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容疑を晴らすのは容易でない

「おぉ〜。朝ですかぁ。」


 私は、落ち葉の山から体を出す。久々に行うスライムらしい、落ち葉に身を隠した睡眠。


 スライムの村から、『ヒューマノン』に行くには、時間がかかり、私達は一夜をすごした。

 ただ、私は、良い睡眠を取れた訳ではなかった。その理由は、今、私の目の前にいる、2羽と落ち葉から体を出した途端、まだ人間の姿になってないにもかかわらず、私の上に乗る1羽のナイトバードが原因だ。


 彼らは、夜行性故に、夜に活発化して、私の睡眠が阻害されていった。ただ、一夜を共にして彼らについてわかったこともある。


 まず、今、ウトウトしている子、普段、私の右肩に乗っている子は、歌を歌うのが好きなのか、寝ている時以外は歌を歌っている。私は、この子を『チュンチュ』と名付けた。


 次に、今、自分の羽をついばんで、毛ずくろいをしている子。この子は、自分の羽を綺麗にする事が、好きで、隙あれば直ぐに毛ずくろいをしている子だった。私は、この子を『ウィング』と名付けた。


 最後に、今、勝手に私に乗って眠っている子。この子が、1番暴れん坊で、本当に、温厚なナイトバード、なのか疑わしく思う子だ。よく『ウィング』に突っかかったり、私に乗っかかったりしているやんちゃな子だ。私は、この子を『ヘッド』と名付けた。すぐ、私の頭に乗るし。


 私は、ヘッドさんが、頭の位置に来るようにして、人間の姿を作る。それを見た、ウィングさんは、私の左肩にのる。チュンチュさんも、右肩に乗ろうと、ウトウトしながら、私の方に歩いてくる。

 私は、チュンチュさんを抱き、右肩に置いて、『ヒューマノン』まで、歩き始める。


 ――――――――――


 私が、『ヒューマノン』にたどり着くと、『ヒューマノン』の入口に、リズさんがいた。


「お前は、リチュ!!」


 リズさんが、私に向かって杖を向ける。


「リズさん!?」


「お前、やはりまだ生きていたか!子供達を返してもらおう!!」


「待ってください!リズさん!私は、子供を誘拐なんてしてません!!」


「私が、そんな言葉信じるわけないだろ!! 『火炎魔弾(ファイアーボール)』!!」


 リズさんの杖から、火の玉が放たれる。


 まずい、今、急いで避けたら、眠っているナイトバード達が、怪我してしまう。


「『魔法の壁(トーチカ)』!!」


 私が、手を前に突き出し、土のマナを体から出す。それらは、私の前で集まり、大きな土の壁を作り出す。

 私は、壁で、火の玉を防ぎつつ、リズさんに言う。


「辞めてください!! 私は、貴方と戦いに来た訳ではありません!!」


「いい加減、その化けの皮を、脱ぎやがれ!!」


 リズさんが、大量に火の玉を放ち続ける。壁がそれらを防ぎ続けるが、ヒビが入り始めた。


 ま、まずい…


「リズ!何をしている。」


 壁の向こうで、リードさんの声が聞こえた。

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