声の主はエキドナさんだった。
「あらあら♡新たな強敵が現れたみたいね♡こんなピリピリした空気♡1年前に出会った、あの青髪の少女を思い出すわ♡」
ハートさんは2本の剣を擦りながら舌なめずりをする。
「『む?この前出会った人間の子供に、スライム…、あ。これ言っちゃあかんかった。んん。
それと、悪魔か?』」
エキドナさんが目を細めて静かな声で言う。
「『して、お主らは何故喧嘩なぞしとるのだ?』」
エキドナさんに向かって、走りながら言うハートさん。
「アタシから誘ったのよ♡可愛い子と踊る♡当然の事でしょう♡」
ハートさんが、エキドナさんを斬ろうとする。
「危ない!!」
私がそう叫ぶが、エキドナさんは彼の剣を避けようとしない。
ハートさんが剣を振り下ろす。
そうすると…
彼の剣はエキドナさんの首に当たり、剣の方が折れてしまった。
「へぇ♡随分と硬い皮膚をお持ちね♡」
そう笑うハートさんを睨むエキドナさん。
「『お主がこの騒ぎの元凶か。皆仲良く、それが出来ぬなら。そのねじ曲がった性根、過去に戻って直してくるがいい!! 』」
エキドナさんの右拳が、黄金色に光る。
「『『母の鉄拳』!!』」
エキドナさんが、ハートさんに拳を振るうと、彼はとてつもない勢いで吹き飛び、木々を10本ほどなぎ倒し、そこでやっと、彼の吹き飛ぶ勢いは落ち、彼は地面へと倒れる。
エキドナさんの強さに、私とガキンさん、キズ―さんは驚いて、口をあんぐりと開ける。
しかし、一番驚いた様子だったのは、エキドナさん本人だった。
「『何!? 『母の鉄拳』は食らった者が、必ず、後悔する選択をした過去まで吹き飛ばす技…。それが効かないなんて…。
お主、まさか、こんな悪さをしておいて、一切の後悔すらないのか!』」
エキドナさんの言葉に、ゆっくりと起き上がり、こちらへと片足を引きずって歩いてくるハートさんが笑顔で答える。
「当然よ♡こぉんなに楽しい時間を過ごせるのに、過去に後悔なんてしたことないわよ♡」
ハートさんが血を吐きながら、口の中から新たな剣を抜く。
そして、彼は「ホーッホッホッホ!!」と笑いながら、片足のひと蹴りで、一気にエキドナさんの方に近づき始める。
「『心の芯から腐った悪い子よ…。お主がそんな性格になってしまったのも、妾がきちんと見てやれなかったが故か。
ならば、妾がその責任を取らねばならんな。全世界の母として!!』」
エキドナさんは両手を開く。そして、両手から黄金色の炎が巻き上がる。
炎は、彼女の半身程の大きさをした、片刃の大きな反りを持った刃物へと変化する。
彼女はそれを握り締め、勢いよく近づくハートさんを迎えうつ。
エキドナさんの剣に当たって、ハートさんの剣は粉々に砕けてしまう。
「へぇ♡?やるじゃない♡体だけじゃなくて、ソコも硬いのね♡」
口から剣を吐き出すハートさん。
しかし、エキドナさんは避けることもせず、剣を胸で受けながら、ハートさんに近づく。
「『浄化の炎に抱かれ、しばらくの間反省しておれ!!』」
エキドナさんは、自身の剣に黄金色の炎を生み出し、その剣で、ハートさんを焼き斬る。
ハートさんは灰になりながらも、笑っていた。
「ホホホ♡いいわ♡また、踊りましょう♡死の舞台で♡」
次回予告
ハートを退けた『エキドナ』は、3人を村へと返す。
帰り道、リチュ達はスペードに言われたピエロを知らないかと、『エキドナ』に聞いたが…。
次回 ひとときの休み




