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―――共闘したい

こちらの話は、『スライムさんの生存戦略』からの続きとなります。

『スライムさんの生存戦略』を、まだ読んでいない人は、先にそちらをお読みください。

 私は、立ち上がり、心の中に語りかけてきた声に、答える。


「私は、人間達と共闘します。」


 よくよく考えたら、こうなってしまったのは、あの緑の少女が嘘を言ったことから、始まった。

 今、思い返せば、あの子は普通の人間と違っていた。あの子の周りのマナは、無理矢理何かに押されていたように見えた。

 本来、体内にマナを持たない人間の周りだけに、マナがくっついて、人間の形を作るのはよくある現象だ。目の悪いスライムが、正確に人間の形を把握する術としても利用するぐらいだ。

 ただ、あの子の周りのマナは、あの子がどれだけ動こうと、逆に動かなかろうと、一定の距離を保っていた。まるで何かに押さえつけられたかのように。

 私が、戦うべきは、あの人間では何かだ。


 私が、村から出る。するとすぐに、鳥の声がした。

 私が空を見ると、普段夜しか活動しないはずの、ナイトバード3羽が、私の両肩と頭に止まる。


 右肩に乗ったナイトバードは、私の方を見て、歌を歌うように鳴く。左肩の子は私に頭を擦り付ける。頭の上の子は、座り込み寝てしまう。


 ナイトバードは、夜の魔物の為、怖がられる事も多いが、彼らの特技は、動物を癒す魔法を使えること。

 本来は怪我した時に発揮するのだが、どうやら傷ついた私の心を、癒そうとしているのだろうか。頭の上の子以外は。


 私が、森を歩いていると、3人の人間の男と出会う。


「おいおい、奇抜な格好した女がいるぜ。」


 剣を持った男が、私の前に立つ。


「女ァ。お前、ここら辺にスライムの村が、あるらしいんだが、知らねぇか?」


「そこに行って何をするんですか?」


「お前、知らねぇの?今、『ヒューマノン』にスライムの素材、コアを渡せば、大金が手に入るんだぜ。だから、狩りに行くんだよ。」


 男の言葉に、私は手を広げる。


「いけません!そんな事、させません!!」


 私の言葉に、男の顔が怒りに染まる。


「ああ!? んだてめぇ、俺の邪魔すんのか!!」


 男が剣を振り上げた。

 瞬間、私の上で寝ていたナイトバードが、男を睨む。そして、私の上から飛ぶと、突風を起こし、男を吹き飛ばす。


「な、なんだあの鳥…」


 狩人と魔法使いが、悲鳴をあげて飛んで行った男を見て後ずさる。


 風を起こしたナイトバードは、狩人と魔法使いを追いかけ、吹き飛ばす。

 その後、満足したのかその子は、私の頭に戻ってきて再び眠ってしまった。


 私は、急いで『ヒューマノン』に向かった。

 このままでは、スライム狩りは終わらない。まずは、素材の売買を辞めさせなければ。


 私は、新たな道に足を進める。

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