手も足も出ない相手
前回のあらすじ
命を懸けた試合が始まった。彼らは人間に恨みを持っているようだが…。
※今回はガキン目線で話を進めていきます。
俺は、目の前の猫を睨む。
奴はケットシーだろう。二足歩行であることと、尻尾の先端が、花のつぼみのようになっていることが、その証拠だ。って、キズ―が本に書いてあったって言ってた。
「やれ~。猫おじ!お前のすごさ見せてやれぇ!!」
外野がうるせぇ。
俺が、苛立っていると、ケットシーの野郎が、杖をつき、左手のひらを上にして挑発してきた。
「貴方は剣士のようだね。なら私も魔法を使ったりしないから、さっさとかかってくるがいい。」
俺は、その行動と発言に、さらに腹を立てた。
「なめんじゃねぇよ!後から後悔しても遅いぞ!」
俺は、剣を構え走る。
そして、そのケットシーに目掛けて、剣を振り下ろそうとした。
しかし。
「試合じゃあ冷静さを失ったほうから負けていきますよ。」
俺が、あいつに剣を振る前に、あいつは、杖で俺の顔面を殴っていた。
「ぐっ!」
俺はその衝撃で少し飛ばされる。
あのケットシーは、再び杖をつきながら言う。
「どうしました?私はここから一歩も動いてませんよ?さぁ、早く本気を出してください。」
「うるせぇなぁ!」
俺はすぐに起き上がり、今度は、剣を右下後ろに構え走る。
深く踏み込み、ケットシーを斬り上げようとするが、奴は杖を使い、足払いを仕掛けてきた。
「やれやれ、その程度ですか?これは、パーフェクトゲームもいけそうですね。」
ケットシーの言葉に、青ピエロ野郎、スペードが叫ぶ。
「おぉっと!猫おじさんがここでパーフェクトゲーム。つまり、『一度も相手の攻撃を食らわずの勝利』をすると宣言した!さて、この公開処刑は見ものです!」
スペードの言葉に、外野がさらにうるさくなる。
「パーフェクトゲーム?一度も攻撃を食らわず勝利?いいのかよ、そんなこと言って。大恥かくぜ?」
立ち上がった俺が、ケットシーにそういうが、奴は特に気にしていないようだった。
「たしかに、当たってしまったら恥でしょう。ですが、成功すれば観客は大盛り上がりになるでしょうね。」
「は!観客観客って、てめぇは曲芸師かなんかのつもりかよ。ショーっつったって、これは命を賭けた戦いだろ?ふざけてると、死ぬぞ?」
俺の言葉に、ケットシーは冷静に返す。
「相手を見ることもせず、ただ適当に攻撃を擦るだけの貴方と、しっかりと相手を見て、適切な攻撃をする私。さて、死ぬのは果たしてどちらでしょうね。」
「ちっ!」
俺は、なんども奴に攻撃を仕掛ける。
しかし、奴は俺の攻撃を避けもせず、全て先に攻撃を当てに来た。
「やれやれ。本当に貴方は何も考えずに攻撃をしているようですね。確かに、貴方が剣を振ってから私に当たるまで、大体3か4Fしかし、貴方は、かなり遠くから、構えてから走る癖があって。隙だらけです。
それに、貴方は、本来剣が届くリーチより、かなり近い距離で攻撃する。それは貴方の剣の刃こぼれが、剣の先端には少なく、持ち手に近づくにつれて大きくなることからも分かります。
しかし、その刃こぼれの量。何匹もの命を奪ってきたんだろうな!」
ケットシーの最後の言葉は、どこか苛立ちを感じた。
「は!なんだよ。今更怖くなったのか?それとも、自分の仲間が殺されたことを思い出したとかか?」
俺は剣を構えつつ、そう言った。
それに対して、ケットシーは今までの冷静さが嘘と思えるほど、怒りの表情を見せた。
「ふざけるな!! キャトの死をそう、軽々しく…」
俺はケットシーが喋っている隙に、地面を蹴り、剣であいつを突く。
その攻撃はギリギリで避けられたが、ケットシーに驚きの表情を見せる。
「なっ!!」
「悪ぃな。俺は都合のいい話以外を聞くほど、頭悪くねぇんだよ!」
俺の小馬鹿にした表情に、ケットシーは俺を睨む。
「やはり、人間は、自分勝手な生き物だな!!」
距離を離した俺とケットシーは、互いの武器を相手に向ける。
「遊びは終わりだ。私の本気を見せてやる!!」
「本気を出すのが、遅すぎたな。お前は俺に負けて終わりだ!」
次回予告
本気を出した、猫おじさん。彼の魔法に、ガキンはどう戦うのか。
次回 GAME SET




